NakamuraEmi

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【NakamuraEmi インタビュー】
自分はとにかくネガティヴだから
前に進むには曲を書くしかない

頑張りすぎて壊れる前に、
ちゃんと怠けて甘えないと

それ、絶対正解ですよ。アルバム全体のサウンド感としても、今作は熱いエモーションやロック感より、穏やかさやアコースティックな印象のほうが強い気が。

今までは全部自分で作っていたところ、半分くらいはカワムラさんにコードを提供してもらってメロディーを付けるっていう初めての試みはありましたね。そういった男性陣からの提案やアレンジ提供もありましたし…あと、「甘っちょろい私が目に染みて」は初めて自分を肯定できるような曲ができたなって。さっき話した絵の中でも、この曲だけ顔がないんです。ちょっと視点が遠いから。

サウンドも幻想的ですし、はっきりとした“自分”というより少し俯瞰で書けたんでしょうね。

そうですね。ちょっと透明というかフィルムのように鮮明じゃないイメージだったので、マイクも1950年代の古いリボンマイクを使ったんですよ。今まではとにかく“頑張れ”とか“前を向け”っていう曲ばかりで、もちろん今回のアルバムでもそういうメッセージは多いんですけど、そんな頑張った自分を“よくやったね!”って自分で抱き締める曲が初めてできたなぁと思ってます。

“前に進む”ということを強く示しながら“ちゃんと怠けてちゃんと甘えて”と歌っている幕開けの「バカか私は」にも、そのへん通じるような気がします。

そうですね。いろんな幸せが当たり前になっちゃってて、失くして初めて気付く自分に“バカか私は”って歌ってるんですけど、そんな後悔を背負っても前に進むしかないんですよね。でも、頑張るばっかりだと家に帰って真っ白になったりもするから、それで心が壊れちゃう前にちゃんと怠けるというか。誰かに助けを求めたり、後回しにしたりしながら、それでも前に進んでいこう!って自分に言い聞かせるような曲になりました。

結局は頑張るため、前に進むための“ちゃんと怠けて”なんですね。

私、とにかくネガティヴなので、心のままに行っちゃうと止まっちゃうんです。むしろ後ろに戻っちゃうので、どうにか前に進むには曲を書くしかないんですよ。もう、その時、その状況の自分だからこそのリアルを毎回ひとつひとつ出していくだけ。結果、前回の『NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.5』の時に“もう、これ以上のアルバムなんて作れない。次はどうしよう?”って不安だったのに、今回作ってみて“あ、前回より出せたかもしれない!”って感じられたので…やっぱりリアルでいいんですよね。

着実に進化しているってことですね。そして、今回もツアーがアコースティックとバンドの二本立てで行われますが、また本数が多い!

アコースティックは全20本ですからね。前回はカワムラさんとふたりだったところ、今回はヒューマンビートボックスで光介くんが入ってくれるので、またアルバムとは違う表現を楽しんでもらえるかなぁと思っております。バンドのほうのファイナルはZepp DiverCity Tokyoということで、でかい会場なので正直言って怖いんですけど…でも、大きなところでやる大事さとか、勉強しなきゃいけないことも分かっているので頑張ります!

取材:清水素子

アルバム『NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.6』2019年2月20日発売 日本コロムビア
    • 【初回限定生産盤】
    • COCP-40749 ¥2,700(税抜)
    • ※豪華紙ジャケ特別仕様
    • 【通常盤】
    • COCP-40750 ¥2,700(税抜)
    • ※初回限定生産盤がなくなり次第、通常盤に切り替わります
    • 【LP】
    • COJA-9354 ¥4,000(税抜)
    • ※本人直筆シリアルナンバー入り
    • ※数量限定生産

『NakamuraEmi NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.6 ~Release Tour 2019~』

■Acoustic公演
Vo:NakamuraEmi / Gu:カワムラヒロシ / Human Beat Box:朝光介(From カサリンチュ)
3/29(金) 北海道・札幌PENNY LANE 24
3/30(土) 北海道・旭川CASINO DRIVE
4/03(水) 京都・KYOTO MUSE
4/04(木) 兵庫・神戸チキンジョージ
4/09(火) 三重・松阪M'AXA
4/12(金) 静岡・浜松窓枠
4/17(水) 群馬・高崎club FLEEZ
4/18(木) 栃木・HEAVEN'S ROCK 宇都宮
4/26(金) 鹿児島・鹿児島SR HALL
4/27(土) 熊本・熊本B.9 V2
4/30(火) 宮城・仙台darwin
5/02(木) 岐阜・岐阜club-G
5/05(日) 岩手・盛岡CLUB CHANGE WAVE
5/06(月) 福島・郡山 CLUB#9
5/11(土) 岡山・岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
5/12(日) 広島・広島 LIVE VANQUISH
5/17(金) 香川・高松DIME
5/18(土) 高知・高知X-pt.
5/2日(火) 新潟・新潟ジョイアミーア
5/22(水) 石川・金沢vanvanV4
■Band公演
Vo:NakamuraEmi / Gu:カワムラヒロシ / Ba:中西道彦(Yasei Collective)Per:大塚雄士 / Dr:Tomo Kanno
6/11(火) 愛知・DIAMOND HALL
6/13(木) 大阪・なんばHatch
6/14(金) 福岡・DRUM Be-1
6/18(火) 東京・Zepp DiverCity Tokyo

NakamuraEmi プロフィール

ナカムラエミ:神奈川県厚木市出身。1982年生まれ。山と海と都会の真ん中で育ち幼少の頃よりJ-POPに触れる。カフェやライヴハウスなどで歌う中で出会ったヒップホップやジャズに憧れ、歌とフロウの間を行き来する現在の独特なスタイルを確立する。その小柄な体からは想像できないほどパワフルに吐き出されるリリックとメロディーは、老若男女問わず心の奥底に突き刺さる。16年1月にアルバム『NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST』メジャーデビュー。20年2月には5thアルバム『NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST2』をリリースした。NakamuraEmi オフィシャルHP

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「相棒」MV

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