[ALEXANDROS]で大合唱、FM802春の
キャンペーンソング「栞」を豪華コラ
ボで熱演を果たした『FM802 RADIO C
RAZY 2018』レポート

『FM802RADIO CRAZY2018』2018.12.28.29 インテックス大阪
大阪のラジオ局FM802が主催する関西最大級のロックフェス『FM802 RADIO CRAZY2018』が12月27日、28日にインテックス大阪にて開催。今年で10回目を迎えるとだけあって、新進気鋭の若手バンドからFM802と関わりの深いレジェンドまで、豪華アーティストが集結し、大にぎわいの“ロック大忘年会”となった。二日間にわたって総勢70組以上のアーティストが繰り広げたライブ模様を、ダイジェストでレポートしよう。2日目のレポートはこちら
会場には「LIVE HOUSE Antenna」「L-STAGE」「R-STAGE」「Z-STAGE」の4つのライブステージに加え、関西屈指の名店や番組とのコラボメニューが楽しめる飲食ブース「はちまるに横丁」、おみくじや書き初めならぬ“書き納め”ができる「音波神社」、ユニークな縁日が並ぶ「寄って亭!」など、楽しく休憩できるスペースも充実。
今年は若干のレイアウト変更が加えられ、より快適に過ごせるように工夫されていた。雪が降るほどの寒さとなっただけに、屋内の休憩スペースや、こたつで温まれるエリアの充実は嬉しい限り。全ては、音楽を万全の状態で楽しむための心遣いのように思う。
◆R-STAGEには『MUSIC FREAKS』でDJを務めるあいみょん、藤原聡(Official髭男dism)が登場◆
R-STAGEで1日目のトップバッターを飾ったのは、Hump Back。「10代の自分へ!24歳の自分は今、RADIO CRAZYのステージに立っています!」と気合十分に、2018年6月にヘビーローテーションとなった「拝啓、少年よ」を歌いだす林萌々子(vo&g)。
Hump Back
前半はパワフルなナンバーで駆け抜け、後半は「悲しみのそばに」などしっとりとキュートながら芯のある歌声を響かせていく。「ラジオも音楽も最速で人を助けにいけるものでありますように!」(林)と叫び、届けた「星丘公園」にグっときたラスト。音楽への愛に満ちた熱い幕開けとなった。
Official髭男dism
続いて、R-STAGEに登場したのは、10月から藤原聡(Vo&Key)が『MUSIC FREAKS』のDJを務め、「Stand By You」が2018年のヘビーローテーションとなるなど、2018年は、FM802となにかと縁のあったOfficial髭男dism。ラブソング「115万キロのフィルム」からスタート。
Official髭男dism
さらに、ファンキーなナンバー「FIRE GROUND」で小笹大輔(Gt)のソリッドなギターに絡みつくリズム隊。思わず腰から踊らされる。「なにげに初出演でした!こんなに楽しいなんて知らんかったー!!」と、最高の笑顔で、1年間の感謝の想いを伝える藤原。最後は「Stand By You」で締めくくり、R-STAGEをヒゲダン流の色彩豊かなPOPSで染め上げた。
あいみょん
藤原と同じく、『MUSIC FREAKS』のDJを務めている、あいみょんもR-STAGEに登場。バンド編成での出演となり、関西では初とのこと。「初めてがレディクレでよかった」と喜びをあらわに、バンドならではの迫力の増したライブを展開。端から端まで見渡し、観客の顔をひとりひとり確かめるように歌う姿が印象的だった。
あいみょん
「2018年はいろいろなことがあった」と振り返り、「この曲で出会ってくれた人もたくさんいると思うので、歌ってありうがとうと言いたい」と、最後は「マリーゴールド」で締めくくった。
R-STAGEで貫禄のステージをみせたのは、奥田民生。12thアルバム『サボテンミュージアム』のレコーディングメンバー・MTR&Y(小原礼・湊雅史・斎藤有太)という最強の布陣を率いて登場。いきなり名曲「イージュー★ライダー」のイントロで大歓声に包まれ、最初のサビからいきなり大合唱に!
