【THE PINBALLS ライヴレポート】
『end of the days tour』
2019年3月22日 at 恵比寿LIQUIDROOM
ここ数年でバンドが掴んだライヴのスタイルを、激しい照明とともにTHE PINBALLS史上最大規模のツアーファイナルに相応しいスケールで見せ付けた。この日、彼らが演奏したのは『時の肋骨』の全曲を軸にした全22曲。R&Bの影響が滲むガレージロックナンバーを畳み掛けて満員の観客の胸を熱くした序盤から一転、The Kinksを連想させる「BEAUTIFUL DAY」が印象的だった中盤では牧歌的なポップセンスをアピール。
そして、後半戦はポストパンクなダンスビートで観客を踊らせると、フリーキーなギターワークとともにバンドが表現する世界観の広がりを印象付けた本編最後の「銀河の風」まで一気に駆け抜けた。バンドの魅力をギュッと凝縮した1時間半。その中盤、“ソールドアウトしました!”とその歓びと感謝を語る一方で、古川貴之(Vo&Gu)は“それだけじゃ物足りない! 俺とお前しかいないような歌を歌いたいんだ!”と胸の中に芽生えた想いを口にした。バンドの人気上昇を物語るようにツアーをするたび、会場のキャパを上げてきたこのタイミングで、そこに気付いたことは大きい。なぜ音楽に取り組むのか、その根源を今一度見つめ直したような言葉を聞き、THE PINBALLSは大丈夫。もっともっと行けると確信。
予定になかった3度目のアンコールに「真夏のシューメイカー」で応えたメンバーたちは最後の最後にふっ切れた演奏を見せてくれた。その感覚を求め、僕らはまたTHE PINBALLSのライヴに足を運ぶ。
撮影:白石達也/取材:山口智男
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