ベンヴォーリオ役で初参加! 三浦涼
介と木村達成が語る、ミュージカル『
ロミオ&ジュリエット』の魅力

誰もが知るシェイクスピアの悲劇を原作にしたフランス発のミュージカル『ロミオ&ジュリエット』。小池修一郎が潤色・演出する日本版が2019年、一部キャストを新たに帰ってくる。10月末に都内某所にて行われた制作発表会見では、一般客を前に歌唱披露が4曲あり、2019年版のステージにより期待が高まった。その会見終了直後、ベンヴォーリオ役として今回このミュージカルに初参加する二人、三浦涼介と木村達成を独占インタビュー! ダブルキャスト自体もこれが初体験だという彼らに、作品への想いを語ってもらった。
ーーまずは、先ほど行われた制作発表会見の感想からお聞かせいただけますか。
三浦:昨日、この制作発表のためのお稽古がありまして。その場が初対面の方も多かったんですけど、僕にとってはとにかく古川雄大くんを筆頭に、一方的に存じ上げているキャストさんも多かったのでミーハーで申し訳ないなと思うくらいにウキウキしてしまいました(笑)。大抵、こうした制作発表のお稽古の時はまだお互いに慣れていなくて異様な緊張感に包まれているものですけど、僕は前から知ってる人たちの中にいるくらいの感覚で安心感があり、それと同時にいい緊張感もあって。それに、振付の稽古の時には早くも同じ空気を感じる瞬間があったんですよ。全員が白黒の上下のスウェットみたいなのを着ていたんです。
三浦涼介
ーーそれは偶然に、ですか?
三浦:偶然です。そうやって前日からまるで同じユニットみたいになっていたので、より楽しみに思いつつ今日の会見に臨みました。緊張ももちろんしたんですけど、廣瀬友祐くんが僕よりはるかに緊張していたので、その姿を見たら本番はむしろ楽しめちゃいました(笑)。
木村:僕も実はずっと緊張しっぱなしでした。人見知りなもので。
三浦:そうなんですか?
木村:はい、かなり。自分からは、なかなかしゃべりに行けないタイプなんですよ。昨日の稽古の時からとても緊張していたんですが、でもみなさん和気あいあいとしゃべっていらっしゃって、僕にもたまにしゃべりかけていただいたので、結構早めに打ち解けたほうかなと自分では思っていますけど。でも今日は緊張し過ぎて、心が折れそうになる瞬間も何回かあって。
木村達成
三浦:ホントですか?
木村:今朝も6時くらいから目が覚めちゃって。こんなの初めてでしたね、ドキドキとワクワクで前の日もなかなか寝つけなかったし。なんだか修学旅行に行く前日みたいな気分でした(笑)。
三浦:じゃ、無事に終わって、今夜はきっとぐっすりですね(笑)。
木村:ぐっすり眠れそうです(笑)。
ーーお二人はベンヴォーリオという同じ役を演じるわけですが。
三浦:僕、ダブルキャストというのが初めてなんです。
木村:僕も初めてです。稽古とか、場当たりを二回やるということなんですかね。
三浦:やります、やります。過去の作品で主演の方がダブルで、僕らはシングルキャストというのは経験したことがあったんですけど。きっと稽古からお互いを客観的に見ながら、それを真似するというのではなくて、いいところは吸収したり与え合ったりしつつ、自分は自分で違うアプローチをしてみようと考えたりもできそうだから、可能性がすごく広がるんじゃないかと思います。
木村:たぶん僕、わからないことがあったらすぐ三浦さんに聞きに行っちゃいそうな気がします。
三浦:僕だって、聞きに行きますよ。
木村:なにかあったら、すぐに言ってくださいね(笑)。
三浦:僕のこともぜひ、助けてください(笑)。
(左から)三浦涼介、木村達成
ーー三浦さんは演出の小池修一郎さんの舞台が今回三回目になるので、頼りがいがありそうですね。
木村:ありますよ、めちゃくちゃ。
三浦:小池先生と初めてお会いしたのは今年の初めで、その後、続けざまに2作品(『1789―バスティーユの恋人たち―』、『るろうに剣心』)出させていただいて、この『ロミオ&ジュリエット』が三本目なので。だから最近、ずっと一緒にいる感じなんですよ。先生もお忙しいので、三日くらい会えない日が続くと「先生、何してるんだろう、お元気かなあ?」って気になっちゃうくらい(笑)。最初の頃は、どういう風に接していいのかわからずに半年くらい過ごしてしまっていたんですけど、『るろうに剣心』の稽古場で、先生が言ってくださる言葉から愛情や優しさをさらに感じられるようになってきたんです。
木村:僕はまだ、小池さんがどういう方かも全然知らないので。自分から、どんどん聞きに行ったほうがいいですか? 
三浦:それは、木村さんがやりたいようにしていいと思いますよ。
木村:心配性なんですよ、僕。大丈夫かな、自分がやってること、合ってるのかなって、すぐ考えこんでしまうので。結局は幕が開くまで、お客様の反応とか、わからないじゃないですか。
三浦:本番が始まってもわからないこと、いっぱいありますもんね。
三浦涼介
ーー本番の途中で急に気づくことも?
三浦:そうそう、あります。でも先生はどんなことも逃さずに見ていてくださる方だから、その点は絶対大丈夫だと思います。
木村:がんばります!
三浦:僕も、がんばります!(笑)
ーーお二人は『ロミオ&ジュリエット』というこのミュージカルの、どういうところに一番魅力を感じましたか。