奥田民生
そこから、重心の低いグルーブとシャウトが炸裂する「ギブミークッキー」への流れは鳥肌もの。最後はお酒片手に、「さすらい」でしめるという最強のセットリストで、集まったすべての人を虜に。
奥田民生からのフジファブリックという流れにグっとくるものを感じながら開演を待つ。「若者のすべて」など初期の名曲のメロディに涙腺が緩む冒頭。各パートの痺れるソロを披露した「電光石化」のあと、「来年はデビュー15周年です」と山内総一郎(Vo/Gt)。
フジファブリック
「2019年は電光石火のごとく、全力で突っ走ります!」と宣言し、来年10月に予定されている大阪城ホールのワンマンライブへ向けて意欲を見せる。続いて、1月発売のニューアルバム『F』から、新たなステージへの予感を感じさせる新曲「東京」も披露!
◆LIVE HOUSE AntennaにRei、10年間、皆勤賞のOKAMOTO’ S、FM802 弾き語り部の課外活動も◆
Rei
今年もライブハウスからシーンを席巻する若手が集結した「LIVE HOUSE Antenna」。中でも圧巻のステージを見せたのはRei。自己紹介がてらの「My Name is Rei」に、「COCOA」など卓越したギターと日本語交じりの英語詞で会場を圧倒する。今度はゲストを招きたいと、OKAMOTO’ S のオカモトショウ(Vo)が呼び込まれコラボ!
Rei
なかなかゲスト出演する機会がない中で、Reiとセッションできることが嬉しいと語っていたショウ。「Walk This Way」「BLACK BANANA」を誰よりも楽しそうに歌い上げ、会場の熱気を上昇させていった。
Reiのステージからしばらくして、10年間、皆勤賞のOKAMOTO’ Sが登場。オカモトショウ(Vo)が「今年も来たぜー!レディオクレイジー!」と挨拶し、2009年の「レディオクレイジー」初開催時に、最初のステージを任された時と同じ、L-STAGEで観客を心から躍らせるライブを展開。オカモトコウキ(Gt)、オカモトレイジ(Dr)、ハマ・オカモト(Ba)がゴリゴリのサウンドを鳴り響かせ、フロアを波うたせる。OKAMOTO’ Sも来年、デビュー10周年。新曲も披露されたほか、来年6月に控える初の武道館公演への意欲に満ち満ちたアグレッシブなライブをみせた。
皆勤賞といえば、この男も。MONOEYESとして出演した、細美武士だ。なんとバンドのステージを終えた直後には、音波神社 境内ステージに参上。大抜卓人の番組「TACTY IN THE MORNING」のコーナー「月刊・細美武士」の延長である公開収録として、この10年を振り返るほか、細美がボーカルを務めるバンド、MONOEYES、the HIATUSELLEGARDENの違いについてインタビュー。
MONOEYES
最後には弾き語りも披露して、涙を誘う場面も……。濃厚なインタビューの模様は、後日番組でOAされるのでチェックしてみよう。
FM802 弾き語り部
境内ステージでは、今年も「FM802 弾き語り部」の課外活動を実施。部長を務めるLAMP IN TERREN松本大のほか、昨年に引き続きRei、そしてビッケブランカが弾き語りを披露。
FM802 弾き語り部
いつものステージとは一味違う、温かみの帯びたライブで観客との距離を縮めていった。最後には、3人によるコラボも!来年1月24日には、大阪・BIGCATにて『新春発表会』の開催が決まっており、松本大に加え、山内総一郎(フジファブリック)と渡辺大知が出演する。バンドとはまた違った、音楽の楽しみ方を味わえる機会を見逃さないでほしい。
