THE RAMPAGEが映すEXILE TRIBEの未来
— 初のアリーナツアーを紐解くイン
タビュー

総勢16人の"暴れん坊" THE RAMPAGE from EXILE TRIBEが、EXILE TRIBEの新鋭としてデビューを果たしてから早2年。彼らはデビュー前からオープンスペースでのフリーライブで全国を行脚し、サポートアクトとして先輩グループのツアーに帯同するなど着実に経験を積んできた。デビュー後の一昨年から昨年にかけて行った初の単独ホールツアーは約9か月間に及んだが、磨き上げられたテクニックやフィジカル、強靭な精神力でロングラン公演を完遂。そして現在彼らが満を持して挑んでいるのは、全国のアリーナを回るグループ史上最大規模の全国ツアーである。THE RAMPAGEの圧倒的なパフォーマンスはどのように生まれ、彼らはEXILE TRIBEの未来に何を見据えるのか。このインタビューではリーダーの陣、ボーカルのRIKU、パフォーマーの岩谷翔吾に話を聞いた。
ーー THE RAMPAGEはグループ史上初のアリーナツアー真っ最中ですが、そのタイトルにも用いられている最新シングル「THROW YA FIST」では、イントロの《Throw ya fist in the air!》と言っている部分に初めてメンバー全員の声が収録されたそうですね。
陣 : そうなんです。16人全員で一緒に録ったんですけど、スタジオのロビーにマイクをセッティングしていただいて、お互い距離が離れた状態でマイクに向かって一斉に叫ぶという。 たまにボーカルのレコーディングを見学しに行くことがあったんですが、今回は楽曲に魂を吹き込む大事な瞬間に参加できてよかったです。喉を大切にしないといけないなと思いましたね……!(笑)。
岩谷 : 「今日マスクつけて行かなきゃなぁ」って(笑)。 パフォーマーの僕らは普段レコーディングブースに入ることがないので、ヘッドホンをつけてマイクに向かって声を出すのは新鮮な体験でしたね。アリーナツアーへの意気込みを声に込めたので、ツアーのキックオフシングルにふさわしい楽曲になったと思います。
ーー Aメロ、Bメロ、サビのそれぞれの歌い出しをすべてRIKUさんが担当しています。歌で心がけたポイントはありますか?
RIKU : サビのリリックが一番印象に残るし楽曲のメッセージが伝わる箇所だと思うので、「高く高く In the air 拳上げて Hold up」の部分はこだわってレコーディングしました。歌を録るときにはダブル、トリプルといって同じパートを2〜3本録るんですけど、1回目で偶然すごくいいテイクが録れると、何度同じように歌おうとしてもできなかったりするんですよね。じゃあわざとキャラクターを変えて歌ってみようとか、かなり工夫しましたね。
ーー RIKUさんの英単語の発音がすごくクリアだなと思いました。英語のレッスンを受けていらっしゃるんですか?
RIKU : 外国人のかたにも僕らの音楽を伝えたいですし、今後のグループのことを考えると日本語以外の言語も使えたほうがいいので、僕は普段から英会話を勉強していて、陣くんは中国語を勉強してくれています。
陣 : 僕らが所属するLDHはグローバルな会社なので、海外の方とお会いする機会があるんですが、そこでアジア圏の方とコミュニケーションをとれないのはもったいないなと思って。英語はすでに話せるメンバーがいるので、僕は中国語を勉強しています。吉野北人や藤原樹と一緒にレッスンに行くことがあるので、切磋琢磨しながら頑張っています。
THE RAMPAGE from EXILE TRIBE
ーー パフォーマンス以外にもお互いを高めあえるものがあるのは素晴らしいですね。「THROW YA FIST」の振付はリーダーのLIKIYAさんが手がけられたそうですが、踊ってみていかがですか?
岩谷 : キャッチーだけど男らしくて、信念がこもっています。パフォーマーも声を出しているフックの部分は、拳を突き上げるシンプルな動きなので真似しやすいと思いますし、実際にアリーナツアーで披露しても会場が一体となりますね。
陣 : いつもはメンバーの誰かが振付を考えたら、それをもとにみんなで話し合って構成などを作り上げていくのですが、このシングルは制作期間が短かったので、LIKIYAさんが構成も含めて完成させたものを僕たちに落とし込んでくださいました。イレギュラーですがスムーズに進みましたし、その過程がこの曲のもつ勢いに繋がったと思います。
ーー この楽曲を提げた初のアリーナツアーは、昨年に続き二度目の単独ツアーとなりますが、ライブの制作過程で前回と変わったことはありましたか?
