アクメ 結成2周年ワンマンライブをレポート!

アクメ 結成2周年ワンマンライブをレポート!

アクメ 結成2周年ワンマンライブをレ
ポート!

進化の頂点を意味するバンド名

アクメをキメるなら、やはりナマに限るということだろう。
“架空の世界の不良少年”というテーマをコンセプトとして掲げ、2017年6月から始動した彼らがこのたび代官山・UNITにて開催したのは2nd Anniversary ONE-MAN LIVE[PKPKの1年生]だ。
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こどもの日 好き放題に暴れ倒す
いわゆる性的絶頂の意味合いのみならず、本来的には進化の頂点を意味するこのバンド名を自らに冠した彼らが、この夜ステージ上でこれでもかと見せつけ、音として我々に思い切り叩きつけてきたのは、それこそこの2年の間にいちロックバンドとして進化してきた過程そのもの、だったような気がする。
ちなみに、当日であった5月5日は言わずと知れたこどもの日でもあり、“架空の世界の不良少年”たちが好き放題に暴れ倒すにはまさに絶好の日取りにほかならなかった。
[PKPKの1年生]に部活紹介
キーンコーンカーンコーン!と放課後を告げるチャイムの音がまず最初に会場内にて鳴り響くと、幕を開けた舞台上にいたのはそれぞれに掃除道具を手にしたアクメのメンバーと教師役の俳優・サトウヒカル氏で、ここで始まったのは学園ドラマ風の寸劇。
昨年の1周年記念公演でも上演されたというこの物語の中では、その素行の悪さから留年をしてしまった不良少年たちが今回のライブタイトル通り、今年もまた[PKPKの1年生]として軽音楽部に所属している様子を描くもので、ここから始まるライブは部活紹介にあたるということが観衆へとインフォメーションされることに。
かくして、今宵の部活紹介はそのモノモノシイ曲タイトルとは裏腹に、ハイパーキャッチーな旋律と爆発力に満ちたバンドサウンドが融合して疾走する、その名も「マグロ解体チェーンソー」から派手派手しくスタート!
ここでは公式グッズである扇子を振りながらオーディエンスが一斉に横モッシュをしだす、というダイナミックな光景が繰り広げられたのである。
「俺ら、気合入ってます!」
「今日の俺らはね、見ての通り気合いが入ってます!
ここに至るまで、新しいシングル『放課後の飼育』をリリースしてから各地で主催ツアーをやってきまして、ちょっとは一皮剥けて帰ってこられたんじゃないかと思うんですよ。
そして、今日くらいは俺もカッコつけてやろうかと思ってたんですけどね。でもやっぱり、そうじゃなく楽しんじゃおうかな。だって、2周年だからさ。何時も通り、お互い楽しみましょう!!」
高い演奏力と表現力
フロントマン・CHISAがそう告げたとおり、ここからのライブ前半戦では最前列近辺のファンだけでなく、場内にいるほとんどの人々がアグレッシヴな曲にあわせて激しいヘドバンをみせることとなった『ROTTEN ORANGE』や、曲の途中にドラマー・HALによる恒例のテレビショッピング的な物販宣伝がはさみ混まれた『RUN』などが続々と打ち出されていった。
さらにここで特に注目すべきだったのは、単にエンターテインメント性にあふれたステージングを実現している点だけではなく、そもそもアクメはバンドとしての演奏力と表現力についても相当に高いポテンシャルを持っている、というところでもあったのではなかろうか。

たとえば、つい先ほどまでは極めてバラエティ色の強いMCで観客を笑わせていたドラマー・HALが、一転してシャッフルのリズムとジャジーなアプローチを交えながらもラウドに攻めた『激ヤミセレナーデ』といい。
これまたMCではボケ寄りのツッコミというゆるゆるな名人芸を発揮するベーシスト・RIKITOが、5弦ベースを駆使しながら目の覚めるような激スラップを炸裂させた「激ヤマセルロイド」といい。

