「臼井孝のヒット曲探検隊
~アーティスト別 ベストヒット20」
総合的なヒット分析で
松任谷由実の真の名曲を探る

様々な形でLIVEを展開、
シングルだけでは語れない存在に

なお、ユーミンは特色のあるLIVEを果敢に取り組むことでも有名。まだツアーという言葉が一般化していなかった76年から全国縦断コンサートを毎年のように敢行し、78年から04年までは夏の逗子マリーナ、81年から現在に至るまで冬の苗場プリンスホテルにて、リゾート地でのLIVEを行なうなど、これもライフスタイルに沿った音楽フェスが隆盛する30年以上前から始めていたことに驚く。

さらに99年、03年、07年には、サーカスやアーティスティックスイミング、フィギュアスケートとリンクした奇想天外なコンサートショー『シャングリラ』シリーズ、12年、14年、17年には、演劇と音楽が交差した舞台『ユーミン×帝劇』シリーズと、その可能性はとどまることを知らない。この点も彼女がレコードやCDのセールスだけでは測れない凄さだろう。だからこそ、この総合的なヒット分析で真の名曲を探ってみたい。

ユーミン × 帝劇Vol.3『朝陽の中で微笑んで』予告篇

※同点の場合は、3部門のバランスから上位を決定した。赤い網掛けはアルバム収録曲、青い網掛けはシングルのカップリング、黄色い網掛けは提供曲のセルフカバー。
※なお、配信順位は今回に限り、日本レコード協会のヒット認定数字を基本としつつ、オリコンでの2018年10月~12月のダウンロード数、さらに同期間のレコチョクでのダウンロード順位や、それ以前から「(みんなの)春よ、来い」や着うた「卒業写真」のダウンロード数が高かったことを考慮して独自にランキングを作成した。

シングルCD(またはレコード)、配信、カラオケの3部門を総合すると、1位は93年の「真夏の夜の夢」、2位は94年の「春よ、来い」、そして3位も94年の「Hello,my friend」と、上位3作はミリオンヒットシングルが並んだ。しかし、これら3曲は単にシングルがヒットしたのではなく、配信やカラオケでも人気がある。もし、ユーミンがタイアップの威力にかまけて、各ドラマともリンクせず、共感を呼ばないような内容だったなら、ここまで多面的にヒットしなかっただろう。つまり、ユーミンは大ヒットが望まれるドラマにて大ヒットして然るべき名曲を提供したということだ。以下、3曲をざっくりと説明してみたい。

OKMusic編集部

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