2018年12月27日 at 代官山UNIT

2018年12月27日 at 代官山UNIT

【SION ライヴレポート】
『SIONアコースティックツアー2018
~SION+Sakana Hosomi&
Kazuhiko Fujii~』
2018年12月27日 at 代官山UNIT

2018年12月27日 at 代官山UNIT
2018年12月27日 at 代官山UNIT
2018年12月27日 at 代官山UNIT
2018年12月27日 at 代官山UNIT
2018年12月27日 at 代官山UNIT
 SION & THE MOGAMIのメンバーでもある藤井一彦(Gu)、細海魚(Key)と3人で名古屋、大阪、福岡と回ってきた毎年恒例のアコースティックツアーが12月27日、東京・代官山UNITでファイナルを迎えた。「クロージングタイム」「俺の声」といった30余年の長きにわたって愛され続けている代表曲はもちろん、SIONのライヴには欠かせない「Hallelujah」といったアンセムから、宅録アルバムでしか発表していない曲まで全26曲を、アコースティックギターの弾き語りも3曲交え、2時間ほぼMCなしで熱唱。例年以上に気迫に満ちた歌声は、SIONの中で新たな闘志が燃え始めたことを思わせたのだった。

 もはやSIONと彼のファンの冬の風物詩と言ってもいい毎年恒例のアコースティックツアー。これに足を運んで、「12月」を一緒に歌わなきゃ一年が終わらないというファンも少なくない。しかし、毎年恒例だからって、毎年同じなわけじゃない。“来てくれてありがとう”とSIONがピースサインを掲げ、細海のピアノがラグタイム風に跳ねた「午前3時の街角で」で始まった今年は、このツアーのために各曲に加えられたアレンジの妙も聴きどころだった。

 中でも印象的だったのが、ソウル風の「jabujabu」、ブギウギピアノを加えた「気力をぶっかけろ」、フォークロック調の「彼女少々疲れぎみ」、藤井がルースなリフを閃かせたロックンロールの「粟野川」。その「粟野川」他でSIONは“小学校以来”と照れ笑いしたタンバリンも鳴らした。アコースティックツアーだからって、単純に楽器をアコースティックに持ち替えただけじゃない。滋味あふれる演奏はSIONをバックアップする藤井、細海の豊かな素養、技量によるところも大きい。

 そして、SIONは例年以上に気迫に満ちた歌を披露。それが無性に嬉しかった。とても晴れやかな気持ちになった。圧巻は魂の悲鳴にも聴こえた「痩せ我慢ピエロ」。アドリブだった「赤鼻のトナカイ」も含め、たっぷり8曲も歌ったアンコールを締め括ったのは、「笑っていくぜ」。足を踏み鳴らし、タンバリンを鳴らしながら《笑っていくぜ 堂々と行くぜ 俺たちはこれからさ》とSIONが歌うリフレインに観客が大きな声を重ねた。58歳のベテランは、さらなる闘志を燃やし始めた。

撮影 : 麻生とおる/取材:山口智男


セットリスト

  1. 1. 午前3時の街角で
  2. 2. これ以上どうしろっていうんだ
  3. 3. jabujabu
  4. 4. お前がいる
  5. 5. 気力をぶっかけろ
  6. 6. しばらく月を見てなかった
  7. 7. 痩せ我慢ピエロ
  8. 8. がんばれがんばれ
  9. 9. 彼女少々疲れぎみ
  10. 10. 休みたい
  11. 11. 洒落た日々から遠く離れて
  12. 12. ウィスキーを1杯
  13. 13. クロージングタイム
  14. 14. お前の空まで曇らせてたまるか
  15. 15. 粟野川
  16. 16. 春よ
  17. 17. だからこんな俺が嫌いだ
  18. 18. 胸を張れ
  19. <ENCORE1>
  20. 1. 風邪(弾き語り)
  21. 2. 赤鼻のトナカイ(弾き語り)
  22. 3. 12月(弾き語り)
  23. 4. 夢の世界
  24. 5. 俺の声
  25. 6. Hallelujah
  26. <ENCORE2>
  27. 1. 今さらヒーローになれやしないが
  28. 2. 笑っていくぜ
SION プロフィール

シオン:1960年生まれ、山口県出身。85年に自主制作アルバム『新宿の片隅で』で衝撃的にデビューし、86年には『SION』でメジャーデビューを果たす。その独特な歌声、ビジュアル、そして聴き手の心に深く刺さる楽曲の数々は、日本のミュージックシーンにおいて唯一無二の存在。多くのアーティストから敬愛されるミュージシャンズ・ミュージシャンであり、SIONをリスペクトしているミュージシャン、俳優、タレントには枚挙にいとまがない。長年培った充実したライヴパフォーマンスには定評があり、年齢、性別を越えた幅広いファンに支持されている。SION オフィシャルTwitter

OKMusic編集部

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