【詳細レポート】HYDE、<黑ミサ BI
RTHDAY -TOKYO->2日目「これからも
一緒に、僕と歩んでください」

HYDEが1月24日、幕張メッセイベントホールにて<HYDE ACOUSTIC CONCERT 2019 黑ミサ BIRTHDAY -TOKYO->の2日目公演を開催した。先ごろ速報レポートでお届けしたように、前夜の初日公演では、終盤に気持ちの昂ぶりを抑えるような場面もあった。そして迎えた2日目のステージも圧巻。楽曲はドラマティックに、サウンドは研ぎ澄まされて、感動的な夜となった。
<黑ミサ>は毎年北海道・新富良野プリンスホテルで開催されているディナーショーから派生したコンセプチュアルな公演だ。<HYDE ACOUSTIC CONCERT 2019 黑ミサ BIRTHDAY>と題した今回は、1月23日および24日に幕張メッセイベントホール2DAYS、自身の誕生日である1月29日および30日に地元・和歌山ビッグホエール2DAYS、さらには誕生日前日に前夜祭として行われるHYDEIST会員限定公演をあわせて、計5公演の規模で開催されたもの。

東京公演2日目、この夜も開演前の場内に賛美歌が鳴り響き、教会の祭壇を思わせる長方形の巨大LEDに<黑ミサ>の赤いロゴが浮かび上がる光景が、コンサートの幕開けを神聖なムードに染め上げる。そして定刻の6時66分(19時06分)、賛美歌が「Unexpected」に切り替わると場内暗転、ステージ上に8人の弦楽隊(バイオリン、ビオラ、チェロ)をはじめ、フルート、クラリネット、パーカッション、2人のコーラス、そしてギターのYUKI、ベースの砂山淳一、ドラムの城戸紘志、ピアニストでありバンマスのhicoが着席し、最後にHYDEがゆっくりとステージ中央へ。
アコースティックコンサートならではの落ち着いた雰囲気と適度な緊張感漂う中、やがてSEが鐘の音へと移り変わり、シンバルによるカウントが打ち出された。オープニングナンバーは「JESUS CHRIST」だ。原曲の持つヘヴィでエッジーなイメージはそのままに、オーケストラアレンジが施された楽曲はドラマティックで情緒的。アコースティックならではの深く豊かな音の世界へと客席を誘う見事な幕開けだった。続く「A DROP OF COLOUR」は和風でノスタルジックなムードがより強調されて、スローチューンがしっとり温かく響く。序盤で披露されたこれら2曲は一昨年の<黑ミサ TOKYO>や昨年の<黑ミサ ASIA>にはなかったもので、<黑ミサ BIRTHDAY>がこれまでとはまた異なるコンサートであることを予感させた。

「<黑ミサ>へようこそ。今回は“BIRTHDAY”ということで、これまでの音楽人生を振り返って、自分が歌いたい曲を選びました。永遠と暗い曲が続きますけど(笑)、最後まで席を立たずに楽しんでいってください。次の曲は友達の気持ちを想像して作りました。曲が出来てからもう18年が経ってしまいました。人というのはカタチがなくなっても、関わったそれぞれの人の心の中に、ずっと生き続けているなって。そういう意味でも、“永遠”を表す曲です」──HYDE

そして披露された「EVERGREEN」はHYDE名義による1stシングルであり、18年前のナンバーが、新たな命を吹き込まれたように優しい音色で届けられた。hicoの指揮によってストリングスの穏やかな旋律から幕を開けた「SHALLOW SLEEP」は3rdシングル。HYDEならではの柔らかく伸びやかなトーン、儚いファルセット、それでいて力強い歌声が真っ直ぐに響く。とりわけ、「EVERGREEN」の最後を締めた美しいフェイクは絶品だった。
ここからはカバー曲とフィーチャリング曲が続く。ピアノとストリングスに温もりも寂しさも秘められたglobeのカバー「DEPARTURES」、「ZIPANG」はHYDE feat. YOSHIKI名義によるHYDEの最新シングルだ。その曲間では「DEPARTURES」のカバー依頼を小室哲哉から受けた当時のことをMCでこう振り返った。