三浦:とにかく幅広い年代の方が知っている物語で、多くの方に愛されている王道の作品です。僕としては、ものすごくきれいなイメージがあります。もちろん、物語的には結構ハードなシーンもありますけど。バルコニーの上と下とで会話する、ああいうシーンもまるで絵のように美しいですしね。小池先生の『ロミオ&ジュリエット』は、オープニングから、まず引き込まれましたね。やっぱり衣裳とメイク、ヘアスタイル、セット、小道具、すべてがイマドキで。細かいところまでオシャレに作られているので、そういうところにも注目しました。どうしてもミュージカルというものに対して苦手意識を持っている方もいると思うんですが、そういう方たちでも、とてもキャッチ―な楽曲が多いから素直にスッと入っていけると思います。あと純粋に、若者たちのまっすぐな熱量とかアツさが、しっかりある作品です。また本当にすごいのが、小池先生はアンサンブルの一人ひとりのキャラクターを立てて演出されているので、舞台のどこを見ていても楽しいんです。どのシーンもすごく魅力的で、最後には絶対的な愛という、この作品のテーマが表現されている。もう、とにかく魅力しかないなというのが印象でした。
木村:僕は、劇場で観させていただいたんですけど。僕が思った印象は、終わってからも口ずさんでしまうような楽曲ばかりだということですね。「このミュージカル、良かったな」と僕が思えるのって、最終的に自分が口ずさめるか、どうかはかなり大きいので。だから、今日も会見で歌わせていただきましたが、「世界の王」を歌っている時は、この曲を歌えている時の喜びと、これから舞台本番でも歌うんだと考えるとちょっとゾワゾワしてしまうというか。それでいてやはりどこかで不安も感じていまして……。
三浦:まだ始まってないですから! 大丈夫ですって。
木村:もちろん「やってやるぞ!」という気持ちもありますけどね。だって、ベンヴォーリオの役ってかなり重要じゃないですか。
木村達成
三浦:そうですよね、難しい役だと思います。
木村:親友が死に、親友の愛する人も亡くなって……。それを伝えなきゃいけないという場面で、ベンヴォーリオって舞台上にひとり取り残されるんですよ。その場面に対する恐怖も、すごくあります。
三浦:そう、ひとりになっちゃう曲があるんですよね。
木村:自分ひとりだけが舞台上に取り残されて、ピンスポットを浴びるなんて。そんな状況に僕は耐えられるんだろうか? と思ってしまって。
三浦:お客様は全員、その場面では木村さんしか観てないわけですからね。
木村:視聴率、100%じゃないですか。……がんばりますっ!
三浦:なんだか、かわいいな、いい声だ!(笑)
木村:あれ? ちょっと今日、ネガティブ発言ばかりですよね、僕(笑)。大丈夫なんですけどね、まだ稽古まで間がありますし。この先、稽古場でどんどん恥をかいて、それこそ三浦さんの演じるベンヴォーリオの姿を見て、いろんなことを吸収させてもらいます。そして、他の役者さんからもいろいろとアドバイスをいただき、小池さんからも素晴らしい演出をつけていただきつつ、三浦さんとはまた一味違った自分の思い描くベンヴォーリオを作っていけたらなと思っております!
三浦:いきなり、締めちゃいましたね(笑)。
三浦涼介
ーー急に、前向きになりましたね(笑)。では特に好きな楽曲は、どれですか。
三浦:僕は、これからじっくり探したいです。
木村:僕は「エメ」が好きです。
三浦:確かに、あの曲は心にすごく残りますね。
ーー稽古に入る前に準備しようと思っていることは、何かありますか。
三浦:どんな作品でもそうなんですけど、やはり自分自身が演じる役が、どういう役回りでどう立てば成立するのかという人物像を、自分なりに掘り下げておきたいので。もし過去の映像があれば、僕は見ておきたいタイプですね。原作があれば読んでおきたいし。
ーーそういう資料って、見たい人と見たくない人に分かれますよね。
三浦:そうですよね。僕、ちょっと前までは見たくない派だったんです。年齢と共に、変わってきたんですよね。
木村:準備か……。僕は、無のまま、稽古に入っていくタイプです。ボイトレとか、歌の練習はもちろん稽古前からすると思いますけど。役のスタンス的には、台本を素直に読んだ時の気持ちのままで、やると思います。俗にいう、スロースターターってやつですかね。
木村達成
ーーでは、稽古をしながら徐々に作っていく。
木村:そのほうが、僕は多いです。たとえば「何でああいう芝居になったの」って聞かれても、わからない瞬間が結構あって。無我夢中で相手のセリフを聞いていたら、ああなっちゃった、としか言えないんですよ。でもそれも、正解のひとつじゃないですか。作品の流れ的にはちょっと違う場合があったとしても、その時に思った素直な気持ちでやっていきたいんです。僕、飽き性なんですよね。
三浦:あ、僕も本当は飽き性ですよ。だけど、30歳越えたのでそういうことはもう言わないようにしているんです。
木村:じゃ、僕はまだ20代だから言っていいってことですね(笑)。
三浦:そういうことです(笑)。とにかく、若者たちが本気でストレートにぶつかり合い、表現し合う熱量や、ダンスと歌、音楽、衣裳、そういうエンターテインメントならではのキラキラした空気感をぜひ生で、大勢の方に観ていただきたいですね。
木村:舞台をまだ一度も観たことがないというお客様も、僕はこの舞台なら絶対楽しめると思うんです。“ポップでロック”と謳っていますけど、本当にその通りなので。キャッチ―な音、そこに乗っているリリック、それらすべてが突き刺さってくるような舞台だと思います。今、僕らがやれるすべてを舞台上で出していきますので、ぜひ劇場へ足をお運びください!
(左から)三浦涼介、木村達成

ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』古川雄大&大野拓朗&葵わかな&木下晴香&生田絵梨花コメント

取材・文=田中里津子 撮影=山本 れお

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