カーネーション

カーネーション

カーネーション、
草月ホールでの
ワンマン2デイズ公演は
“広すぎる音楽性を
贅沢に観てもらえる機会”

35周年を迎えた昨年は、ベストアルバム『The Very Best of CARNATION "LONG TIME TRAVELLER"』のリリース、日比谷野外大音楽堂にて『35年目のカーネーション“SUNSET MONSTERS”』を行なうなど、アニバーサリーイヤーに相応しい活動を続けてきた彼ら。初日はストリングス、2日目はホーンセクションを迎えた編成で6月29日&30日に東京・草月ホールで開催される『草月ホールのカーネーション ストリングス&ホーンズ Special 2days』は、このバンドの豊かな音楽性を改めて提示するとともに、この先のカーネーションを体感できる貴重な公演になりそうだ。バンドの中心である直枝政広(Vo&Gu)に話を訊いた。

“音楽的な観せ方をしたい”から
生まれたストリングス
&ホーンズのワンマン

――まずはここ2~3年の活動について聞かせてください。2016年に16 thアルバム『Multimodal Sentiment』、2017年に17thアルバム『Suburban Baroque』を発表。昨年は新曲2曲を含むベストアルバムをリリースと精力的な活動が続いていますね。

「35周年に向けて、いい助走をつけたいというのがあったんですよね。2年続けてオリジナルアルバムを出したことについては、デビューから10年くらい、90年代まではずっとそういうペースだったので、特にきついということはなくて。逆に締め切りがあったことで、いい具合に自分を追い詰めることができたと思います。その着地点が去年の6月の野音でのライヴだったんじゃないかと」

――日比谷野外大音楽堂で行なわれた『35年目のカーネーション“SUNSET MONSTERS”』には、岡村靖幸さん、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん、鈴木慶一さん、曽我部恵一さん、堂島孝平さん、森高千里さん、山本精一さんなど、豪華なゲストが参加。アニバーサリーに相応しいステージになりました。

「最高のお祭りでしたね。どういう方に来てもらうか、お客さんへの紹介の仕方も含めて、いろいろ考えながらライヴを作っていって。諸先輩方もいらっしゃるし、同年代のミュージシャンもいますから。下の世代の人たちを呼べたことも良かったですね。堂島孝平くん、曽我部恵一くんなどもそうですが、彼らともしのぎを削ってきたところがあるので。ひとつひとつの気持ちをつなげて、感謝の気持ちを込めて返していけたらなとも思っていました。まだまだ返し切れていないですけどね」

取材:森 朋之
35周年を迎えた昨年は、ベストアルバム『The Very Best of CARNATION "LONG TIME TRAVELLER"』のリリース、日比谷野外大音楽堂にて『35年目のカーネーション“SUNSET MONSTERS”』を行なうなど、アニバーサリーイヤーに相応しい活動を続けてきた彼ら。初日はストリングス、2日目はホーンセクションを迎えた編成で6月29日&30日に東京・草月ホールで開催される『草月ホールのカーネーション ストリングス&ホーンズ Special 2days』は、このバンドの豊かな音楽性を改めて提示するとともに、この先のカーネーションを体感できる貴重な公演になりそうだ。バンドの中心である直枝政広(Vo&Gt)に話を訊いた。

“音楽的な観せ方をしたい”から生まれた
ストリングス&ホーンズのワンマン

――まずはここ2~3年の活動について聞かせてください。2016年に16 thアルバム『Multimodal Sentiment』、2017年に17thアルバム『Suburban Baroque』を発表。昨年は新曲2曲を含むベストアルバムをリリースと精力的な活動が続いていますね。

「35周年に向けて、いい助走をつけたいというのがあったんですよね。2年続けてオリジナルアルバムを出したことについては、デビューから10年くらい、90年代まではずっとそういうペースだったので、特にきついということはなくて。逆に締め切りがあったことで、いい具合に自分を追い詰めることができたと思います。その着地点が去年の6月の野音でのライヴだったんじゃないかと」

――日比谷野外大音楽堂で行なわれた『35年目のカーネーション“SUNSET MONSTERS”』には、岡村靖幸さん、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん、鈴木慶一さん、曽我部恵一さん、堂島孝平さん、森高千里さん、山本精一さんなど、豪華なゲストが参加。アニバーサリーに相応しいステージになりました。