「L'Arc-en-Cielの「flower」が出る数ヶ月前、1996年の曲です。なんかのCM曲としてテレビにたくさん流れていて、すごく羨ましかったんですよね。その時は、まさか僕がこの曲を歌うことになるとは思いもしませんでした。なぜ僕がglobeのトリビュート作品に選ばれたのか……それはよくわからないですけど、オーダーが来たときに“え、めっちゃ代表曲やん”って。その歌を僕に託されたっていうことは、それって信頼とか想いがないと出来ないじゃないですか。なので、これは断ったらダメだなというか、後悔すると思ったので“やります”って言いました。僕はあまりカラオケとか好きじゃなかったので、それまで歌ったことはなかったんですけど、いい曲だなって。「ZIPANG」は間もなくリリースされる新曲です。海外公演でバラードをセットリストの間に挟んだりしたいときに、せっかく聴いてもらうんだったら、日本の美しさを歌ったような曲にしたいと思って作りました」──HYDE

ここまでの6曲はHYDE名義のナンバーが中心となっていたステージだが、以降4曲はL'Arc-en-Cielのナンバーの連投。まずは短いオーバーチュアとしてストリングスが弦を弾き、HYDEの艶やかで輝くようなアカペラが場内に響き渡った「叙情詩」へ。同曲ではエレキギターとエレキベースに持ち替えたバンドサウンドが、ゆったりとした曲調ながらリズミックな16ビートを描き、HYDEもそれに合わせて身体を左右にスウィングさせる。「LORELEY」はHYDEのサックスがフィーチャーされたナンバーだ。ウッドベースの弓弾きをはじめとする弦楽器が、流れるようにメロディアスに。そこから軽やかなリズムを持つ「In the Air」とつなげる展開に、客席が歓喜の吐息で反応した。この曲では照明の演出も素晴らしく、“空は果てしなく澄みきった青をたたえる”という歌詞に呼応するようにステージが青に染まってイマジネーションを刺激する。そして、「flower」の前のMCでは、楽曲紹介を挟みつつ、ステージにバースデーケーキが登場したほか、ファンに感謝を語った。
「昨日は、泣かせるつもりが、僕が最初に泣いてしまって。笑わそうとして先に笑っちゃうタイプなんですよね(笑)。気合いを入れてやってるんですけどね。「In the Air」はL'Arc-en-Cielのデビューアルバムの1曲目で。こういう曲から始まったらいいなって、1曲目を狙って作りました。幕開けっぽい感じが気持ちがいいです。サックスも練習しました。15年ぶりくらいにケースを開けてね。身体が覚えてるけど、忘れてることもいっぱいあって。こんなんやったっけな?って思い出しながら(笑)。
 今日は1月24日、誕生日まで1週間を切りました。バースデーウィーク開催中です(笑)。これまで誕生日を隠してた時期もあって、それでファンがもめたこともあったんですよね、“祝おう”とか“祝うな”とか。申し訳ないと思っていたんです。あまりこういうことをしてこなかったんですけど、今回は特別に、自分へのご褒美とみなさんへの感謝を込めてコンサートをやらせてもらってます。ありがとうございます。こんな誕生日、想像もしてませんでしたね。祝ってもらうなんて。
今、人生の半分をプロミュージシャンとしてやってきたわけですけど、なかなか生き抜いていくのもたいへんな世界だと思うんです。でも、みんなの記憶の一番目に僕の曲が流れたりしてるんですよね、きっと。僕にもそういう曲やバンドがあるんです。いまだに小学校のときの風景が蘇る曲がありますもん。そういうのって一生消えないですよね。だからなんていうんでしょう……ざまあみろ、じゃないですけど(笑)。そういう曲がこれからもどんどん増えていってくれると、アーティスト冥利に尽きるというか。すべての曲が誰かの思い出の曲なんじゃないかと思います。「flower」は、僕はあまり好きな曲ではなかったんですけど、最近、大好きになりました。ひこにゃん(hico)のアレンジのおかげです」──HYDE

