髙橋大輔インタビュー 『氷艶』第二
弾の見どころとは?《後編》

ストーリー仕立てのアイスショー『氷艶 hyoen2019 -月光かりの如く-』が、2019年7月26日(金)~28日(日)に横浜アリーナで上演される。
前回に引き続き、この記事では主役の光源氏役として出演する髙橋大輔に、その魅力について話を伺った。
■光源氏のメイクに「めっちゃアイライン入ってる!」
――2017年の公演と今回でどんな違いを出そうと思いますか?
髙橋:前回は義経役で、戦いという部分があったので、荒いというか力強い表現が多かったのかなと思うんです。悲しみや怒りが強かった。でも今回は恋愛面が大きいので、微妙な表情の変化が必要になってくるのかなと勝手に思っていて。普段、競技では3~4分の中でしか表現しないので、『氷艶』のように長い時間での演技でどういう変化をつけるのか、考えないといけないと思います。これまでの競技経験が活かされればいいですね。
――光源氏は皇族ですよね。
髙橋:僕としては、ステファン・ランビエルさんは貴族っぽいイメージがあるんですけど、自分はどっちかというと庶民からの成り上がりというか、ちょっと雑草的というイメージがあるんです(笑)。王子というよりも、荒々しいとかそういうタイプ。だから貴族っぽさを出すのは、自分としてはものすごい違和感がありますけど、そういう表現もできるようになれば強みにもなるので、研究したいですね。
――ポスターのメインビジュアルの髙橋さんは、雅な雰囲気が出ていて素敵だと思いました。
髙橋:いえいえ。この時代は手を見せないらしいので、ポスターでも手を見せないように撮ったんですが、当時の風習や文化も勉強しないといけないですよね。こういう機会で当時のことを知ることも大事かなと。フィギュアスケートの世界は基本的に派手にしてナンボですから(笑)、雅な世界って、日本人の派手じゃない部分――奥ゆかしさというんですかね、そういった表現を取り入れるのもいいなと思います。
――アイラインがキャットアイみたいでキレイでした。
髙橋:最初はアイラインはほとんど入れていなかったんですけど、どんどん入れることになって。メイクされている最中はわからなかったんですけど、終わったら「めっちゃアイライン入ってる!」とちょっと驚きました。髪の毛も引っ張られているので、目もつられてます。自分の顔なので、なんとも言えないですけど……(照)。
髙橋大輔
■ステファンとは今回の演技でもライバルに
――先ほどお名前が出ましたが、ステファン・ランビエルさんとユリア・リプニツカヤさんが出演することも注目ですね。日本の古典の世界をどのように説明されますか?
髙橋:ふたりの出演にはびっくりしました。亜門さんが説明してくださると思いますけど、日本人の僕でさえ難しいのにわかるのかな(笑)。と言っても色恋は世界共通ですから大丈夫でしょう。ふたりが観る人にどういうふうに映るのか、楽しみですね。
――リプニツカヤさんは紫の上の役ですが、ランビエルさんとは彼女を巡るライバル関係ということですよね。
髙橋:僕が演じる光源氏が紫の上を育てるんですけど、結局、ステファン演じる朱雀帝に取られるんです。実際、ステファンって王者という感じじゃないですか。同じ時代に戦っていて、僕は彼に勝ちたくて、勝ちたくて。勝ったり負けたりもありましたけど、俺の中では王者だと思っているんです。
友人でもありますけど、憧れでもあるし、ライバルでもあるし、いつか勝ちたいと常に思っている相手。彼の才能もわかっているし、決してマネできないものを持っているし、到底勝てないなというものも持っていて。一緒に現役を戦ってきた時のそういう気持ちと、今回役を演じる時の気持ちは、同じなのかなというふうに思います。
――なるほど。
髙橋:亜門さんもそういうことで、僕のライバル役を役者さんではなくて、ステファンに依頼したとおっしゃっていたんです。だからいつも通りに、僕がステファンに若干嫉妬する感じで演じればいいんだろうなと(笑)。
――氷上でおふたりの対決が見られるのかと思うと、すごく楽しみです。
髙橋:ステファンからは学ぶことも多いし、僕自身もすごく楽しみです。以前、アイスショーでコラボレーションさせていただいた時も楽しかったですし、またこういう形で一緒にできるのは光栄ですね。
髙橋大輔
■『氷艶』の第三弾は桃太郎……!?
――第三弾があったとしたら、どんな物語と融合させたら面白そうだと思いますか?
髙橋:「桃太郎」をやってみたいです。以前、清涼飲料水のCMでありましたが、ああいう感じでシリアスでかっこいい雰囲気でやったら面白いだろうし、いろいろな表現ができると思います。例えば、役者さんの他に、体操や新体操のスポーツ選手とコラボレーションしたり。シンクロナイズドスイミングの選手と一緒に、氷と水が融合したステージを見せたり……。いろいろな世界が広がると思います。
――ありがとうございました! 最後この作品における意気込みをお聞かせください。
髙橋:意気込みはすっごいあります。最初に日本文化とフィギュアスケートを融合させた『氷艶』をやった時に、世界に持っていけると感じました。亜門さんもそのようにおっしゃっていましたけど、そのためにはまず日本で評判を勝ち取らなければいけないと思いますし、2回で終わるのではなく、3回、4回と続けていきたい。それくらい、自分としてもアツい想いを込めているものなので、今回は前作の評判を超えられるように精一杯頑張って、役者さん、スケーターの方と力を合わせて、亜門さん指導の下、最高のステージをお見せできるようにしたいと思います。フィギュアのファンの方も、まだスケートを見たことがない方、あまり興味がないという方にも、ぜひ観ていただきたいです。
髙橋大輔
(文/熊谷真由子)

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