ルーツ。京都について。

街は時間と人なんだな、とつくづく思った。

この原稿を書いている今、私は自身のブランド<MARU TO>のポップアップストアを表参道で行なっています。
毎日通っている表参道。

いまや観光地ということもあり、街は人の山。そこに流れる時間と通りすぎゆく人。
私の家からは歩いていけるほどの近さに代々木公園があって、普段から公園のそばを通って生活をしています。
代々木公園。
いまや桜のシーズンということもあり人の山。そこに流れる時間と通りすぎゆく人。

はぁ。ふぅ。(溜め息)

表参道や代々木公園のせいではない。
街のせいじゃない。私のせい?

ユキです。
今回ご紹介に選んだ街は、私のルーツでもある京都です。
私は京都生まれ京都育ち。舞子さんはだいたい友達、ということは決して無いですが、京都人なのです。
「京都人」って世間では言いますが、「京都人」なんなんでしょう? そもそもそんな人種の区別ってあるのだろうか。
私の根っこには京都があるのか分からないけれど、京都の時間と空気、人は落ち着く。

「水が合う」とは、居所の風土に馴染んで快適に暮らせるさまのことを言うらしい。
そうだ、人間の半分以上は水だった。
私の中にも京都の水がきっと流れている。
スポーツを見てもそう。サッカーだって、サポーターのいるホームの方が心強い。
誰にでもルーツはあって、自分が何人(なにじん)であるかは、心地よく生きていく上でとても重要なことなのかと思うことが最近あったので、
私は自分のルーツを考えながら、故郷の街に流れる時間と人を少しでもお伝えできたらと思ってこの文章を書いていきます。

京都のパン事情

「LAND」 北区荒神口
京都は意外にもパンの消費量が日本一。そんな私も京都生まれの所以なのか、パンは大好きです。
オーバーオールを作っていなかったら、パン職人を目指していたと思う。
前夜に仕事で会っていた京都の百貨店の方が一押ししてくれた「Land」さんを訪れた。おすすめされたクロワッサンは、生憎すでに売り切れていたのでパンオンショコラを購入。
オーダーして作ってくれるサンドイッチも気になったので購入。サンドイッチのパンはセレクトでき、ソフトからハードまで(食パン、フォカッチャ、カントリー、バケット)勢揃いの品揃え。
かぼちゃ、株、グリーンサラダ、ラペが入ったベジサンドをオーダーした。
購入して、歩いて数分のところに鴨川が流れていたので川沿いのベンチで食べることに。
今の所、パンオンショコラは後藤さん(富ヶ谷にあるレストラン「PATH」のオーナー)が作るパンオンショコラがベストオブマイライフを独占中。
様々な野菜が入ったベジサンドが美味しかった。もしかしたら、単品でも満足できそうなボリューム感。
流されるままにたどり着いた記憶と変わらない鴨川の水の流れを見ながら、大好きなパンを食べるこの時間は表参道でも代々木公園でもない、京都の時間軸。
LAND(ランド)
住所:京都市上京区荒神口通河原町東入ル亀屋町128
TEL:075-231-7738
営業時間:10時~18時 
定休日:水曜・木曜休
URL: https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260202/26026718/

京の空気

「to See」 中京区丸太町
開催していた器のイベントに興味があり訪れてみました。
大澤哲也さん。岐阜県出身の陶芸家。
スープ用の大きめの器を購入しました。
「to See」は京都御所西側の大通りからひとつ筋を入った路地にあるお店。
1階はコーヒースタンドとストアスペース。2階は展示やPOPUP STORE、ワークショップなどをするための空間とされていて、セレクトはアート本や雑貨、衣服やアパレルグッズなど幅広くオーナーさんの独自の感覚で集めた趣味が詰まった店内になっている。
オーナーの中島さんは、兼業でカメラマンもされていて、今回のイベントで展示されていた大澤さんのポートレートも撮影されたとのこと。
大澤さんも古くからの知人だそう。
私がとても作品に感動していると、中島さんが大澤さんの人となりを詳しく話してくださった。
酒好き、麻雀好きのとても気さくな性格。写真に写る大澤さんはとても生真面目そうでしょ? でも本人は全然違います(笑)と。
その後も写真のお話で大盛り上がり。
初めて訪問させていただいた「to See」さん。
京都は、他所者が入りづらいと感じる何かが漂っているのは確かです。
だけど、1つ共通点が見つかれば、すぐにその緊張感は緩んで、昔からその場所を知っていたかのように錯覚するほどそこは居心地良い場となる。
それが京都の空気。

to See
住所:京都市中京区玉植町244−3
TEL:075-211-7200
営業時間:11時〜19時
定休日:火曜日
URL: http://t-o-s-e-e.jp/