「flower」に続いて披露された「Red Swan」はYOSHIKI feat. HYDE名義のナンバー。YUKIのエレキギターによるギターソロが凄まじく、あまりにもエモーショナルだ。オーケストラといえば格式の高くて堅苦しいものというイメージを持つかもしれないが、HYDEのアコースティックコンサートはそれだけではない。穏やかで暖かい音色に心が和み、激しい演奏に身体が反応する。また、VAMPSの代表曲「VAMPIRE'S LOVE」では巨大なLEDに棺とバラが映し出されるなど、幻想的なムードを醸し出す場面も。
そして、再びL'Arc-en-Cielのナンバーが4曲続けて披露された。ステージ後半の口火を切る「HONEY」を前にHYDEがこう語った。

「この曲は「flower」とは違って、最初から良い曲だと思ってたんですよね。さらに、バンドマジックというか、メンバーそれぞれがフレーズを入れていくにつれて、すごく良い曲になったなと。特に、kenちゃんがサビで弾くギターフレーズが実は肝なんです。あのフレーズでメロディーが際立ったなって。今でも大好きな曲で、大事な曲です。今回はアコースティックバージョンで聴いてください」──HYDE

原曲よりも少々テンポを落とした「HONEY」は、スパニッシュ調のアコースティックギターを軸としたアレンジが情熱的。HYDEのヴォーカルも哀愁を帯びて楽曲がより劇的に届けられた。さらに、力強く壮麗なオーケストラの音色が楽曲の本来の姿を浮かび上がらせたかのような「X X X」、波音や波の映像がイマジネーションを掻き立てた「forbidden lover」ではフルートの旋律がフィーチャーされて、より感情の起伏をなぞる。静かな中に力強さを感じさせたのが「永遠」だ。ドラマティックなバラードをオーケストラが豊かに盛り上げ、伸びやかで美しいHYDEの歌声はエンディングで祈りにも似た激情を描いた。そしてコンサートはクライマックスへ。初日と同じく、「あと2曲で終わりです」と語ったMCでは気持ちの高まりから、しばし言葉を詰まらせる場面も見受けられた。

「次の曲は、すごく素敵な曲なんですけど、歌詞がこのコンサートにピッタリで…………こうして時代を共に過ごして来たみんなとの季節を思い出します。いい曲だなと思います。もういっちゃいましょう、「MEMORIES」」──HYDE

楽曲の持つ魅力だけで深く深く進行していくようなセットリストのハイライトは、やはり「MEMORIES」だった。優しさと温かさ、メッセージ性を際立たせるようにHYDEの歌とピアノから始まった同曲が、後半ではダイナミックなリズムを刻み、高揚していく。切ないメロディ、希望を描く歌詞、そして言葉のひとつひとつをしっかりと届ける美しい歌声。HYDEの過去と現在、そして未来を結ぶであろう名曲は、この夜もファンの、HYDE自身の涙を誘った。深い想いを込めた歌声の神聖な響き。最後の数小節を前に、万感胸に迫ったHYDEが口からマイクを離した。しばらくうつむいたままのHYDEに向けられたファンの拍手は、この夜、最も熱量の高いものだった。
「くそー。あー、また鼻声になっちゃった(笑)。思い出さないように歌っているのに、ふいに歌詞で思い出したりしちゃうんだよね。で、なんか歌えなくなっちゃった、すみません。次は最後の曲です。もうすぐひとつ歳を取って、目覚めたら争いが終わっているといいなと思って。「星空」を歌わせてください。みんなの愛する人がつまらないことで傷つかないように」──HYDE

ファンにスマホのライト点灯をリクエストしたHYDE。場内が明るく照らされると、そこかしこに涙を浮かべているファンの姿が見受けられる。「きれいだね」と語ったHYDEはファンに向かって再び感謝を。

「いろいろなことがありました。良いこともいっぱいあったし、悪いこともいっぱいありました。もうイヤだと思うときもあったけど、投げ出さずに今日を迎えられたのは、みんながいたからです。コンサートとかでみんなの嬉しそうな顔を見ると、頑張ってよかったなって毎回思います。今日はすごくみんなオシャレして来てくれて、嬉しいですね。付き合ってくれて、ありがとう。僕の誕生日を毎年お祝いしてくれる人が日本中に居ます。そういう愛すべき人たちに支えられて、今日の日を迎えられました。みんなのそういう想いが僕にとって最高の誕生日プレゼントです。ありがとうございます」──HYDE

