ワッツ・オン・ブロードウェイ?~B
’wayミュージカル非公式ガイド【20
19年4月編】

前回、「今何やってるの?」と思った時に見るといつでもその月の最新情報が載っている!みたいなポジションを目指して毎月ちゃんと月初に更新していこう、みたいなことを書いたばかりだというのに、舌の根も乾かぬうちから中旬の更新となってしまった。しかし今回に限っては理由があり、3月末から4月上旬にかけてニューヨークに行っていたのだ。現地から更新しようかとも思ったのだが、せっかくなら全部観てからのほうが良いような気がしてきたため遅くなってしまった。その分、今回はリスト部分も大幅更新してお届けする。
Q.観劇旅行のベストシーズンは?
いきなり自己否定から入るようだが、3月末から4月上旬はオススメしない。というのも、前回書いた通りこの時期はトニー賞に向けた開幕ラッシュ。本数が多いため、よほどの長期間滞在できるならたくさん観られて逆に最も良い時期なのだが、1週間程度の滞在だとすべてを網羅することは不可能で、そしてグロス表や劇評がまだ出揃っていないため、どれを観てどれを落とすかの判断が難しい。間違ってすぐクローズしてしまうような作品を選択してしまい――それはそれでレア感があって悪いことばかりでもないのだが――、後にトニー賞に輝くような名作を観逃がしてしまうほど残念なことはなく、かく言う筆者も今回は2本ほど落とした作品があるため、間違った判断をしていないことを祈るばかりだ。
ではいつがベストシーズンかというと、例によって独断と偏見にはなるが、トニー賞直後の6月中旬が一番オススメ。駄作は淘汰されているから迷わなくて済むし、何より劇場がものすごく熱いのがこの時期だからだ。授賞式のテレビ中継を見て生で観たい!と思った人々が集っているため客席の熱気がまずすごいし、その期待に応えようとする役者の熱量も高く、そしてトニー賞を獲ったばかりの役者のパフォーマンスは自信に満ち満ちている。授賞式で披露されたシーンが始まった時のあの熱さはもう何というか、思い出しただけで泣けてくるほどだ。しかも6月は、気候もちょうど良い!ニューヨークの夏は暑く、そのぶん劇場内は冷房が嫌がらせのように効いているため極寒で、そして冬は大雪で全公演が中止になってしまうこともあるほど寒いため、気候は意外と無視できない問題なのだ。
とは言えもちろん、「ブロードウェイがベストシーズンだから」という理由で休みが取れるような自由な仕事をしている人ばかりではないだろう。最終的には、行ける時に行くしかない。いつ行っても素晴らしいミュージカルは必ず上演されているし、本連載の最後に毎月載せているようなミュージカルイベントもある。新作が多い時期なら多い時期なりの、少ないなら少ないなりの、暑いなら暑いなりの、寒いなら寒いなりのブロードウェイを楽しもう。
【今シーズンの新作】
■4月に始まる作品
なし!今シーズンの新作は既に出揃っており、トニー賞ミュージカル部門の各賞は以下の11本プラス、既にクローズ済みの『Head Over Heels』『Gettin’ The Band Back Together』の中から選ばれる(と思われる。見落とし御免)。劇場写真付きの3作が個人的オススメ。
■既に上演中の作品
『Ain’ t Too Proud』
『ジャージー・ボーイズ』チームが描くテンプテーションズの軌跡。振付とキャストが最高。
https://www.ainttooproudmusical.com/
『Be More Chill』
音楽、振付、演出から若さがあふれる、オフ発信の話題作。日本人的には微妙な描写も…。
https://bemorechillmusical.com/
『ビートルジュース』プレビュー中/4月25日開幕
ティム・バートン監督映画の舞台化。原作を知らないとノリについていけない可能性高し。https://beetlejuicebroadway.com/
『The Cher Show』
米歌手シェールの半生を彼女自身の楽曲で綴る系。劇評も入場率もイマイチの様子。
https://thechershowbroadway.com/
Hadestown』プレビュー中/4月17日開幕
ギリシャ神話が題材だが表現は現代的。いかにも『グレート・コメット』の演出家らしい舞台。
https://www.hadestown.com/

