THE YELLOW MONKEY “20世紀のイエ
ローモンキーを越える”19年ぶりアル
バム携えた全国ツアー開幕、初日静岡
公演オフィシャルレポート

THE YELLOW MONKEYの19年ぶりのオリジナルアルバム『9999』に伴う全国ツアー『THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2019 -GRATEFUL SPOONFUL』が、4月27日(土)、28日(日)、静岡・エコパアリーナからスタート。当日のオフィシャルレポートが到着した。

THE YELLOW MONKEYが19年ぶりのアルバム『9999』を引っ提げた、全27公演のツアー『THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2019 -GRATEFUL SPOONFUL』の初日を静岡・エコパアリーナからスタートした。ツアータイトルに掲げる“THE YELLOW MONKEY SUPER”とは、2016年の再集結時にイエローモンキーの新たなバンド名の候補として挙がっていた名前だ。そこから3年間にわたり、精力的なライブ&リリースを重ね、初のロサンゼルス・レコーディングを決行したうえで、最新アルバム『9999』を完成させたイエローモンキー。彼らが満を持して“20世紀のイエローモンキーを越えるスーパーなイエローモンキー”を冠したライブは、この場所からバンドの現在地をさらに更新していくという熱い覚悟を見せるものだった。
以下のテキストでは、ツアー幕開けを飾った静岡・エコパアリーナ2日間の模様を、セットリスト掲載なしのレポートでお届けする。
THE YELLOW MONKEY/吉井和哉 2019.04.27 静岡エコパアリーナ 撮影=横山マサト
大きな期待感を抱いたお客さんが埋め尽くす満員の会場に、吉井和哉(Vo/Gt)、菊地英昭(Gt)、廣瀬洋一(Ba)、菊地英二(Dr)の4人が登場。大歓声に包まれるなか、最新アルバム『9999』の楽曲たちが次々に披露されていった。序盤、腕を高く突き上げて、「静岡―!」と叫んだ吉井。自身が育った街でツアー初日を迎えられたことに「運命のいたずらを感じる」と感慨を口にする。色気と少年性を湛えた吉井和哉(Vo/Gt)のボーカル、これぞギターヒーローと呼ぶべきアクションで繰り出されるエマのギター、妖艶に蠢くヒーセのベース、繊細かつ大胆なアニーのドラム。再び同じステージに集った4人が鳴らす唯一無二のグルーヴが、アルバムにパッケージされた音源以上の熱量をもってアリーナを震撼させた。
THE YELLOW MONKEY/菊地英昭 2019.04.27 静岡エコパアリーナ 撮影=横山マサト
MCでは「長年お待たせしてしまいました、ようやく19年ぶりのニューアルバムが完成して。3年かかりました。エマがよく言ってるけど、名刺代わりのような、“2枚目のデビューアルバム”のような感じです。僕たちはこのメンバーで平成元年に誕生して、信じられないぐらい、いろいろなことが起きて。またこうやって静岡で初日を迎えることができました。本当にこれがスタートだと思っています」と吉井。「この先、俺たちは絶対にものすごい作品を作るから」と、バンドの未来について熱い言葉で伝えると、会場はひときわ大きな喝采で包まれた。さらに、この日は過去の名曲たちも惜しげもなく披露。バンドの“これまで”と“いま”とが地続きのものとして、アリーナに響きわたる光景は感動的だった。
THE YELLOW MONKEY/廣瀬洋一 2019.04.27 静岡エコパアリーナ 撮影=横山マサト
THE YELLOW MONKEY/菊地英二 2019.04.27 静岡エコパアリーナ 撮影=横山マサト
終盤、「俺たちは熱いものを蘇らせられたんじゃないかと思いますけど、どうですか?」という吉井の問いかけに会場からは肯定を意味する大きな拍手が送られた。そして、「明日、次の北海道へと、どんどんスケールアップして、最高のツアーにしていきたいと思います」とツアーへの意気込みを伝えて、終演。スクリーン映像や色鮮やかなライティングなど、アリーナ会場ならではの演出も見どころのライブだったが、それ以上に、その瞬間ごとに会場で生まれる熱狂を味方にしながら、どんどん熱を帯びていく4人のマンパワーに強く魅せられるライブだった。演奏を終えたあと、最後までステージに残ったアニーが「初日ばっちし!ありがとう!」と伝えて、静岡公演1日目は幕を閉じた。
