Rootscoaster Vol.166 / 荒田洸 初の
ソロ作をリリースしたWONK・荒田洸。
彼の人生に大きな影響を与えた楽曲、
そして今作の制作の引き金となった一
曲とは

“エクスペリメンタル・ソウル・バンド”を標榜する4人組バンド、WONKのドラマー/ビートメイカーにしてリーダーの荒田洸が12月12日(水)に初のソロ作『Persona.』をリリースした。

その音楽性や作品、ライブのクオリティの高さから、コアな音楽リスナーの耳目を引くのと同時に、ファッション面からの注目も浴びるWONK。さらには自主レーベルを設立し、同世代のアーティストをフックアップするなど、国内シーンにおいて独自の立ち位置を築いている。

そんなWONKの中心人物である荒田洸によるソロ作は、ゴリゴリのビートものになるかと思いきや、スウィート&メロウなソウル〜R&Bな作品に。初の披露だという本人のボーカルは、シルキーな質感も相まり柔和な印象を与える。ジャズやヒップホップを根底に感じさせつつも、温かみのある音使いやシンプルな楽曲構成は、どこかインディ・ロック文脈との接続点も見い出せそうだ。

今回はそんな荒田洸がRootscoasterに登場。自身の人生において重要な楽曲や、今作『Persona.』を作るきっかけとなった一曲まで、実に興味深い内容となっている。

Text By Takazumi Hosaka
1. Slum Village / The Look of Love, Pt.1
この曲をプロデュースしたJ Dillaは僕にとって音楽を作ろうと思ったきっかけの人です。僕らのバンド、WONKの出発点でもあります。彼の作り出す音の質感、グルーヴ、上ネタの心地よさとその荒さその全てに影響を受けて音楽を作りたいと思いました。今聴いても全く古く感じないし、聴くたびに新たな発見と感動を得ることができます。


2. D’angelo / Playa Playa
No.1で取り上げたJ Dillaもプロデューサーのひとりとして参加した作品『Voodoo』のこの曲を初めて聴いた時の衝撃は今でも忘れません。QuestloveやErykah badu、Roy HargrooveやCommonといった圧倒的なプロデューサー陣を従えた作品作りの体系は、将来僕自身も一枚の作品を作る時にやってみたいことのひとつです。日本で尊敬する音楽の仲間たちと集まってひとつの作品を作ることは、音楽人生の目標のひとつです。


3. Chet Baker / That Old Feeling
古い作品ですが、僕にとって歌を歌う作品をリリースしたいと思うきっかけになったアーティストです。一般的に言われるようなな歌の上手さはないですが、人に圧倒的な感動を与えることのできる声質と哀愁漂うようで心地よい彼の歌い方を聴いて自分もこんな風に歌ってみたいなぁと思いました。それが自分の作品『Persona.』を作る一番最初のきっかけになりました。


Message
音楽を作ろうと思ったきっかけから自分の作品で歌を歌いたいと思ったきっかけ、そしてこの先やりたいことの指標となった作品と自分の音楽人生において大きく影響を受けた3曲を選びました。僕らのWONKというバンドや、僕自身の作品を聴く際に、こーゆー影響があるんだなぁとなんとなく感じながら聴くのも新たな発見があっておもしろいんじゃないかなと思います! まだまだ音楽的に大きな影響を受けた作品はたくさんあるのですが、今回はこのくらいに!!
Profile

荒田洸 Hikaru Arata

2016年の『Sphere』リリースから日本のみならず海外でも注目を集め続けているエクスペリメンタル・ソウル・バンド、WONKのリーダー/ドラマー/ビートメーカー。WONKの他、現行の国内ヒップホップ・シーンを牽引するラッパー、唾奇やISSUGI、IOらのバンド・サウンドをプロデュースするバンド・マスターとしても活躍している。2018年12月12日(水)にリリースした初のソロ作『Persona.』では、自身初となるボーカルにも挑戦し、スウィートで深みのある歌声で現行の国内R&Bの一歩先をいくチルなアンビエントR&Bを展開している。

■荒田洸: アーティスト・ページ(http://www.epistroph.tokyo/hikaru-arata/) / Twitter(https://twitter.com/arata_pxr) / Instagram(https://www.instagram.com/hikaru_pxr/)


【リリース情報】

荒田洸 『Persona.』

Label:EPISTROPH
Cat.No.:EPST-015
Price:¥1,500 + Tax
Tracklist:
01. Silent Heart
02. Apartment
03. Hypnotic Mess
04. Flood & Edge
05. Moon River

■ epistroph オフィシャル・サイト(http://www.epistroph.tokyo/)

Spincoaster

『心が震える音楽との出逢いを』独自に厳選した国内外の新鋭MUSICを紹介。音楽ニュース、ここでしか読めないミュージシャンの音楽的ルーツやインタビュー、イベントのレポートも掲載。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着