『キングコング』
あの、キングコング。ミュージカルというよりショーだと思えば意外と楽しめる。
https://kingkongbroadway.com/
『Kiss Me, Kate』
今夏『王様と私』で来日するケリー・オハラの貴重なコメディエンヌぶりが堪能できる良作。
https://www.roundabouttheatre.org/get-tickets/2018-2019-season/kiss-me-kate/

『オクラホマ!』
1943年初演の名作を21世紀の解釈でリバイバル。9月1日までの限定公演。
https://oklahomabroadway.com/

『プリティ・ウーマン』
名作映画をジェリー・ミッチェルが舞台化。新しさはないが恋愛ものとして普通に楽しい。
https://prettywomanthemusical.com/
『The Prom』
プロム=高校生ものかと思いきやバックステージものでもあり超面白い。応援!
https://theprommusical.com/

『トッツィー』プレビュー中/4月23日開幕
主演俳優を筆頭に大変チャーミングな舞台。日本企業出資中につき、日本版妄想も進む。
https://tootsiemusical.com/

【ロングラン作品】
■日本で既に上演された/されている作品
『アラジン』
ディズニーアニメが舞台ならではの手法で表現された秀作。魔法の絨毯もスゴイ。
https://www.aladdinthemusical.com/
『ビューティフル』
キャロル・キングの半生を彼女自身の楽曲で綴る系。ロングラン5年目、そろそろ下火か。
https://beautifulonbroadway.com/
シカゴ
オペラ座の怪人に次ぐロングラン記録を更新中の名物作。出来は割とキャスト次第。
https://chicagothemusical.com/
『ライオンキング』
開幕から20年以上経つというのに、未だ入場率がほぼ毎週100%を超える大ヒット作。
https://www.lionking.com/
『マイ・フェア・レディ』
1956年初演の名作を、渡辺謙の『王様と私』を手がけた演出家がリバイバル。上質。
http://www.myfairladybway.com/
『オペラ座の怪人』
言わずと知れた世界的メガヒット作。圧倒的な知名度ゆえ、劇場では日本人に遭遇しがち。
http://www.thephantomoftheopera.com/
『ウィキッド』
開幕から15年が経ち、ようやくチケットに多少の余裕が。定期的に観たい傑作。
https://wickedthemusical.com/
■日本未上演の作品
『ブック・オブ・モルモン』
日本では永遠に上演されなさそうだが超絶面白い。モルモン教だけwikiで調べて観るべし。
https://bookofmormonbroadway.com/
『カム・フロム・アウェイ』
「911」の日、カナダの小さな町に起こった実話をシンプルだが力強い演出で描く感動作。
https://comefromaway.com/
『ディア・エヴァン・ハンセン』
深遠なテーマをスタイリッシュに描く、2017年のトニー賞受賞作。絶対日本でやると思う。
https://dearevanhansen.com/
『アナと雪の女王』
舞台ならではの表現が見当たらない残念作だが、満足感は保証する。生レリゴー最高。
https://frozenthemusical.com/
『ハミルトン』
開幕4年目にして未だ超入手困難なモンスター級ヒット作。文句なしに革新的。観るべし。
https://hamiltonmusical.com/
『ミーン・ガールズ』
同名映画の舞台化。なぜか人気。アメリカ的なノリについていける自信があればどうぞ。
https://meangirlsonbroadway.com/
『ウェイトレス』
同名映画の舞台化。完全に女子向け。観るとスイーツが食べたくなります。
https://waitressthemusical.com

【4月のミュージカルイベント】
今回の滞在では、ほとんどの公演で終演後、キャストが観客に募金を呼びかけるシーンに出会うことができた。ロビーには募金箱(赤いバケツ)を持って立っているキャストもいるのでただ寄付をするだけでも楽しいが、一定以上の額を寄付するとカンパニー全員のサイン入りプレイビルやポスター、さらにはその公演で実際に使われた小道具がもらえたりする。
これは前回も紹介した非営利組織、「ブロードウェイ・ケアーズ」が毎年イースターの時期に行っている活動で、募金期間の最後には「EASTER BONNET COMPETITION」が開催される。イースター・ボンネットとはその名の通り、イースターの時に被る帽子のことで、キャストたちがそれぞれに趣向を凝らした帽子を被って歌い踊るのがこのショー。33回目を数える今年は、4月22日と23日の2日間にわたって開催される。行きたかった…。

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