高岩遼、〈TOKYO RECORDINGS〉のYaf
fleとの「The Christmas Song」カバ
ー音源公開
今年10月にソロ・デビュー・アルバム『10』をリリースした“平成最後のエンターテイナー”こと高岩遼と、『10』のプロデュースを手がけたYaffleが「The Christmas Song」カバー音源を公開した。原曲はRobert WellsとMel Tormeによるクリスマス・ソングのクラシックとも言えるナンバーで、Nat King Coleによる歌唱でも広く知られている。
今回のカバー音源は、今日的なサウンド・プロダクションで再構築したトラックと、高岩遼によるムーディーな歌唱が印象的な作品になっている。
【12月12日(水) 高岩 遼 リリース記念ライブ@渋谷クラブクアトロ ライブレポート】
舞台上に今回高岩と共にアルバムを作り上げたTokyo RecordingsのYaffleが登場し、Frank Sinatra「I’ll Never Smile Again」をサンプリングしたクラブ・サウンドのトラックが流れ、アルバム10曲目収録の「I’m Gonna Live Till I Die」で披露される高岩の“語り”部分に変化していくと、会場からは笑顔と期待に溢れた声が湧き起こり、28歳以下で構成されたというビッグ・バンドのメンバー総勢17名がステージに現れた。最後に、満を持して登場した高岩の姿はシルバーに染められた髪の毛、ファッション・ブランド〈CHRISTIAN DADA〉のオーダーメイドという真っ白のスーツという姿であり、その衝撃的なビジュアルに会場は大きな驚きと盛大な拍手に包まれた。そんな大歓声のなか、高岩が敬愛するフランク・シナトラのレパートリーでもある「I’m Gonna Live Till I Die」と「Too Close For Comfort」でスタート。ビッグバンドに合図を送りながら歌唱する姿は歴代のエンターテイナーたちに通じるような貫録を感じさせた。
「この曲をアルバムのなかで一番最初に聴いてくれた人が多いと思う」と高岩が語った後に披露されたのは、高岩の誕生日8月27日に第一弾先行配信シングルとしてリリースされた「Black Eyes」。現代ビート・ミュージックの要素と、LAジャズ・シーンのカリスマ、Kamasi Washingtonの壮大な音楽性に通ずるようなサウンドに会場は圧倒されていく。観客が圧倒されたまま曲が終わると、高岩は改めて観客に挨拶をしながら「今日12月12日はFrank Sinatraの誕生日で、この日でしかリリース・ライブはやらないと決めてました。そんなSinatraのナンバーを2曲続けてお聴きください」と述べ、「Ol’ Man River」と「Strangers In The Night」が続けて演奏された。「Ol’ Man River」はミュージカルの挿入歌であった原曲にリスペクトを込めたアレンジ、「Strangers In The Night」はコンテンポラリー・ソウルと言っても過言ではない斬新なアレンジが施され、共にSinatraの有名なレパートリーでありながら、全く異なるアプローチで披露された。
同曲は、軽快なハウス・ビートと豪華なビッグバンド・サウンドが見事に融合し、その上で一聴するとクサいと思われてしまうくらいに真っ直ぐな愛が歌われるキラー・チューン。会場は、この日最高の盛り上がりをみせ
、ダンス・フロア状態に。「ROMANTIC」の興奮冷めやらぬなか、Yaffleが奏でるシンセサイザーの上で再度観客に感謝を述べて演奏されたラスト・ナンバー「TROUBLE」では、躍動感のあるビートと壮大なビッグ・バンドのサウンドの上で高岩が高らかに歌い上げ、ライブ本編が終了。
アンコールでは、これまで高岩とジャズ・クラブで演奏してきたTHE THROTTLEのメンバーでもあるベーシスト菊池藍とピアニスト松本翼という二人のジャズメンを迎え、アルバムのラストに収録「My Blue Heaven」の2曲を披露。上記の二人にドラマーの橋詰大智を加えたライブ音源がアルバム『10』のラスト・ナンバーであり、気心知れたメンバーとのコンボ・ジャズに観客席の雰囲気もそれまでの緊張感のあるものからリラックスした様子に。その後、再度ビッグバンドをステージに召集して披露されたのは「Let It Snow」、「Have Yourself A Merry Little Christmas」、「Santa Claus Is Coming To Town」といった誰もが知るクリスマスの名曲をピアニストの千葉がアレンジしたこの日だけのクリスマス・メドレー。