THE YELLOW MONKEY 2019.04.27 静岡エコパアリーナ 撮影=横山マサト
THE YELLOW MONKEY 2019.04.28 静岡エコパアリーナ 撮影=横山マサト
「静岡で平成最後のライブです! 最高の夜にしましょう!」という、吉井の高らかな開会宣言で口火を切った2日目はまったく違うセットリストが用意されていた。衣装も、メイクも、登場の仕方もすべて違う。1日目と同じ曲でも演出が変わった曲もあり、セットリストのどの位置で演奏されるかによって、楽曲が持つ意味合いも変わっていく。そこにイエローモンキーというバンドが持つ奥深さが浮き彫りになっていた。「毎日初日みたいです。どうですか? 50代になっても挑戦していくバンドです」と、吉井。いつまでも現役のライブバンドであるために、常に守りではなく、攻めの選択を重ねていくからこそイエローモンキーは進化し続けるのだ。
THE YELLOW MONKEY/吉井和哉 2019.04.28 静岡エコパアリーナ 撮影=横山マサト
MCでは、アルバム『9999』について、「この後、どんどんスケールアップしたすごいアルバムを絶対に作ろうと思ってます」と、1日目と同じようにバンドの未来について熱い言葉で伝えると、さらに「こんなもんじゃありませんから! なんたって新人バンドですから!」と力強く付け加えて、会場を湧かせた。また、2日目に印象的だったのはそれぞれのメンバーが花道へと歩み出ていく場面が多かったことだ。なかでも吉井はフロアを縦横無尽に歩き回り、危険な香りを撒き散らしながら、巨大なアリーナ会場でライブハウスのようにお客さんに手を伸ばしていた。曲のなかで吉井がエマにキスをしたり、ヒーセが演奏に合わせて表情を変化させたり、アニーが立ち上がって渾身のフィニッシュを決める場面もあった。イエローモンキーが作り上げるライブは、一瞬一瞬がハイライトの連続だ。
THE YELLOW MONKEY/菊地英昭 2019.04.28 静岡エコパアリーナ 撮影=横山マサト
2日目もまたイエローモンキーの歴史を語るうえでは欠かすことのできない名曲たちを数多く披露していくと、「一言で19年ぶりって言うけども、ほぼ20年なので。いろいろな記憶が曖昧になったりする。でも、こうやって曲をやっていくなかで、ふと忘れていたことを思い出したりして、感慨深いです」と伝えた吉井。そして、「どこまでできるかわからないけど、このバンドは僕の宝なので、みんなが元気でいる限り、我々しかやってないロックンロールをやっていきます」と宣言。「次は早めにアルバムを作ろうと思ってますよ。せっかく出来上がった筋肉を忘れないうちに」という言葉を残して、ライブを締めくくった。
THE YELLOW MONKEY/廣瀬洋一 2019.04.28 静岡エコパアリーナ 撮影=横山マサト
THE YELLOW MONKEY/菊地英二 2019.04.28 静岡エコパアリーナ 撮影=横山マサト
今回のツアーに“GRATEFUL SPOONFUL”というタイトルを名付けた意味については、アルバム『9999』にちなんで、「1を足してもらうと、次の位にいくのかなと。GRATEFUL SPOONFULには“スプーン1杯”という意味があります。みなさんの心の1杯を、我々にいただけたらいいなと思っています」と、MCで説明していた。再び同じステージに集った4人と、各会場に訪れるお客さんと一緒に“心のスプーン”を満たしていく『THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2019 -GRATEFUL SPOONFUL』は、9月22日のツアーファイナル、グランメッセ熊本まで続いていく。静岡公演2Daysで見せたセットリストのほか、さらに今回は異なる2種類のセットリストがある。その内容も、まったく違う内容が用意されているとのことなので、ぜひ期待してほしい。
撮影=横山マサト
THE YELLOW MONKEY 2019.04.28 静岡エコパアリーナ 撮影=横山マサト

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