大人気少女漫画がついに宝塚歌劇に登
場! 柚香光主演の花組公演『花より
男子』制作発表会見レポート

2019年6月15日(土)~7月2日(火)、TBS赤坂ACTシアターで、宝塚歌劇花組公演 TAKARAZUKA MUSICAL ROMANCE『花より男子』─原作 神尾葉子「花より男子」(集英社マーガレットコミックス刊)─ が上演される。

(左から)希波らいと、優波慧、柚香光、城妃美伶、聖乃あすか
「花より男子」は1992年から集英社「マーガレット」で連載が開始された神尾葉子の代表作。日本はもとより、台湾、韓国、中国でも映像化され、累計発行部数6100万部超の、少女漫画界を代表する作品のひとつとなっている。そんな作品が、宝塚花組で活躍する男役スター柚香光主演で宝塚歌劇の舞台に初登場することになり、大金持ちの御曹司と庶民の少女と、二人の周りを取り巻く人々が織りなす青春と恋模様が、魅力的なミュージカルナンバーを多用して繰り広げられる作品として生まれ出る。
(左から)柚香光、城妃美伶
この作品の制作発表会見が5月10日(金)都内で開かれ、宝塚歌劇団小川友次理事長、作品の脚本・演出を担当する野口幸作、主演の道明寺司役の柚香光、ヒロイン牧野つくし役の城妃美伶、道明寺と共に選りすぐりのセレブが集う名門校「英徳学園」を牛耳る「F4」美作あきら役の優波慧、花沢類役の聖乃あすか、西門総二郎役の希波らいとが登壇。公演への抱負を語った。
(左から)希波らいと、優波慧、柚香光、小川友次理事長、野口幸作、城妃美伶、聖乃あすか
パフォーマンス披露から始まった制作発表会見は、道明寺司の柚香光、美作あきらの優波慧、花沢類の聖乃あすか、西門総二郎の希波らいと「F4」の4人が勢ぞろいする「花より男子」のナンバーからスタート。それぞれが扮装での登場で、役柄のキメ台詞も披露。早くも原作の世界観が広がる。
(左から)「F4」希波らいと、聖乃あすか、柚香光、優波慧
柚香光
優波慧
聖乃あすか
希波らいと
そこから、ヒロイン牧野つくしの城妃美伶が花沢類に寄せる想いを、花沢の聖乃が幼馴染で初恋の人・藤堂静への胸のうちを、さらに道明寺の柚香がつくしを求める心をと、互いに異なる誰かを思っている、それぞれの大切な人への歌「フラワーズ恋の花」が歌われ、作品の複雑に絡み合う恋模様の一端が立ち現れた。

城妃美伶
聖乃あすか
柚香光
(左から)聖乃あすか、柚香光、城妃美伶
そこからステージは会見場へ。
小川理事長から、『ベルサイユのばら』の例を引くまでもなく、夢を売る宝塚と漫画世界の縁は深く、105周年に際しても何かそういう企画をということで、是非『花より男子』をということになり、昨年『ポーの一族』もやらせてもらっている花組でなら、宝塚の夢を売る世界を実現し、期待以上のものを、原作者の神尾葉子先生にも失礼にならないものをきっと出してくれると信じて、これで105周年を行こうということになった。原作は学園ものであると同時に、人が成長していく過程が描かれている深い内容で、人と人とのふれあいによっての気づきが恋愛になっていき、そこに優しさが生まれていくというところが出せればよいなと期待している。脚本・演出の野口先生が非常に面白い台本に仕上げてくれたので、柚香光を中心としたこの花組の若いチームがどれだけ舞台でキャラクターを出していってくれるのか、自身も初日を楽しみにしていると、企画意図と共に期待を語った。

小川友次理事長
脚本・演出を担当する野口幸作は、ちょうど宝塚の演出家になるべく入団試験を受ける時に、TBSによる『花より男子』のドラマ化がはじまり、その折、道明寺司役を演じた「嵐」の松本潤とは、誕生日が1日違いの同い年だと「本当にどうでもよい情報です」と笑わせ、当時から同い年が頑張っている姿に刺激を受け、いつかはこの作品を宝塚でと思っていたという秘話を披露。けれども様々な演出家が宝塚化を希望していて「野口先生たぶん無理です」と言われていたそうで、今回のことは晴天の霹靂だったが、柚香の道明寺はもうこれ以上ないと思っているので、だからこそ彼女の新境地にしたいと意欲を語った。

野口幸作
また、つくしの城妃は彼女の実力と経験と、実際に台詞を読んでもらった時の役の掴み方に信頼を置いて配役したこと。新人公演で活躍している聖乃には、これからの宝塚、花組を背負っていく人材に育って欲しい、この役でブレイクして欲しいという意味で花沢類役を。優波は過去担当した作品でのバランス感覚の良さが、F4の影のまとめ役とも言える美作あきらにピッタリだと思った。西門総二郎はTBSのドラマでは松田翔太、シアタークリエ版では新田真剣佑が演じている出世役なので、自身の花組作品『BEAUTIFUL GARDEN』で「根拠のない自信を持ってやっていた(笑)」と感じた希波らいを抜擢したと、キャスティングの経緯を語り、「花」に「男」と書いて一般的には「花男」と書けば「はなだん」と読まれているが、宝塚ファンの方は「はなおとこ」と読む。それは連綿と受け継がれた宝塚男役芸を極めている花組の男役という意味なので、「花より男子」=「はなだん」と「花男」=「はなおとこ」の美しい調和をご覧いただきたい。単行本にして37巻の長編だが、上演時間2時間半、30人の出演者で展開する為、全体の3分の1のにあたる1巻~12巻までのストーリーに絞り、「花男」ファンならどうしても観たいだろう! という名セリフを集め、舞台全面にLEDを貼り付け、漫画のページをめくるように、一瞬で変わっていくスピーディーな展開を考えている、と新時代に相応しいミュージカル創りへの意欲を熱く語った。