本編で披露したクールな高岩とは打って変わって、まさにショーマンと言えるステージングを披露した。会場がクリスマス特有の多幸感に包まれるなかビッグ・バンド・メンバーがステージを降りると高岩はYaffle一人をステージに呼びだし、二人で披露されたのは「The Christmas Song」。類い稀なるヴォーカリストとしての高岩の才能と、Yaffleの現代的なエッセンスが互いを支え合うようなサウンドであり、改めて高岩遼というシンガーとYaffleというサウンド・クリエイターの相性の良さを存分に感じられた。尚、同曲は既にレコーディングを行い、YouTubeの高岩遼Officialアカウントで公開中とのこと。最後に、「12月24日にこのライブのアフターパーティーやるから来てくれよな」と言って高岩がステージを後にし、この日のライブを終了した。
90分という限られた時間のなかで、Frank Sinatraのようにゴージャスなビッグバンドの上で朗々と歌い上げる往年のエンターテイナー像と、Bruno Marsのように現代的なビート・ミュージックの上で華麗にパフォーマンスを披露する現代のスター像が、自然に調和する瞬間を見ることが出来たこの日のライブは、まさに新しい時代のエンターテイナー高岩遼が誕生した瞬間と言えるかもしれない。平成が終わり、新たな時代に突入するという転換期に登場したこの新たなエンターテイナーから目が離せない。
●高岩遼 12月12日 渋谷クラブクアトロ セットリスト
2. Too Close For Comfort (スタンダード曲)
3. Blame Me
4. Someday Looking Back Today (Space Neon)
5. Black Eyes
6. Ol’ Man River
7. Strangers In The Night
8. Sofa
9. Try Again
10. ROMANTIC
11. TROUBLE
En1. My Blue Heaven (Combo Set)
En2. クリスマス・メドレー (Let It Snow~Have Yourself A Merry Little Christmas~Santa Claus Is Coming To Town)
En3. The Christmas Song(Yaffle Duo)
●出演者
Yaffle aka 小島裕規 プログラミング、キーボード
萩原 優 アルトサックス、フルート
市川海容 アルトサックス、フルート
石井裕太 テナーサックス、クラリネット
谷本大河 テナーサックス、フルート
三上功聖 バリトンサックス、バスクラリネット
寺谷 光 トロンボーン
田口 元 トロンボーン
石川智久 トロンボーン、バストロンボーン
笹栗良太 トロンボーン、バストロンボーン
具志堅 創 トランペット、フリューゲルホルン
堀 京太郎 トランペット、フリューゲルホルン
山田丈造 トランペット、フリューゲルホルン
荒谷 響 トランペット、フリューゲルホルン
千葉岳洋 ピアノ、シンセサイザー
勝矢 匠 ウッドベース、エレキベース
大月文太 ギター
鈴木宏紀 ドラム
松本 翼 ピアノ (Combo Set)
菊池 藍 ウッドベース(Combo Set)
【イベント情報】
Ryo Takaiwa -10 After Party-
会場:東京 BLOCK HOUSE(http://blockhouse.jp/)
料金:¥2,500 (1D代別途)
出演:
[DJ]
LIBERAL a.k.a Toshiki Iwama
DJ Minnesotah (KANDYTOWN)
wardaa (FNMNL)
Arisa Narita
……and more!
[12.12 Photo Exhibition]
Shoichi Aoyama (AMALABO)
[Special Session Gig]
Ryo Takaiwa & Jazz Friends
ご予約は、info@blockhouse.jp へメール又は高岩 遼オフィシャルTwitter & Instagram からDMにてお願いします。
■ 高岩遼 オフィシャル・サイト(https://www.universal-music.co.jp/takaiwa-ryo/)
アーティスト
Spincoaster
『心が震える音楽との出逢いを』独自に厳選した国内外の新鋭MUSICを紹介。音楽ニュース、ここでしか読めないミュージシャンの音楽的ルーツやインタビュー、イベントのレポートも掲載。