堤真一とA.B.C-Zの橋本良亮が、3
5人のオーケストラを従えて“自由”
を主張する 舞台『良い子はみんなご
褒美がもらえる』 

2019年4月20日(土)~5月7日(水)東京・TBS赤坂ACTシアター、5月11日(土)~5月12日(日)大阪・フェスティバルホールにて、トム・ストッパード作『良い子はみんなご褒美がもらえる』が上演されることが決定した。
本作の原題である、「Every Good Boy Deserves Favour」は、五線譜を覚えるための英語の語呂合わせのことだ。つまり私達日本人で例えると、ルート2を「ひとよひとよにひとみごろ」などと覚えるような言葉である。語呂合わせの文章とは……その意味を問いかけても「とにかくそういうものだから、覚えれば良い」と言われただろう。そして、確かにその語呂合わせは他人との共通の正解を共有することも可能にする。しかし、一個人の思いや考え、好きなもの、嫌いなものまで、この語呂合わせのように正解を求められたら、どうなってしまうのだろうか?
本公演は、舞台『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』『アルカディア』、映画「恋に落ちたシェイクスピア」等で、日本でも多くのファンを持つ英国劇作家の巨匠トム・ストッパードが、俳優とオーケストラの為に書き下ろした異色作だ。彼の作品の特徴でもある言葉遊びと明瞭なユーモアと哲学的観念がふんだんに盛り込まれ、オーケストラがBGMや歌の伴奏を演奏する影の存在ではなく、劇中に登場するというかなり斬新な作品である。
そんな異色作に挑むのは、硬派な役からユーモアたっぷりな個性的な役まで演じ分け、舞台だけでなく映画・テレビと幅広い活躍を続ける堤真一。メインボーカルとしてA.B.C-Zでの音楽活動の一方で、『コインロッカーベイビーズ』等の演技で魅せる俳優としての表現力に注目が集まる橋本良亮の二人が主演を務め、演出には英国ロイヤルバレエを中心に世界的に活躍、2014年R.オリヴィエ賞受賞のウィル・タケットが務める。言葉と音と身体のもつ表現を最大限に引き出し、ストッパードの異色作の決定版を創作する。
物語は、独裁国家の精神病院の一室。誹謗罪でつかまった政治犯の男(堤真一)と、自分はオーケストラを連れていると主張する妄想に囚われた男(橋本良亮)が精神病院で同室となる。想像することの自由(橋本良亮)と言論の自由(堤真一)を主張する二人を通して、「自由な世界」が故に他人と異なることへの「不自由さ」を感じる現代社会に、ストッパードがアイロニー(皮肉)を贈る。
出演:堤真一 コメント
トム・ストッパードの作品は2年前の『アルカディア』に続いて2度目となります。今回はストッパードならではの知的な台詞に加えてオーケストラが奏でる音楽とともに表現していきます。僕にとってもオーケストラと一緒に芝居をするのは初めての挑戦となります。
「アレクサンドル」は政治犯にも関わらず精神病院に収監されてしまいます。「社会の常識」から外れているとレッテルを貼られてしまった男がどのように自由を手にするのか、ストッパードが皮肉も込めてつくったこの作品をぜひ堪能してもらえたら嬉しいです。
出演:橋本良亮(A.B.C-Z)コメント
35人のオーケストラと舞台上で同じ空間に存在するというのがどんな感じになるのか、まだ想像があまりつかないですが、凄い事だなって思うし、嬉しい気持ちと緊張感が非常にあります。舞台でオーケストラというと、どうしてもオーケストラピットでの演奏や伴奏をイメージしますが、この戯曲はそうではなく、芝居に参加している感じ。要するに役者とオーケストラのメンバーのみんなが主役なんだと思います。
僕が演じるのは、堤さんが演じる「アレクサンドル」と同じ精神病棟に収容され、自分の目の前に常にオーケストラが存在し、演奏していると妄想する「イワノフ」という役で、とても起伏の激しい役柄です。
今回、大先輩である堤真一さんとご一緒できることは非常に光栄で楽しみで仕方ありません。難しい題材ではありますが、堤さんの胸を借りて良い芝居が出来るように、自分を信じて頑張りたいと思います。ぜひ多くの皆さんに劇場でこの舞台をお楽しみいただきたいと思います。
演出:ウィル・タケット コメント
今は『Every Good Boy Deserves Favour』を上演するのにパーフェクトな時ではないかと思います。
われわれが信頼を置くべき当局が、ますますわれわれが真実ではないと分かっていることを受け入れ、信じろと言い、権力者とわれわれの間の関係はますます張り詰めたものになっています。
今日の政治状況は、この芝居が書かれた1970年代の状況とは非常に異なるものかもしれませんが、われわれと真実との間の関係、われわれ個人としての自由、自由であるという感覚は、これまでになく複雑になってきています。
ストッパードの辛辣なウィットと、プレヴィンの親しみやすいが曲想的には難解な音楽の組み合わせが複雑な雰囲気を醸し出し、演劇構造の中で音楽とテキストが同じ重みをもって絡み合っています。
本作の設定は架空の、典型的な絶対主義国家ですが、自由のためにわれわれは何を放棄する心の準備があるのかについて、場所と時間の間を揺れさまよいながらじっくりと考えることができます。

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