私の地元

「船岡温泉」 北区紫野
「船岡温泉」は、1923年に料理旅館の付属浴場として営業を開始した老舗。温泉旅館風ですが、京都の北のはずれにある地元の人に愛される可愛らしい銭湯なんです。
玄関から脱衣所、浴室までしっかりと大正・昭和の趣が色濃く残っています。電気風呂が日本で初めて導入された銭湯でもあるそうです。
日替わりで男女のお風呂が入れ替わるのも地元の人の楽しみの一つ。
さらにゲストハウスも完備! 改装した京町屋まるごと一棟を、一日一組限定で利用できます。
ご宿泊のお客様は船岡温泉を1泊につき1回無料でご利用可能。
なぜこんなところを知っているのかというと、私の地元なのです。
実家が引越ししてさらに近くなりました。歩いて10分。素晴らしいこの昔ながらのレトロ感を伝えるのに言葉はいらないです。写真で感じてください、the SENTOU!
下駄箱、木札です。冷蔵庫に置いてあるドリンクのメンツはジャケ買いしてしまいますよね。これはまさに、私のよく知る京都の空気。
私の中に流れるお水は船岡温泉の湯もきっと混じっている。
船岡温泉
住所:京都府京都市北区紫野南舟岡町82-1
TEL:075-441-3735
営業時間:平日(月~土):15:00~25:00

     日曜日:08:00~25:00
温泉利用料金
大人 430円
中人 150円(小学生の児童)
小人 60円(未就学児・乳幼児)
URL: http://funaokaonsen.net/dish.html

「かふぇじーの」 北区紫野
船岡温泉から徒歩5分。銭湯でさっぱり→「かふぇじーの」は鉄板コース! マスターのじんのさんは会社勤めを終えられて、自分の好きな居場所を作るべく喫茶店を始められた。
こだわりは、壁を埋め尽くす、マスター自身が長い年月をかけて集めたというレコード。
コーヒーにもこだわり有ります。豆はお店にある焙煎機による自家焙煎。おかわりはなんと100円。
私はコーヒーも好きで、毎日1コーヒーは飲んでいるのですが、日頃はコーヒースタンドでは熱々のカフェラテをオーダーします。
でも喫茶店に行くと、なぜかあの真っ黒い濃くて苦味のあるコーヒーが飲みたくなる。少し糖分が欲しい時は、ミルクじゃなくて生クリームたっぷりのウィンナーコーヒーにしたくなる。
フード類は、ケーキもあるけどトーストがオススメです。厚切りバタートーストと熱々ブレンドコーヒーでシンプルイズベストな京都の朝食。
おちょぼ口でもごもご。決して聞き取り易くはない話し方で、だけど聞いた質問にとても丁寧に説明してくれるじんのさん。
不器用そうで優しい人柄のマスターがいるかふぇじーのは、実家のように居心地が良く、行くと長居してしまう。京都の人。
Cafe Zino (かふぇじーの)
住所:京都府京都市北区紫野西野町9-1 山元マンション1F
TEL:075-441-5335
営業時間:
月火木金曜日 12時~18時30分
水曜日 13時ころ~18時30分
土曜日 10時30分~18時30分
日曜日 9時~18時30分
定休日: 不定休
URL: https://kyotocafezino.com/

私は京都のこの時間と空気と人に居心地の良さを感じている。だから、私はやっぱり京都人。
自分の今いる場所にふと、あれ?っと小さな違和感を感じたとき、自分の生まれ育った街に目的を決めずふらっと訪れてみる旅もなかなか良いものではないでしょうか。

京都・奈良その1#3はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

アーティスト

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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