陣 : 前回のホールツアーの制作時に比べると、今回は初めから全体のビジョンやスケジュールをイメージした上でリハーサルを進めたので、効率が良くなったと思います。あと、前回は積極的に意見を言うメンバーがだいたい決まっていたんですが、今回は前回以上に多くのメンバーがアイデアを出し合いましたね。まとめるのに時間がかかりましたが結果的にアリーナでの色んな観せかたを試せたので、じっくり話し合って良かったなと思います。
THE RAMPAGE from EXILE TRIBE
ーー 今回のツアーではボーカル・パフォーマーともにその役割にとらわれず、幅広い表現に挑戦されています。RIKUさんのパフォーマンスにも初の試みがありますね。
RIKU : 僕の試みはTHE RAMPAGEについているイメージとは違った一面だと思うのですが、「こうすればもっと喜んでもらえるんじゃないかな」とメンバーに提案しました。これからどれだけ歳を重ねても新たな挑戦を続けたいので、僕らには勢いのある楽曲が多い中で「この曲をこんな大胆な演出でやってみよう」というような、柔軟な発想を常にグループに発信したいなと思っています。
THE RAMPAGE from EXILE TRIBE
ーー あの演出はライブ全体のハイライトにもなっていると感じます。昨年のホールツアーは約9か月間に及び、今回も追加公演を含むと全28公演と濃密なツアーですが、公演ごとにクオリティを上げ続けるための秘訣はありますか?
陣 : 「今日のパフォーマンスを最高なものにしよう」という考えだけだと、どうしてもマンネリ化してしまうと思うんですが、自分の中で「次の公演では表情を意識しよう」とか「今度は最後まで体力を持続させよう」といったテーマを決めると、それが自然とモチベーションになります。良い意味で16人の個性が強いので、広いステージに立ったときに個々の気持ちが先走っていないか、THE RAMPAGEとしてまとまった表現ができているか、そういったことは公演ごとに映像を見ながら確認して、改善点をメンバー間で共有しています。
ーー 公演の合間にも綿密な調整をされているのですね。 ホールとアリーナでは収容人数に大きな違いがありますが、ステージに立たれる皆さんの感覚にも違いはあるのでしょうか?
岩谷 : ステージや客席が広くなったぶん、体力的にも精神的にもパワーは必要ですが、僕らはデビュー前に全国でフリーライブを行った武者修行のときから変わらず、お客さんの端から端まで一人一人に伝えたいという思いでパフォーマンスをしているので、心構えは変わらないですね。
THE RAMPAGE from EXILE TRIBE
ーー ファンにはすごく嬉しいお言葉ですね。皆さんは、会場に入ってから本番を迎えるまでどのように過ごされますか?
岩谷 : メンバーによって違いますが、僕と陣さんは会場に入ったら一番最初にメイクをしてもらいます。スイッチが入るのもありますし、直前になって焦りたくなくて(笑)。メイクが終わったらマッサージや体のケアをして、リハーサルをして、筋トレをして、一息ついてからウォーミングアップに入るというのが僕の流れなので、ツアーの最後までこのリズムでいければいいなと思います。
RIKU : 僕はウェイトトレーニングやウォーミングアップで体を温めて、汗をかくので一旦シャワーを浴びて、喉の筋肉をトレーナーさんにほぐしてもらって、30分前にパパッと髪をセットしていただいて「よし、いくぞ!」という感じです。本番直前までしっかりアップするために、僕の髪は簡単にセットできるようにカットしてあるんです。ちなみに僕は昨年のホールツアーで川村壱馬、吉野北人、神谷健太、藤原樹あたりのメンバーの髪をセットしていたことがありますよ。陣くんは髪が短いけど、細かく逆立てるからセットに時間がかかるよね。
陣 : ぺちゃんこの状態で会場に入るからね。タイミングによってはドライヤーの順番待ちが発生するので、長谷川慎なんかは自前のドライヤーを持参していたりします(笑)。
THE RAMPAGE from EXILE TRIBE
ーー 大所帯ならではの興味深いエピソード、ありがとうございます(笑)! 最後にこのアリーナツアーに懸ける思いと、これから会場に足を運ぶかたがたへのメッセージをお聞かせください。
岩谷 : アリーナツアーにたどり着くまでにメンバーそれぞれが色んなストーリーを重ねてきたので、特別な思いで臨んでいます。このライブに来てくれたお客さんが、帰り道に「元気が出たね」とか「あの曲が良かったね」と僕らのことを話してくれるだけで嬉しいです。THE RAMPAGEが一人でも多くの人の生活に寄り添えるように、ライブを通してもっと成長したいです。
RIKU : グループとしてのカラーはもちろんメンバー個々の強みもしっかり組み込んだアリーナツアーで、THE RAMPAGEの一人一人をより濃く知っていただけると思います。今の僕らは「Jr.EXILE世代」としてもこれからのLDHを担う重要な位置にいるので、EXILEの名を背負う意味をしっかりと捉えながら、今後の僕らの可能性を「見せつける」というよりは、目撃した人が自ずと感じてしまうようなライブにしたいです。
陣 : アリーナツアーが始まって改めて、ファンの皆さんの力があったからこそ僕らはこのステージに立てていることを実感しています。「THROW YA FIST = 拳を掲げろ」というメッセージのもとに、THE RAMPAGEとファンの皆さんが一緒にスクラムを組んでいるような感覚です。初めて来てくださるかたも仲間として同じ熱量で楽しんで、僕らのエンターテイメントを通して幸せになってもらえれば嬉しいです。
取材・文=Natsumi.K 撮影=森好弘

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