「最高のお祭りでしたね。どういう方に来てもらうか、お客さんへの紹介の仕方も含めて、いろいろ考えながらライヴを作っていって。諸先輩方もいらっしゃるし、同年代のミュージシャンもいますから。下の世代の人たちを呼べたことも良かったですね。堂島孝平くん、曽我部恵一くんなどもそうですが、彼らともしのぎを削ってきたところがあるので。ひとつひとつの気持ちをつなげて、感謝の気持ちを込めて返していけたらなとも思っていました。まだまだ返し切れていないですけどね」

――そして今年は東京・草月ホールで『草月ホールのカーネーション ストリングス&ホーンズ Special 2days』が開催されます。初日はストリングス、2日目はホーンセクションを招いて行なわれる、特別編成でのライヴですね。

「まずは会場を押さえてもらってから、“この2日間で何をやろうか?”と考えまして。ゲストを招くのもいいんですが、“もっと音楽的な観せ方をしたほうがいい”というスタッフの意見もあって、ストリングとホーンというかたちでやろうと。チャーリー・パーカーのアルバム『チャーリー・パーカー・ウィズ・ストリングス』のイメージも浮かんだし、きっとカーネーションの広すぎる音楽性を贅沢に観てもらえる機会になると思います」

――初日の“with Strings Day”は美尾洋乃さん率いるカルテット、2日目の“with Horns Day”には、ザ・スリルの平田直樹さん、小泉邦男さん、ロベルト小山さんが出演。

「美尾さんは自分たちのデビュー曲「夜の煙突」にコメント寄せてくれたりと、80年代から関わりがあるんです。鈴木博文さんと美尾さんのユニットMio Fouのバッキングをやったことが、カーネーションとしては初めての外の仕事だったりもして。ザ・スリルのメンバーも初期のカーネーションのグルーヴを一緒に作り上げてくれた人たちで、特に90年代のアルバム『天国と地獄』以降の黒人音楽を取り入れていた時期は、この3人にずいぶん手助けしてもらったんですよね」

――いずれも縁の深い方々なんですね。

「そうです。最初からそれを狙っていたわけではないんですが、いつの間にかそういう流れになって。良かったです」

――バンドメンバーは岡本啓佑さん(Dr)、伊藤隆博さん(Key)、松江 潤さん(Gt)。

「彼らに守られてますね、カーネーションは。様々なすぐれたミュージシャンたちにずっと助けられているし、今回もまた手伝ってもらうことになって」

――みなさん、カーネーションの音楽を深く理解していて、演奏者としてのスキルもありますよね。

「それは一緒に演奏すればすぐに分かりますね。この前も俺と大田、岡本くんのトリオでライヴをやったんですけど、超楽しかったですよ。岡本くんも頭で考えずに、じつに自由に活き活きと叩いてくれました。今はいろいろなスタイルでライヴをやっていて、オリジナルメンバーの5人編成もあるし、トリオだってデュオだってある。“これじゃないといけない”という決まったかたちはないし、縁や出会いを大切にしながらフレキシブルにやってますよ。

今までを総括するのではなく、
次につながるライヴにしたい

――このライヴも、そのひとつなんでしょうね。セットリストはどうなりそうですか?

「まだ構想段階ですが、たとえば「REAL MAN」という曲はもともとアクロバティックなストリングスが入っているので、それは当然期待されているだろうなと。代表曲はなるべく聴かせたいと思うし、一方では“いろんなやり方があるな”とも考えていて。“メンバーふたりと弦だけ”とか、いろんな組み合わせがありますからね。あとは両日とも新曲を用意しようと思っています。まだスタッフにも聴かせてなくて、多分“どうなってるんだろう?”と心配されてると思うんだけど(笑)。何曲か作っているので、自分の中で“どれがいいだろう”と考えている段階ですね」

――素晴らしいです! ちなみに今制作している新曲は、どんな方向性の楽曲なのですか…?

「作り方としては、“ギターで歌を作って、それを歌い上げる”という方法と“リズムから作って、斬新で面白いパースを見せる”という両方があって、“さぁ、どっちだろう?”というところです。歌モノとストレンジなもの両方を際立たせたいし、あとはポップスというものを意識して作りたいんですよ、本当は。まぁ、こうやって考えていても、手を動かして作ってるうちにどんどん変わっていくんだけど」

――カーネーションは広義のポップミュージックを体現し続けていますが、時期によってモードの変化もありますよね?