FM802 弾き語り部
◆今年の漢字に「映」「悔」「繋」「栞」、ビッケブランカ、SCANDALのHARUNA、Radio Bestsellersも登場◆
FM802 今年の漢字
FM802ならではのコラボといえば、L-STAGEで実施された「FM802 今年の漢字」。DJがそれぞれ考えた今年の漢字1文字にちなんだ楽曲をアーティストが披露するというもの。まずは、DJ大抜卓人が選んだ「映」。今年は、音楽映画の豊作年ということもあり、この漢字を選んだそう。数ある映画の中で、大抜が一番だと思った映画『ボヘミアン・ラプソディー』から、Queenの「Killer Queen」をビッケブランカが披露。
FM802 今年の漢字
続いて、DJ中島ヒロトが選んだ「悔」。今年は災害などが多く音楽イベントも被害を受け中止をよぎなくされた。この悔しさをバネに、来年はもっとハッピーにとの思いをこめて、「夜空ノムコウ」をBLUE ENCOUNTの田邊駿一とKEYTALKの寺中友将が熱唱。
FM802 今年の漢字
さらに、DJ仁井聡子の「繋」にちなんで、このために駆けつけたSCANDALのHARUNAがJUDY AND MARYの「RADIO」が歌い、観客と音楽で気持ちを繋いだ。
FM802 今年の漢字
最後は、DJ落合健太郎が「栞」を。今年のFM802春のキャンペーンソングとして製作された楽曲のタイトルだ。何度もラジオで聴いてきた楽曲なだけに、観客も大歓喜。ステージには、この曲に参加しているあいみょん、尾崎世界観(クリープハイプ)、片岡健太(sumika)、斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)、スガ シカオ が登場。インフルエンザのため出演がキャンセルとなったGEN(04 Limited Sazabys)の想いを背負ってか、斎藤が04 Limited SazabysのTシャツを着ているところにもグッときた……。FM802とリスナーが育んできた思い出深い楽曲を、豪華な顔ぶれが生で歌う。そんな、ここでしか見れないステージに興奮を隠せなかった。
UNISON SQUARE GARDEN
そんな「栞」にも参加している、UNISON SQUARE GARDENは、最大のキャパとなるZ-STAGEに出演。「春が来てぼくら」でライブをスタートさせると、のっけからトップギアで怒涛のステージングで観客を飲み込んでいく。ほとんどMCなし、息つく暇もないノンストップなライブにフロアが揺れっぱなし。
UNISON SQUARE GARDEN
「天国と地獄」、「Catch up,latency」で会場のテンションをぶち上げると、ラストの「シュガーソングとビターステップ」へ。イントロのギターが鳴った瞬間から大歓声が巻き起こり、観客にとってアンセムとも言えるナンバーで盛大に締めくくった。
直後には、「2018年、大阪では今日が歌い納めです!」と、Z-STAGEに登場したのは、6年連続の出演となったSHISHAMO。前半は「ねぇ、」「水色の日々」など最新アルバム「SHISHAMO5」からのナンバーを中心に、甘酸っぱいサウンドを届けた3人。松岡 彩(Ba)がSHISHAMOライブ初心者に向けてタオルのまわし方を伝授した「タオル」からは、フェスモードに。
SHISHAMO
いつものキュートなアニメーションもレディクレ仕様になっているのがうれしい。「君と夏フェス」では、より力強くなったロックスピリット溢れる演奏に驚かされる。「明日も」では、モニターに手書きの歌詞がうつしだされ、ファンも一緒に大合唱!