あるいは、CHISAがギターヴォーカルとしてのエモみ満載のパフォーマンスをみせた『ラストワンショー』や、ギタリスト・将吾がヘヴィかつ超エッジィなプレイで聴衆を圧倒した『Barguest』にしても、4人のメンバーがそれぞれに高い実力を持っていることはライブの場に臨すれば明白。
とかくアクメというバンド名やコンセプチュアルな活動方針の方に話題が集まりがちなところはあるものの、彼らの真髄がどこにあるのかと言えば、むしろライブバンドとしてナマで勝負した時の轟音ぶりや、説得力のある頼もしい演奏ぶりであるという見方も充分に出来るはず。

超絶個人技大会
しかし、それでも能あるアクメは爪を隠したがるところもあるようで。
記載上の時間軸は少し前後してしまうのだが、HALは先ほど記載した『激ヤマセルロイド』の後にマニピュレーターのイシヤマ氏とふたりでミュージカル仕立ての歌唱を披露する、という謎の一幕でも大活躍をみせたりもした。
かと思えば、その後にはRIKITOがタッピングを筆頭とした数々のテクニックを盛り込んだベースソロを聴かせたのち、そこにHALと将吾も加わってのグルーヴィなインストルメンタルを具現化させてもみせる。
とにかく彼らのヤりたいことをヤりたいだけ詰め込んだ今回のライブは、ラーメンでいうところの全部盛り的なボリューム感を持っていたことになる。
(なお、本編後半には普通でいうドラムソロもあったという超絶ダメ押し加減ww)

CHISAからファンへ
そうした中、雅びやかな和メロが美しく響いた『絶唱謳歌』でシメくくった本編を受けてのアンコールでは、CHISAが以下のような言葉をステージ上にて紡いだことも念のためここに付記しておきたい。
「(前略)アクメが始まったのは2017年でした。この2年、一緒にゼロからドロドロになりながらも人の敷いたレールの上ではないところを進んできて、ここまで頑張ってきたことが今日につながったのかなと思うんですよ。
これからも何が待っているかはわからないし、困難なことがあるかもしれないですけど、それでも前に進んでいけるんじゃないかと今こうして感じられるのは、みんなのおかげです。ありがとうございます!
これからも突き進んでいくので、皆が着いてきてくれたら嬉しいです。最後に、この4人で初めて作った曲をやって今日の2nd Anniversary を終えたいと思います!!」
そう。ここで呈示されたのは2017年夏にファーストミニアルバムの表題曲としてアクメからの所信表明的メッセージを目一杯に詰め込み発表され『SENKOU』にほかならず、〈覚悟しな爆音で登場〉というサビが高らかに歌い上げられるさまは、ひたすらに痛快で豪快でしかなかった。
3年目も暴走は止まらない
来たる7月10日には5thシングル『モノノケレイクイエム』をリリースし、夏と秋には補講ライブ(ミニワンマン)[学級崩壊-アクメの夏休み]を2公演と、将吾フェスなるイヴェント開催をするうえ、10月からは全国13カ所をまわる全国ワンマンツアー[No.13]をも行うことが決まったアクメ。
いよいよ2ダブになって学年としては相変わらず1年生のままだとしても、3年目に突入した“架空の世界の不良少年”たちの暴走はこれからも加速度をあげていくに違いない。
というわけで、最後にもあらためての結論をば。アクメをキメるなら、やはりナマに限る。以上!!!

2019年5月5日(日) 代官山UNIT
2nd Anniversary ONE-MAN LIVE 「PKPKの1年生」
●SETLIST
-SE-
01. マグロ解体チェーンソー
02. Trick×Trap
03. MONSTER
04. ADVENTURE TIME
05. ROTTEN ORANGE
06. RUN with 物販紹介
07. 激ヤミセレナーデ
08. 激ヤマセルロイド
-ミュージカル~邪魔するで!-
-セッション-
09. ラストワンショー
10. Barguest
11. CALL MY NAME
12. アナザーワールド
13. 放課後の飼育
14. Paradox
-ドラムソロ-
16. 罵詈雑言
17. ナマケモノ
18. 絶唱謳歌
En1. MELODY (HAL Pf ver. )
En2. テバナシライダー
En3. SENKOU
カメラマン Katherine Joyce
ライター 杉江由紀

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