EGOIST ファンとつながるサプライズ
の瞬間 ライブレポート到着

2019・4・5EGOIST FCツアー“showcase*005”東京 @Zepp Diver City Tokyo
2019年4月6日、東京・Zepp Diver City TokyoにてEGOISTのFCツアー“showcase*005”の追加公演が開催された。今回のツアーでは、FC会員から楽曲リクエストを募っているとのことで、それが今回のセットリストにどう反映されているのか気になるところ。また昨年夏から秋にかけて行われたアジア・ツアーを経て、2019年のEGOISTがどう展開されていくのかも伺えたツアーとなった。
“showcase*005”の開幕を飾ったのは、2017年にリリースされた「英雄 運命の詩」のカップリングである「永遠」から。のちのMCでも明かされたとおり、今回のファン投票でもっとも得票数が多かった楽曲である。会場には幻想的なデジタル・ビーツが流れるなか、ステージ上のスクリーンにはEGOISTのツアーロゴが映り、それはやがてワイヤーフレームの水面がうごめくようなものに変わっていく。そしてそのなかに突如として現れた楪いのり。
炎のように赤い衣装を身にまとい、「永遠」のサウンドのなかで幻想的に漂うようにゆったりとした動きで歌う。そんな美しい雰囲気のオープニングから、みんなのよく知るギター・リフが鳴らされる。続けざまに披露されたのは「The Everlasting Guilty Crown」だ。ステージ上のスクリーンには『ギルティクラウン』のキービジュアルが映し出され、客席は赤いペンライトに染まる。性急でエモーショナルなサウンドに会場が熱気に包まれるなか、chellyの歌唱もロウからハイまで自在に歌い、見事会場を支配していた。
続いては、一瞬で黒いワンピースに着替えてからの「Love Struck」。キュートでバウンシーなビートに乗せて、ピンクに染まった客席が、サビでは左右に揺れる光景を見せていた。ロッキンなサウンドに歓声が起こった「It’ s all about you」ではchellyの動きもよりアクティブに、ステージを左右に動いて客席を煽る。それに対して観客もコールや手拍子で返す。ファンのリアクションを反映したセットリストだけに、序盤からすでに“showcase”ならではなステージが展開されていた。
MCを挟み、ふたたび赤い衣装に着替えてのアシッド・ジャズ風味な「Loverly Icecream Princess Sweetie」で会場を盛り上げたあとは、「Depertures〜あなたにおくるアイの歌〜」「キミソラキセキ」とバラードが続く。雪が降るような映像から始まった「Depertures〜あなたにおくるアイの歌〜」では客席のペンライトの色も白に、そして星空を思わせる「キミソラキセキ」ではブルーにと、とても美しい光景を見せていた。またここでのchellyの歌唱が素晴らしく、いずれの曲でも客席の動きや背後の映像に呼応するように情感豊かに歌い上げていた。「Depertures〜あなたにおくるアイの歌〜」でのデビューから8年近く経過したことも考えると、chellyのボーカリストとしてとてつもない進化を果たしているということがよくわかるセットでもあった。
そんな感動的なムードを、ある意味破壊するかのようにここからは『PSYCHO-PASS サイコパス』の楽曲が続けざまに披露される。「Fallen」の暴力的なサウンドから、爆発的なギター・サウンドが印象的なバラード「All Alone With You」、そして今回は前奏にストリングが入ったバージョンとなった「名前のない怪物」という、アグレッシブで濃密な3曲を披露。これには客席もアグレッシブに、会場を真っ赤に染め上げて応戦する。「名前のない怪物」の破壊的ドラムンベースのあとは、黒の衣装に身を包んでからの「Ghost of a smile」へ。それにしてもこのパート、ここまでMCを挟まず7曲連続となるパフォーマンスである。改めてchelly、そしてEGOISTの持つ底力を思い知った次第だ。
そして本編最後となった曲は、これもファンからの支持が厚かったという「Great Distance」。イントロのピアノで客席からは悲鳴のような歓声があがるのも頷ける素晴らしい一曲だ。ファンそれぞれが“自分の好きなEGOIST”を思い思いに投票したことで、改めてEGOISTの音楽の豊かさがライブとなって現れた、そんな“showcase”だったように思う、そんな感動的なエンディングとなった。
そうしたファンの声ととも展開されたのが本編だとしたら、大歓声のなか始まったアンコールは、それとはまた趣向の異なる、しかしFCツアーらしいレアなものとなった。まずはEGOIST名義ではなく菅野よう子 ✕ chellyでの「星と翼のパラドクス」。まさかこれを生で、しかもEGOISTのツアーで聴けるとは……。直後にchellyが菅野よう子の家でプリプロを行なった話などMCでも聞かれ、改めてとんでもないコラボだと思った次第だ。
FCイベントらしく抽選会などを挟んだあとは、待望の新曲となる「咲かせや咲かせ」へ。EGOISTのワークスとしては珍しい和のテイストがたっぷり入った一曲だ。ライブで聴いた印象としては、サビでの音圧がすさまじく、和風らしく艶やかではあるのだけど、非常にアグレッシブな楽曲として以降のライブでも重要な位置につくのだろうと感じた。
最後のMCでchellyは、「大阪、名古屋、福岡、北海道、東京……。みなさんに支えられているんだなって改めて感じるツアーだったと思います。またみなさんと楽しい時間を過ごせるように頑張ります」とメッセージを送った。そんななか最後の曲と言って披露されたのが、まさかのsupercell「My Dearest」のカバー!
まさか『ギルティクラウン』最初のOP/EDを同じ日に聴けるなんて、しかもいずれもchellyのボーカルで……というあまりに貴重でうれしいプレゼントに、会場は当然大歓声だ。なんという、なんというハッピーエンドだろうと思ったら、「追加公演に来てくれた人にプレゼント! もう一曲やります!」とchelly。そこで披露されたのは、またしてもsupercellのカバー。しかも『ギルティクラウン』後期EDテーマ「告白」だ。カバーでエンディングというのもFCライブらしいが、chellyが歌うことでEGOISTらしく聴こえるのも面白い。エモーショナルさが増した感動的な一曲とともに、サプライズに彩られたこの日のレアなステージは幕を下ろした。
FCイベントということで、ファンからの投票とサプライズというファンへのプレゼントというふたつを軸としたように感じられたこの日のライブ。つまりそれは、chellyとEGOISTファンとの交流を見るステージのようでもあった。実際MCではある種ゆるくファンと会話するような内容だったし、またchellyもそれを楽しんでいるように見えた。本来のライブとは毛色が異なるステージではあったが、一方で新曲「咲かせや咲かせ」も含めて、あらたなEGOISTの姿の一端が見えたライブでもある。貴重な瞬間を目の当たりにしながら、その次へと思いを馳せる、そんな贅沢な一夜であった。
レポート・文:澄川龍一

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