客席によるスマホの光に加え、ステージ背後の壁一面にも満天の星が降り注ぐ。“争いの終わった世界へと”という一節に想いの全てを乗せてドラマティックな演奏が最高点に達し、HYDE自身の指揮が全てのサウンドを締めくくる。すると、沸き上がる拍手、大歓声、そしてスタンディングオベーション。カーテンコールに応えて、手を挙げたり、投げKISSするHYDEの表情が充実感に輝いている。

HYDEの表情豊かな美しい歌声と、オーケストラの壮大な演奏との相性の良さをたっぷりと堪能できた2時間半。何度も客席の声援に応えて、深々とお辞儀をしたHYDEが最後にこう語りかけた。「これからも一緒に、僕と歩んでください。よろしくお願いします。ありがとうございました!」。場内が明るくなっても、拍手と声援がしばらく止むことがなかった。

取材・文◎梶原靖夫 (BARKS)
撮影◎岡田貴之/田中和子

◆<HYDE ACOUSTIC CONCERT 2019 黒ミサ BIRTHDAY -TOKYO->1月24日(木)@幕張メッセ イベントホールSETLIST

01. JESUS CHRIST
02. A DROP OF COLOUR
03. EVERGREEN
04. SHALLOW SLEEP
05. DEPARTURES (Cover of globe)
06. ZIPANG (HYDE feat. YOSHIKI)
07. 叙情詩
08. LORELEY
09. In the Air
10. flower
11. Red Swan (YOSHIKI feat. HYDE)
12. VAMPIRE’S LOVE
13. HONEY
14. X X X
15. forbidden lover
16. 永遠
17. MEMORIES
18. 星空


■2019年第一弾シングル「ZIPANG」

2月6日リリース
【初回限定盤A】UICV-9298 2,800円(税抜)
CD+撮り下ろし12Pコンセプトブック (EPサイズ:7インチ四方)
【初回限定盤B】UICV-9299 2,000円(税抜)
CD+DVD (DVD収録内容:ZIPANG Music Video+MVドキュメンタリー)
【通常盤 (CD)】UICV-5078 1,200円(税抜)
▼CD収録曲 ※3形態共通
・ZIPANG
・ORDINARY WORLD (Duran Duranのカバー楽曲)

UNIVERSAL MUSIC STORE https://store.universal-music.co.jp/artist/hyde/
VAMPROSE STORE https://store.vamprose.com/hyde

■2019年第二弾シングル「MAD QUALIA」

3月20日リリース
【初回限定盤A (CD+撮り下ろしコンセプトブック)】
UICV-9304 2,800円+税
※コンセプトブック収録内容:12ページ・EPサイズ(7インチ四方)
【初回限定盤B (CD+DVD)】
UICV-9305 2,000円+税
※DVD収録内容:MAD QUALIA MV+MVドキュメンタリー
【デビル メイ クライ盤 (CD+DVD) ※初回限定】
UICV-9306 2,000円+税
※表紙:ゲーム描き下ろしオリジナル
※DVD収録内容:デビル メイ クライ 5とのコラボMV
【通常盤 CD】
UICV-5079 1,200+税
▼CD収録曲
1. MAD QUALIA
※CAPCOM「デビル メイ クライ 5」イメージソング
2. HONEY
※L’Arc-en-Cielの楽曲をHYDEバージョンとしてセルフカバー

※MONSTERS CHANCE:6月発売予定アルバムとの連動企画も
【CAPCOMスタイリッシュアクションゲーム『デビル メイ クライ 5』概要】
3月8日(金)発売予定▼通常版:Xbox One、PlayStation(R)4、PC ※ダウンロード版のみ販売
【パッケージ版】6,990円+税
【ダウンロード版】6,480円+税
▼デラックス エディション(ダウンロード版のみ販売)
Xbox One、PlayStation(R)4 7,400円+税
PC(Steam) 7,436円+税
http://www.capcom.co.jp/devil5/
(c)CAPCOM CO., LTD. 2019 ALL RIGHTS RESERVED.

関連リンク

BARKS

BARKSは2001年から15年以上にわたり旬の音楽情報を届けてきた日本最大級の音楽情報サイトです。