柚香光
主演の柚香光は、もし「あなたにとっての少女漫画の原点はなんですか?」という質問をいただいたとしたら私は「神尾葉子先生の『花より男子』です」とお答えするだろう。それくらい自分の少女時代の大切な思い出が詰まっている作品に出演できるのが光栄だと語りつつ、「このような恰好をして少女時代というのも……」と爆笑を誘う一幕も。

(左から)小川友次理事長、柚香光
その中で、「道明寺司は世界的な大財閥の跡取り息子、圧倒的な経済力と権力、さらに彼の持つ未熟さや幼さ、本人が自覚していない心の中の満たされぬ想いから、権力を使って半ば暴力もふるい、言葉も使ってあらゆる人を苦しめています。そんな中で牧野つくしという、本当に自分が求めていた、自分の肩書ではなくただ自分を見つめている、本当に欲っしている言葉をかけてくれる少女に出会うことで、彼自身がどのように成長し、何を感じ、どう人と向き合うことを覚えていくかを、司の持つ愛嬌やカリスマ性だけではなく、彼の内部をきちんと丁寧に、大切に演じていくことができたらと思っております」と役柄に向けた、真摯な想いを語った。
柚香光

また、「楽しみにしていることは?」という問いには「最初にプロローグがあり、お芝居の本編に入っていく場面の振付が先日ついたのですが、そこが、「ザF4登場しました!」(笑)みたいな構成を野口先生がつけてくださいました。お衣装も装置も照明も何もないお稽古場でもワクワクするくらい、言葉を選ばずに申しますと4人がとても偉そうに(爆笑)センターに出てくる場面がありますので、その登場シーンを皆さんの前で演じさせていただく時に、どのような空気感で登場できるか、今から楽しみにしております。そして野口先生がとても魅力的なダンスナンバー満載で構成してくださっていまして、曲を聴いているだけでもワクワクしますし、きっと素敵な場面になるであろう、アドレナリンが出て仕方がない! という振付を先生方がつけてくださるので、宝塚ならではのF4と牧野つくしのナンバーがたくさん繰り広げられるだろうと楽しみにしています」と、宝塚版ならではの、見どころも含めて、稽古場で作品が出来上がっていくワクワク感を話した。

城妃美伶
牧野つくしの城妃美伶は「たくさんの方に長い間愛されてきた『花より男子』を、そしてその中の牧野つくしというキャラクターをさせていただくのにはプレッシャーもありますが、今は演じられる喜びが大きくて初日まで一生懸命お稽古して参りたいと思っています。牧野つくしの周りを巻き込んでいくエネルギーを、真っ直ぐに力強く演じられるように頑張りたいです」と抱負を。
優波慧
美作あきらの優波慧は「私も宝塚に入る前、青春の1ページに『花より男子』がありました。そしてこの作品の舞台化が実現するなら是非宝塚で観たいなと、ファンの時から思っておりましたので、今回このようなタイミングで、しかも自身がF4の一員とて参加させていただけることをとても嬉しく思います。お稽古をしていく中で、道明寺司ここにあり! というくらい柚香さんがぴったりでいらっしゃると思いますし、同級生の役として見た時に、愛しいな、可愛いな、ニクイなと思うところがたくさんあります。そういうところを大切に、また私個人と致しましては、入団10年目を迎える「花男」節目の年でもございますので、そういった誇りを自信に変えて精一杯頑張りたいと思います」と、男役10年の節目の年に、この作品に出会えた喜びを。

聖乃あすか
花沢類の聖乃あすかは「私もTBSさんのドラマを観ていた当時にとても心惹かれた花沢類という役を今回させていただけることが、本当に幸せです。この役を愛し、そしてこの作品を愛し、花沢類として舞台上で生きることができるように、花沢類としての心情の流れや、言葉の発し方、仕草の一つひとつを原作から学びお稽古に励みたいと思います」と、クールでミステリアスな役柄を、深く研究していることを伺わせた。

希波らいと
西門総二郎役の希波らいとは「まだまだ舞台人としても男役としても経験値が浅い中で、このようなお役をさせていだたけことは大変恐縮ですが、柚香さんをはじめ上級生の方々の胸をお借りしながら、お客様に楽しんでいただけるよう、期待を裏切らずカッコよく、優しく、クールでプレイボーイな西門総二郎を演じられるように、心をこめ頑張りたいと思います」と新人らしい初々しい挨拶の中で、芯の通った発声をしていることが印象的だった。

(左から)柚香光、城妃美伶
フォトセッションでは、通常のパターンだけでなく白いソファが持ち込まれる凝った演出の撮影もあり、柚香が瞬時にして道明寺司にスイッチする様が圧倒的。公演への期待を高める時間になっていた。

(左から)柚香光、城妃美伶
(左から)希波らいと、優波慧
(左から)城妃美伶、柚香光
聖乃あすか
(左から)城妃美伶、柚香光

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