【インタビュー】ビリーバイオ、ハー
ドコアなグルーヴ・メタル「ピットに
火を放つような最高の作品だ」

バイオハザードのビリー・グラツィアデイ(Vo、G)がソロ・プロジェクトとしてビリーバイオを始動させた。ゼブラヘッドのダン・パーマー、スイサイダル・テンデンシーズのラ・ディアスをレコーディング・メンバーに迎えた、渾身のソロ・アルバムで、1980年代後半~1990年代のNYHCのサウンドを現代に蘇らせたヘヴィ・ミュージックを産み落としている。
1990年代のシーンを席巻していた全盛期のバイオハザードの手触りそのままに、バイオハザードやニューヨーク・ハードコア、グルーヴ・メタルが好きならば、ぜひとも聴くべき作品だ。
──バイオハザードではメタルやヒップホップなどさまざまな要素をミックスしていましたが、ソロ・デビュー作『フィード・ザ・ファイア』はハードコア色が強いように感じました。

ビリーバイオ:世界は最近ますますクレイジーになってるからね。俺は常に周りで起こっていることの鏡なんだ。感じていることを最も純粋な形で伝えるという点において、俺は最高のアーティストなんじゃないかな。世界は悪くなっているように思える。もちろん善や人間性というものは信じているし、善は広がっていくと俺は思っている。そうでないと世界はさらにめちゃくちゃになってしまうからね。だけど、俺がアーティストとしての表現をしてきたこの何十年間で、やはり世界は悪くなってしまった。偉大なる変化も起こってはいるけれど、これで満足なんてできないし、正しい方向への変化を起こし続けなくてはいけない。

──ラップの要素は減りましたか?

ビリーバイオ:俺はただ感じたことを表現するだけだ。「アントゥルース」や「ソダリティ」みたいな曲では、今までで最高のラップが書けたと思っている。フローの出来はとても誇りに思っている。パワーフローもやっていて、ラップのフレーバーはそれなりにあると思うよ。
──デス・バイ・ステレオ、ゼブラヘッドのダン・パーマー、スイサイダル・テンデンシーズのラ・ディアスらがアルバムに参加していますが、メンバーはどのように決めたのですか。

ビリーバイオ:ダンとは長い付き合いで、ラともずっと友人なんだ。もちろんスイサイダル・テンデンシーズも大好きだしね。シモは、Guttermouth/Ten Foot Poleなどのドラマーで、彼はハードコアなんだけど、The Bloody Beetrootsというイタリアのかなりビッグなバンドでも叩いている。みんな友人なんだよ。曲を書いてデモを作って、彼らに演奏をしてもらって、俺の音楽に彼らのフレーバーを付け加えてもらったのさ。

──バイオハザードは、ハードコアやメタル、ヒップホップを融合したことで知られていますが、あなたの音楽的バックグラウンドについて教えてください。
ビリーバイオ:6歳からピアノを弾くようになった。母が隣に座って歌を歌ってね。それから祖父や叔父がさらに色々な音楽を教えてくれて、クラシックなジャズのインプロビゼーションなんかをピアノでプレイするようになった。その後パンク・ロックに出会って全てが変わった。音楽的な完璧性を求めない表現というものがあることを知ったんだ。自分のフィーリング/メッセージをいかに表現するかというのが重視されるということさ。それが俺のアーティスト魂に火をつけたんだ。パンクやハードコアにはパワーがあった。メッセージがあるということが、俺にとってとても大きなインパクトだったんだ。そこからさらに進んでメタルなども聴くようになった。メッセージを持ちつつも、演奏が上手かったり、ミュージシャンとして才能があるなんていうやり方もあることを知った。バイオハザードを始めた頃は、俺はパンクやハードコアばかりを聴いていて、そういうバンドからの影響を持ち込んだのだけど、他のメンバーは、俺が知らなかった音楽を色々と教えてくれた。初期のジューダス・プリースト、アイアン・メイデンとか。当時クレイジーでワイルドなパンクの友人がいてね。そいつがある日、カセットテープをくれた。片方の面には、セプティック・デスかデイグロー・アボーションか何かが入ってたんだけど、反対の面にはペンタグラムが描いてあったんだ。スケボーをしながらそのテープを聴いていたら、A面が終わり自動的にB面が始まった。そしたらスーパーヘヴィなリフが始まって、「アーーーー」って高音スクリームが入ってきて、それが低音のグロウルに変わった。びっくりしてね、巻き戻しボタンを押して、もう一度聴いてみた。「一体何なんだこれは!」って。それがスレイヤーの『Reign in Blood』だったんだ。俺がメタルにハマるきっかけになったのは確実にスレイヤーだよ。

──あなたは現在ロサンジェルスにスタジオを持っていますが、ニューヨークからロスへと引っ越した理由は何だったのですか?

