雨パレ、King Gnu、スペアザ出演 『
ROCK AX』2日目をレポート

『ROCK AX』の2日目の公演が1月23日(水)、東京・TOKYO DOME CITY HALLにて行われ、3組のミュージシャンが3時間近くに渡ってパフォーマンスを繰り広げ、集まった2500人のオーディエンスを沸かせた。この日出演したのは雨のパレードKing GnuSPECIAL OTHERSの3組。イベントのコンセプトである『今、目撃するべき本物のライブを、体験』をまさに具現化させた曲者ぞろいのラインナップ。
1組目は雨のパレード。4人編成のバンドではあるのだが、一般的なバンド・サウンドとは一線を画す。ボーカルの福永浩平がMCで「今日は一音一音、楽しんでいってね」と語ったように、彼らの出す"一音一音"が一瞬たりとも聴き逃がせない。
雨のパレード
雨のパレード
雨のパレード
雨のパレード
ロック、ポップ・ミュージック、R&B、ヒップ・ホップ、アンビエントにミニマルな現代音楽とあらゆるエッセンスを貪欲に取り込みながら独自に昇華させていく。そこにウィスパー・ボイスからソウルフル、ハイトーンへと変化自在のボーカルがたゆたうように被さる。それらが渾然となって一体化し降り注がれる静謐な音の洪水は神々しいまでの美しさを放つ。さらにサウンドとシンクロした照明がバンドの紡ぎ出す音に彩りを添え、ROCK AXの会場全体が雨のパレードの表現の場と化す。ただただ圧倒された濃厚な45分のステージであったが、彼らは、さらなる高みを見ている。
最後に「僕らは、もっとかっこよくなるんで、また来てね」と残しステージを降りた。なお、この日のライブを最後にベーシストの是永亮祐がバンドを脱退した。
雨のパレード

King Gnu
『ROCK AX』の『今、目撃するべき本物のライブ!』、続いては1月16日にメジャー・ファースト・アルバムをリリースしたばかりのKing Gnu。常田大希と井口理が畳み込むようにボーカルを重ねていく鮮やかなオープニング「Flash!!!」で幕を開けた。2曲目の「Tokyo Rendez-vous」で常田は拡声器マイクで煽るように歌う。60年代の学生運動かと見紛うばかりのアジテーションで客席を煽っていく。
King Gnu
King Gnu
King Gnu
King Gnu

ドラムとベースはヘヴィでタフなリズムを刻み、爆音のギターが重ねっていく。ひたすら「攻め」のサウンドではあるのだが、ここに東京藝大で声楽を学んだ井口の高音ボイスが載っかる。これが違和感なく溶け込んでいるのが従来のミクスチャー・バンドになかった彼らの独壇場。曲ごとにソウル/R&B、ファンク、ディスコ・ミュージックと様々なテイストを散りばめ、時には常田と井口が美しいハーモニーすら聴かせるが、骨太のリズム隊がずっしりと支え、会場を揺らし続けるさまは圧巻の一言。終始、轟音の積載で45分間を疾走した。
King Gnu

SPECIAL OTHERS
雨のパレード、King Gnuと若手バンドに続いて、第1回『ROCK AX』のトリを飾るのは結成20年超のジャム・バンド、SPECIAL OTHERS。ゆっくりと各自のポジションに着いた4人のメンバー、先ずは確かめるかのように自由に音を出し始める。やがて、それらがひとつに収束し、気がつけば1曲目の「I'LL BE BACK」に。この自然な流れが実にカッコいい。ベテラン・バンドならではの絶妙なコンビネーションだ。
SPECIAL OTHERS
SPECIAL OTHERS

SPECIAL OTHERS
SPECIAL OTHERS

続く「BEN」は15分を超える長尺のナンバー。彼らの編成はセミアコのギター、アップライト・ベース、ドラムにキーボード。この4つの楽器から出る音のみの演奏なのだが、そんな事は微塵も感じさせない多彩な音が次々と積み重ねられていく。当初、どう応じていいか、戸惑っていたオーディエンスも、いつの間にか彼らの出す音に身を委ねるように聴き入る。MCで「みんな帰るかと心配してたけど(笑)。残ってくれてありがとう!」と遠慮がちに話していた彼らだが、演奏力の高さと独特のグルーヴでグイグイと惹きつけていく。最後はオーディエンス全員を揺らした力量はさすがの貫禄。まさに『ROCK AX』の『今、目撃するべき本物のライブ!』を体験させてくれた。
SPECIAL OTHERS

SPECIAL OTHERSの演奏で2日間に渡って開かれた第1回『ROCK AX』は終了。この日の模様は、3月8日(金)25:59から日本テレビで、CS日テレプラスで3月31日(日)21:00より放送される。また『ROCK AX』Vol.2の開催が早くも決定。4月18日(木)と19日(金)の2日間、同じTOKYO DOME CITY HALLで開かれる。出演者やチケット詳細は公式HP、公式Twitterで随時更新されていくとのこと。

撮影=山内洋枝
ROCK AX

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