◆現在進行形のSuchmos、大阪のために作った曲「栞」クリープハイプ、初日Z-STAGEのトリに[ALEXANDROS]◆
Suchmos
さらに、Suchmosは今年、「2018 FIFA ワールドカップ」を盛り上げた「VOLT-AGE」でZ-STAGEのライブをスタート。YONCE(Vo)が軽やかにステージ端までハンドマイクで煽りながら、強靭かつアバンギャルドなセッションを繰り広げ、どこまでもディープな世界へとオーディエンスを誘っていく。
Suchmos
「1曲聴いてもらっていいかな?」とリラックスした空気感の中、新曲も披露。ベースリフにラテン調のアコースティックギターが心地よく、後半スリリングな展開に自由に音に身をゆだねるオーディエンス。現在進行形のSuchmosの音楽を余すところなく伝えてくれた。
L-STAGEで、FM802への思いが溢れるスタートをきったのは10-FEET。FM802の番組名と担当DJ名前を口にし、最後「802!OCHIKEN Goes ON!!」とTAKUMA(Vo/Gt)が叫び、「goes on」からライブがスタートすると、待ってましたとばかりに、暴れたりないロックキッズたちが前方で渦を巻く。歌のみでスタートした「蜃気楼」で、TAKUMAの言葉が優しく心に寄り添ってくる。後半、「短めの曲ならいけるわ!」と3人で顔を見合わせ、即興で「SHOES」をセトリに急遽さしこむ場面も。そんなライブバンドたるカッコ良さとサービス精神がますますキッズたちを虜にする。最強セトリで完全燃焼した圧巻のステージだった。
クリープハイプ
「最近白髪が増えてきて……。もう全部白髪になるまでで続けたいと思います。こればっかりは、“夏のせい”じゃなくて、“802のおかげ”です」と、尾崎世界観(Vo/Gt)が感謝いっぱいのMCを披露していたクリープハイプ。前半の攻め立てるようなライブから一転、後半は温かみのある展開に。「大事なタイミングにおかしなやつにキャンペーンソンングを任せてくれるなんて、ロックなラジオ局だなと。大阪のために作った曲は、大阪において帰ります。さっきもやったけど、今回は一人だから10倍にして歌うので聴いてください」と、「栞」を披露。Z-STAGEに詰め掛けた観客に、感謝を伝えるような真摯なライブだった。
そんなZ-STAGEのトリを飾るのは、[ALEXANDROS]。大歓声に迎えられ、「LAST MINUTE」でライブをスタート。すぐさま今度は、「ワタリドリ」で観客を高く高くジャンプする早くも最高潮に。「Starrrrrrr」では大合唱が巻き起こるなど、観客と共にライブを作り上げていく。川上洋平(Vo/Gt)がMCでイベントへの想いを語ると、続けてニューヨークに渡っての楽曲制作について現地での心境を語った。日本でなら、誰もがしる[ALEXANDROS]だが、海外では誰も知らない、何者でもない自分たちに悔しさを覚えたそう。その悔しさをバネに、楽曲を制作、そして改めて「自分たちはやっぱり世界一のバンドだなと再認識しました」と。自信を得た彼らのライブは、何があっても揺らがない強固な結束力とエネルギーに満ち溢れていた。また、「ライブにはそれぞれの楽しみ方があるから。誰かと一緒のことはしなくていい。やりたいことをやって、自信を持って自分の道を歩んでほしい。そうすればもっともっと高らかに笑える未来を迎えられると思うから」と、胸に突き刺さるメッセージも。観客の背中を押すようなステージを終え、アンコールでは「アルペジオ」も披露。アカペラで観客とシンガロングを成功させた。初日のラストにふさわしい、特別な時間と体験を観客と築いてステージを後にした。
と、1日目から凄まじいライブが数々繰り広げられた『FM802 ROCK FESTIVALRADIO CRAZY2018』。2日目もラジオ局主催のイベントならではの展開が続々! どのようにして、今年のロック納めが成されたのか。ぜひ見届けてほしい。
2日目のレポートはこちら
取材・文=大西健斗、岡田あさみ、後藤愛 撮影=井上嘉和、田浦ボン、日吉“JP”純平、森好弘、渡邉一生、Peta

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