ビリーバイオ:ここもいいけどね、やっぱりニューヨークが恋しいな。来週ニューヨークに行くんだ。やっぱりニューヨークが俺のホームタウンだから、気候や人々の姿勢・食べ物…すべてのものが大好きなんだ。俺はブラジル人の女性と結婚したのだけど、彼女がニューヨークの寒さに耐えられなくてね。結婚して3年後、ブラジルに帰るかカリフォルニアに移住するかということになった。だからここに引っ越してきて、子供を授かってとても幸せにやっているよ。ハッピー・ワイフ、ハッピー・ライフ。俺もとてもハッピーさ。

──お気に入りのアルバム3枚を、ハードコア、メタルそれぞれで教えてください。
ビリーバイオ:先ずは、アグノスティック・フロントの『Victim in Pain』。マイナー・スレットの『Out of Step』、クロ・マグスの『The Age of Quarrel』。いや、待てよ。やっぱりバッド・ブレインズの『Rock for Light』。4枚になっちゃうけど、決められないからこれで。メタルだと、ブラック・サバスのファースト。メイデンの『The Number of the Beast』。エクストリーム・メタルじゃなくてもいいんだろ?レッド・ツェッペリンの『IV』。これは親父のコレクションでレコードプレーヤーの上に置きっぱなしになってたんだ。たまたま聴いてね、面白いと思ったのだけど、ミュージシャンとして彼らがいかに素晴らしいかは、後々まで気づかなかった。バイオハザードのドラマー、ダニーがジョン・ボーナムの大ファンでさ。キッスの『Alive』もいいね。

──バイオハザードの特長のひとつであったグルーヴは、どのあたりから来ているのですか。

ビリーバイオ:おそらくツェッペリンやブラック・サバス、それからバッド・ブレインズからも来ていると思う。ヒップホップのグルーヴもあるとは思うけど。ダニーはバックビートのドラマーだから、テンポを半分に落とすことによって生まれるダイナミックな変化のグルーヴは最高なんだ。ビリーバイオでも、この手法は使い続けているよ。人生というのは常に一定のテンポで進むものではないだろ?速くなったり遅くなったりアップダウンもある。そういうダイナミクスは、俺の音楽の重要な一部なのさ。

──では最後に日本のファンへのメッセージをお願いします。

ビリーバイオ:日本にはずっと行けてないんだけど、このアルバムが出て、また日本でもライヴをやりたいね。バイオハザードの曲もやるけど、新曲もピットに火を放つような最高の作品だ。まさにジムに行く前に聴くような音楽で、ヨガ用じゃない。警告はしたぜ。
取材・文:川嶋未来
写真:Melissa Castro

ビリーバイオ『フィード・ザ・ファイア

2019年1月11日 発売
【CD】 GQCS-90678 / 4562387208500 /¥2,300+税
※日本盤限定ボーナストラック収録/日本語解説書封入/歌詞対訳付き
1.フリーダムズ・ネヴァー・フリー
2.フィード・ザ・ファイア
3.ノー・アポロジーズ、ノー・リグレッツ
4.ジェネレイション Z
5.シック・アンド・タイアード
6.レメディ
7.ソダリティ
8.ライズ・アンド・スレイ
9.STFU
10.トレピデイション
11.アントゥルース
12.エネミー
13.ディスアフェクテッド・ワールド
日本盤限定ボーナストラック
14.フリーダムズ・ネヴァー・フリー(デモ)
15.フィード・ザ・ファイア(デモ)
16.ゲット・アップ、スタンド・アップ(ボブ・マーリー カヴァー)

【メンバー】
ビリー・グラツィアデイ(ヴォーカル、ギター)
ダン・パーマー(アディショナル・リード・ギター/ゼブラヘッド)
ラ・ディアス(ベース/スイサイダル・テンデンシーズ)
シモ・ペリニ(ドラムス)

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