「そういう分析はしないんです、自分では。その時の気分やムードもあると思うんだけど、ちょっと分かりづらいというか、やってきたことが“20年くらい早かったな”と思うこともあるんですよ」

――先ほど“90年代は黒人音楽を取り入れていた”と仰ってましたが、ここ数年、ブラックミュージックの要素を取り入れたバンドが数多く登場していて。

「そうなんですよ。当時はギター・ポップをまったく聴いてなくて、じつはヒップホップばっかり聴いてたんです。マジカルなバックトラックを追い求めて毎週のように12インチを買い漁ってました。サンプリングも散々やったし。 “ヒップホップこそが新しい作曲だ!”と思っていて。一番それをやったのはアルバム『天国と地獄』(1992年)『EDO RIVER』(1994年)の頃なんですが、そういった斜めなサウンド指向をロック・バンドに取り入れること自体、25年くらい早かったですね(笑)。何に対しても過剰というか、物事の捉え方がちょっとおかしいのかも。この前も、ある編集者の方と文学とか絵画の話をしていたら、“直枝さんはいろんなことに詳しいけど、今一番売れているものを意識的に観たり聴いたりしたほうがいい”と言われまして(笑)」

――なるほど(笑)。

「『トイ・ストーリー』とか、ああいうものを観なくちゃいけないって(笑)。たしかにぼくに足りないものがあるとしたら、それかもしれない。そんな視点をしばらく忘れてたなぁと思ったし。なので、今の俺のテーマは、ミーハーな気持ちを取り戻して、楽しむことですね」

――音楽に関してはどうですか?

「フェスの在り方についてはよく考えてますね。去年の『FUJI ROCK FESTIVAL '18』にボブ・ディランが来たじゃないですか。これは観なくちゃいけないと思って行ったんですけど、“これだけの人が集まるというのはどんな磁力が働いているんだろう?”と」

――そういう状況も含めたうえで、カーネーションとして何を表現するべきか?につながっていくというか。

「最終的には、自分の気持ちに正直になって、それをストレートに出せれば、勢いや力というものが作用する気がしているんですけどね。その出し方さえクリアできれば、次に行けるような気もするし。明るい兆しが見えて、“これが俺たちの居場所だ”と確認するのが大事なのかなと。草月ホールでのライヴも、それを見せられる場所になると思います。今までを総括するというより、どう見せるかによって、次につながる気がしているので」

取材:森 朋之

【ライブ情報】
『草月ホールのカーネーション ストリングス&ホーンズ Special 2days』
出演:カーネーション
サポート:岡本啓佑(Dr)、伊藤隆博(Key)、松江 潤(Gu)

■with Strings Day
6月29日(土) 東京・草月ホール
Special Guest:美尾洋乃(Violin)、美尾洋香(Violin)、鈴木千夏(Viola)、橋本 歩(Cello)
チケット情報ページ:http://bit.ly/2JZRvUX

■with Horns Day
6月30日(日) 東京・草月ホール
Special Guest:平田直樹(Trumpet)、小泉邦男(Trombone)、 ロベルト小山(Sax,Flute,Percussion)
チケット情報ページ:http://bit.ly/2Kqv8Yo
カーネーション
『草月ホールのカーネーション ストリングス&ホーンズ Special 2days』
アルバム『The Very Best of CARNATION "LONG TIME TRAVELLER”』

『草月ホールのカーネーション
ストリングス&ホーンズ
Special 2days』

出演:カーネーション
サポート:岡本啓佑(Dr)、伊藤隆博(Key)、松江 潤(Gu)

■with Strings Day
6月29日(土) 東京・草月ホール
Special Guest:美尾洋乃(Violin)、美尾洋香(Violin)、鈴木千夏(Viola)、橋本 歩(Cello)
チケット情報ページ:http://bit.ly/2JZRvUX

■with Horns Day
6月30日(日) 東京・草月ホール
Special Guest:平田直樹(Trumpet)、小泉邦男(Trombone)、 ロベルト小山(Sax,Flute,Percussion)
チケット情報ページ:http://bit.ly/2Kqv8Yo
アルバム『The Very Best of CARNATION "LONG TIME TRAVELLER”』2018年6月20日発売
    • 【CD2枚組】
    • CRCP-40553~4/¥3,241+税

OKMusic編集部

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