SEKIROは難しすぎる?上がり続けるゲ
ーム難易度に思うこと
SEKIRO: SHADOWS DIE TWICEに見る和製
アクションRPGの行く末
今回のゲームコラムでは、この注目タイトル越しに、和製アクションRPGの行く末について考えていく。
フロム・ソフトウェア発のアクションR
PG『SEKIRO』
作品全体に施されたスタイリッシュなアクションは、おなじく同社によって開発されたアクションRPG、Bloodborne(ブラッドボーン)の流れを汲んでいるとも言えるだろう。刀による剣戟、多種多様な忍具によるコマンドアクションなど、見どころは多い。
フロム・ソフトウェア発のアクションRPGと言えば、「中世ダークファンタジー」が代名詞だ。しかし先にも述べたとおり、本作では日本の戦国時代が舞台に選ばれた。登場人物のコスチューム、城や寺などの風景描写からは、「日本人が描いた日本」だからこその美しさを感じることができる。
フロム・ソフトウェアが確立した『死に
ゲー』というジャンル
とはいえ、死にゲーにおいては、根本的な“なにか”が変わらなければ、一度(実際には一度どころではない)つまづいた試練を乗り越えることはできない。キャラクターの強化や攻略法の発見、プレイ技術の向上など。プレイヤーにとって、これらのプロセスを踏んで攻略を進めることは、“理にかなった”努力とも言える。
一方で、ゲームを開発する側には、緻密なバランス感覚が求められる。攻略法の用意、そこに至る導線の確保、プレイヤーがギリギリ努力で埋められる難易度調整など。前段で書いたとおり、人は達成感から幸福を得るためにさらなるハードルにチャレンジする。その過程で理不尽さを感じたり、あまりのハードルの高さに嫌気が差したりすることがあれば、ゲームバランスとして考慮すべき点があるだろう。フロム・ソフトウェア発のアクションRPGを現在の地位まで押し上げたデモンズソウルは、神がかり的なバランス感覚で仕上げられた、まさに神ゲーと呼べるタイトルだった。
上がり続けるゲーム難易度に思うこと
ロックオンを外すためにプレイヤーの視点から消える動きを繰り返すボスキャラクターの動き、極端に狭いエリアでの戦闘、同じモーションから繰り出される別の派生攻撃。これらによって担保された難易度調整を、プレイヤーは“理にかなった”ものだと感じるだろうか。
2分割された体力によって前半と後半でまったく違う行動をするボスキャラクターも多い。これは実質的に別のボスキャラクターとの連戦だ。敵の行動パターンを覚えることで攻略を進めていく一面が死にゲーにはある。前半の行動パターンを完全に把握しなければ、後半への挑戦権さえ与えられない仕組みは、考え尽くされた調整と言い難い。コアゲーマーたちが諸手を挙げて支持したデモンズソウルは、このような調整の上に成り立っていたタイトルだっただろうか。
どれだけ苦言を呈しても、おそらく次回作が出ればまた買ってプレイするのだと思う。ぼくたちはデモンズソウルで感じてしまったあの楽しさを忘れられない。それくらいデモンズソウルの出来は素晴らしかった。ひとりのゲームプレイヤーとして、フロム・ソフトウェア発のアクションRPGに原点回帰を望みたい。
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ミーティア
「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。