シャンプーを使わない“湯シャン”を
2ヶ月試したら、予想外に髪の毛がい
い匂いになった

シャンプーを使わず、頭をお湯ですすぐだけで済ませる “湯シャン”。「髪の毛は洗うほど痛む」という話は聞くものの、臭くないのか、かゆくならないのか、髪はどんな状態になるかなど、気になる人も多いはず。2ヶ月ほど実践してみてのレポートをお届けします。

シャンプーを使わず、頭をお湯ですすぐだけで済ませる “湯シャン”。「髪の毛は洗うほど痛む」という話は聞くものの、臭くないのか、かゆくならないのか、髪はどんな状態になるかなど、気になる人も多いはず。2ヶ月ほど実践してみてのレポートをお届けします。
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リンスってなんで存在するの?
ふと、思ったんです。リンスやトリートメントって、なんで存在するのよ、って。
うちの娘(4歳)がそうなんですが、体質として髪が細いのと、まだ子供なのもあって、シャンプーで洗っただけだと、ゴワゴワのカピカピになってしまうんです。
だから、リンスも併用せざるを得ない。
でもこれって、変じゃないでしょうか。なぜ洗ったあとに、人工的に潤いを追加しなければいけないのか。
そもそも、シャンプーが無かった時代は、たいして洗髪なんてしていなかったはずです。それで、さらさらヘアーとはいかないでしょうが、衛生的に問題ない状態を保てていたはずなんです。
シャンプーで洗うほど汚くなりやすくなる?
そんな疑問を抱いていた中、偶然にも、夏井睦『傷はぜったい消毒するな』という本を読みました。“湿潤治療” について書かれた本です。
昔から、傷の治療というと、赤チンやマキロン等で消毒し、なるべく早く乾燥させるのが常識でした。が、傷が治る過程を徹底的に研究してみると、「消毒」も「乾燥」も傷を悪化させ、治癒を遅らせるだけなんだそうです。
湿潤治療では、傷は必要に応じて水で洗い流すだけ。あとは、ラップなどを当てて乾燥しないようにし、定期的に交換します。私も実際にやってみましたが、これだけで痛みがなくなり、化膿もせず、早く治ってしまいます。
『傷はぜったい消毒するな』を読むと、湿潤治療のベースにあるのは、「進化の過程で獲得してきた人体の機能を邪魔しない」という考え方だと気づきます。消毒すれば細胞を破壊するし、乾燥さては細胞成長因子(ジュクジュクのあれです)で傷を覆っておけない。だから湿潤治療がベスト、というわけです。
シャンプーを使わない“湯シャン”のやり方
実は本書の中に、シャンプーへの言及がありました。
<これも考えてみたら当たり前である。シャンプーの強力な界面活性剤が皮脂を洗い流し、しかも神経質に地肌をゴシゴシとこすっていれば、皮膚常在菌にとって最適の環境でなくなり、常在菌以外のさまざまな細菌が繁殖するようになるからだ。これらの細菌が臭気の原因だったのだろう。
 しかも、皮脂を洗い流された頭皮はその皮脂不足を補うためにさらに多くの皮脂を分泌するようになり、その結果、頭皮はかえってべたべたになったと考えられる。同様に、角質が界面活性剤で損傷され、それを修復しようとして皮膚の新陳代謝が過剰に起こり、その結果、フケが多くなったのではないだろうか。>
夏井睦『傷はぜったい消毒するな』(光文社)
第10章 皮膚と傷と細菌の絶妙な関係|11 石鹸、シャンプーと皮膚の健康 より一部引用
これって、ワキの臭いなんかも一緒ですよね。特に夏場は、石けんでゴシゴシ洗っても、すぐに臭い出す。で、原因は洗い過ぎだという。界面活性剤が、善玉の皮膚常在菌を洗い流してしまうので、悪玉菌が繁殖してしまい、清潔にしておこうとすればするほど臭いが強くなるわけです。
仮説:シャンプーしないほうが、臭い・ベタつき・フケが減るかもしれない
人体はもともと、シャンプーなんかしなくても問題ないようにできているはずなんです。夏井睦『傷はぜったい消毒するな』の記述を参考にすれば、こんな仮説が立てられます。
シャンプーしないほうが、臭いが弱くなり、皮脂によるベタつきが少なくなり、フケも減るかもしれない!
私は、頭の臭いを気にした経験はないんですが、ベタつきはけっこう感じます。今までは、皮脂の分泌が多い体質なんだと思っていました。風呂で熱心にシャンプーをしても、1日経てばしっかりベタ付いています。忙しくて風呂に入れなかったりすると、翌朝にはもう髪の毛がペッタリしているくらい。フケも気になることがあります。
だからこそ、よけいにゴシゴシ洗ってしまうわけですが……シャンプーをやめれば、この悪循環を断てるかもしれないわけです。それにやっぱり、リンスを使わないとゴワゴワ&カピカピになってしまうわけで、シャンプーを使うのって、髪に不健康そうに思うんですよね。リンスを買わせようとする化粧品&製薬会社の策略か!?
