70sアメリカンロックの
進むべき道を示したザ・バーズの
『タイトルのないアルバム』
人気グループの仲間入りと
メンバー間の不和
4枚目の『昨日よりも若く(原題:Younger Than Yesterday)』(‘67)と5枚目の『名うてのバード兄弟(原題:The Notorious Byrd Brothers)』(’68)では、テープの逆回転やジェットマシーンを導入するなど、ビートルズの影響も取り込んだ最新のロックを披露しつつ、一般的には古臭い音楽だと考えられていたカントリーやブルーグラスなどに接近しているところに、当時の西海岸ロッカーたちの雑食性がしっかりと浮かび出ている。こういうところにフォークリバイバルの思想が生き残っているのだ。
しかし、『名うてのバード兄弟』の録音の途中で、デヴィッド・クロスビーとマイケル・クラークが脱退してしまい、グループは空中分解しそうになるのだが、グループに新たなメンバーとしてグラム・パーソンズを加えることで、バーズの音楽はロックグループからカントリーロックグループへと、大きな転換期を迎えることになる。