ま、それはともかくとして、シャンプーやリンスを買わずに家計を節約するために  髪をいじめて将来ハゲないために、ちょっと「シャンプーを使わない生活」に挑戦してみました。
湯シャンのやり方
「界面活性剤入りの洗剤が諸悪の権化」という考え方なので、シャンプーをやめ、代わりにお湯だけで頭を洗い流します。いわゆる”湯シャン” です。シャワーのほうがやりやすいですね。
コツは、頭皮や髪の状態をよく確かめて、しっかり汚れやベタつきを洗い流すこと。最初は無理せずに、2日・3日に1回はシャンプーを使うのもいいと思います(ただし、今までのように頭皮までゴシゴシ洗うのでなく、髪だけをササッと洗う)。
『傷はぜったい消毒するな』にもありましたが、シャンプーによって必要以上に皮脂を洗い流してしまっていると、皮脂の分泌が過多になっていると考えられるからです。悪玉菌も繁殖しやすい状態なので、適度に皮脂や汚れを洗い流しておかないと、かゆみが出たり、臭いが出たり、という事態があるかもしれません。
私も最初の半月から一ヶ月くらいは、”湯シャン” だけでは、髪が脂ぎって重くなる感じがありました。そこで、何日かに1回は、多すぎる皮脂だけを洗い落とすようなイメージで、シャンプーを少量使いました。
また、タバコの臭い、焼き肉やお好み焼きなどで染み付いてしまう臭いは、これはなかなかお湯だけでは落ちません。シャンプーを使わざるをえません。
※ということはつまり、タバコなど、日常生活の中でどうしても染み付いてしまう不快な臭いを落とす、という意味では、シャンプーの存在意義は確かにあると言えるようです
天敵はビジネスマン必須のアレ
天敵は整髪料
シャンプーをやめ、”湯シャン” をやり始めて真っ先に思ったのは、「自宅で仕事をするフリーライターで良かった……」ということでした。万が一、臭いをまき散らしたり、フケが大量に出たりしても、せいぜい苦情が出るのは家族くらいなもので、誰にも迷惑をかける心配がないですからです。
この点、会社員だと、始めるのは勇気がいるのは間違いないですね。同僚や顧客の目が気になる方は、大型連休などに実験してみるといいかもしれませんね。
もう一つ大きいのは、外に出て仕事をする人は、身だしなみに気を配る必要があるところです。実は、“湯シャン” を始めてみてわかったのですが、整髪料をつけていると、なかなかお湯だけでは取れないんです。
これは、整髪料で髪を整えたときに、手に残っているベタベタが、水(お湯)だけで落とせるかどうかで分かります。わりと水に溶けやすいものもあれば、ヘアワックスなど、なかなかベタつきが落ちないものもあります。
厳密に言えば、丹念に洗えばお湯だけでも落ちるのかもしれませんが、髪の量が多ければかなり時間がかかり、けっこうな手間です。落としきれなければ、かゆみの原因にもなります(たぶん、湯シャンに失敗する方は、ほとんどがこれが原因)。
私は、普段は家にいることが多いので、整髪料を使っていません。人と会うときはワックスを使いますが、週に何日もないので、シャンプーを使って落としています(地肌をなるべく洗い流さないよう、軽く、短時間で済ませる)。
正直なところ、整髪料できっちり髪をセットしてお洒落をする方には、”湯シャン” はハードルが高いだろうな、と思いました。
2ヶ月後。髪はツヤツヤ。ベタつき無し。
ということで、2ヶ月が経過しました。現在の髪の状態ですが、なんというか、すごく健康的なように感じるんですよね。
リンスなどは使っていないので、サラサラ感はありません。手ぐしを通すと、多少の抵抗を感じます。ただ、すごくツヤツヤなんです。シャンプーで洗った直後のような、不健康に乾燥した感じがなく、水分がしっかり保たれているのがわかります。
それでいて、手ぐしを通した手がベタつくこともありません。皮脂の分泌量が適正に落ち着いているんでしょう。
フケは明らかに減りました。鏡で見る限り、粉がふいている感じはありません。電灯の近くで頭皮を擦ってみても(これをやると誰でもフケが見える)、申し訳程度にパラパラ落ちてきておしまい。昔は大雪のようだったので、えらい違いです。
もちろん、臭いもしませんし(鼻をくっつければ、いわゆる頭の臭いはします。当然ながら)、かゆみもありません。頭皮に吹き出物ができるようなトラブルもありません。
しっとりツヤツヤの健康ヘアーはいかがですか?
結果は大成功と言っていいんじゃないでしょうか。
今では、こどもたちもシャンプーを使うのをやめました。こどもたちは、臭くなるどころか、超いい匂いがしてます。暇さえあれば抱っこしてクンクンしてしまうくらい。本物のナチュラルな髪って、トリートメント成分で作られたものでなく、こういうことを言うんでしょうねー。
コツは、シャンプーを使わない生活に、頭皮を徐々に慣らしていくこと。先ほど説明したとおり、シャンプーに慣れ切った状態では、皮脂の分泌が過多になっているはずなので、ベタついたり、かゆみが出たりしやすいはずです。
問題点があるとすれば、髪のまとまり具合が変わってしまう点でしょうか。特に女性は、シャンプー&リンスを使った髪の状態で、いかにきれいにセットするか、というテクニックを磨いてきているはずです。今までのやり方が通用しなくなると、「うまくまとまらない!」と、ストレスを感じるかもしれません(慣れと工夫の問題ではありますが)。
人工的につくられたサラサラヘアーを取るか、しっとりツヤツヤのナチュラルヘアーを取るか。
もちろん、男性で、あまり髪をセットする必要のない私にとっては、後者のメリットのほうが遥かに大きいです。私はこれからも、しっとりツヤツヤの健康ヘアーで行きたいと思っています。みなさんもいかがですか?
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