【ライブレポート】Special Living
Live produced by“NAOTO”Haute Co
uture Collections Special Guest:
金原千恵子

ヴァイオリンの魅力とストリングスの可能性を存分に表現した極上のアコースティック・ライヴ
ポップス・ヴァイオリン界を牽引するふたりのヴァイオリニストの贅沢な共演
流行を敏感に感じ取る人々の集う街、東京・渋谷にある、eplus LIVING ROOM CAFÉ & DINING。この店を会場に、10月30日、31日、11月1日の3日間、音楽の垣根を越えて様々なフィールドで活躍する、ヴァイオリニストNAOTOのプロデュースによる、唯一無二のゲストを迎えたスペシャルなアコースティック・ライヴが行なわれた。
毎晩異なるゲスト・ミュージシャンとともに、それぞれ異なるコンセプトで届けられた“オートクチュール”な3日間。1日目は、ゴスペラーズ黒沢 薫(vo)をゲストに迎え、NAOTOとともに“大のカレー好き”という黒沢と、「Spicy」をコンセプトに、ピリッとスパイスを効かせた音楽を。「LOVE」を掲げた2日目には、シンガーソングライターの八神純子(vo)が登場し、ラヴソングを中心にした音楽を届けた。
NAOTO、黒沢 薫(ゴスペラーズ) (Photo:寺坂ジョニー)
NAOTO、八神純子 (Photo:鈴木久美子)
そして、取材した3日目のゲストは、ヴァイオリニストの金原千恵子。ソロ・アーティストとしての活動の他、小田和正桑田佳祐らトップ・アーティストのライヴ・サポートやレコーディングなど幅広く活躍する表現者の彼女を迎えたこの日のコンセプトは、ズバリ、「Strings」。ポップス・ヴァイオリン界を代表するふたりのアーティストが、どのように対峙し融合するのかそのステージに期待が高まる。
会場の照明が落とされると、客席後方からNAOTOが登場。ステージ中央に立つと、彼の代表曲のひとつ、「expectation」〜「Si-So ♪Dance」をヴァイオリン・ソロのメドレーでプレイした。もともとはゴリゴリのバンド・スタイルの原曲を、ヴァイオリン1本での演奏にアレンジし、弦を指で叩いて音を出すタッピングと呼ばれる奏法で、ビートを発しながらメロディを奏で、さらにコード感をも加える。この小さなヴァイオリンという楽器の無限の可能性を感じさせる鮮やかな演奏がオープニングを彩った。
(Photo:寺坂ジョニー)
ふたりの出会いとなったテレビ番組での共演曲もリアレンジで再演
「みんさんこんばんは、ヴァイオリニストのNAOTOです。オートクチュール・コレクションズという名前をつけさせていただいた、3日間のライヴの最終日です。今日のコンセプトは、「Strings=弦」です。素晴らしいヴァイオリニストの金原千恵子さんをお迎えしてお送りしたいと思います。」すると、早くもスペシャル・ゲストの金原が紹介されステージへ。
(Photo:寺坂ジョニー)
意外にも、これまで同じステージに立ち音を出す機会がなかったというふたり。「今年春、テレビ朝日の関ジャニ∞が出演する『関ジャム 完全燃SHOW』」のヴァイオリンをテーマにした回で、金原さんと僕で、TM NETWORKの「Get Wild」をヴァイオリン2本にアレンジして演奏しました。それがあまりに楽しくて!それで僕、ハマったんですよね(笑)」と、出会いのエピソードを語った。「今日はその曲をいち早くお聞かせしたくて、2曲目にお送りします!」と、ふたりの出会いとなった記念の1曲、「Get Wild」をこの日のためのリアレンジで演奏した。
イントロから、背筋がゾクゾクするようなキレのあるスリリングなプレイ。NAOTOが伴奏し、金原が伸びやかにメロディを歌い上げる。なんともいえない高揚感だ。
(Photo:寺坂ジョニー)
続いてもう1曲、NAOTOのオリジナル曲「strings shower」が届けられる。コントラバスが4ビートのウォーキングベースを奏で、NAOTOがヴァイオリンで多重録音している原曲を、この日はNAOTOがヴァイオリンでベース・パートを担当。2本のヴァイオリンが、キラキラと煌めく旋律の軌跡を残した。
続く曲は、金原のオリジナル曲。「Golden(金)Fields(原)」=“金原”と、金原が曲を紹介すると、客席から大きな笑いが巻き起こる。「自己紹介ソングだ(笑)!」と、NAOTO。そして、金原のアルバムに収録されている同曲を、遠山哲朗(g)、呉服隆一(p)とともに演奏。乾いた大平原を颯爽と吹き抜ける風のような壮大なスケール感の1曲。珠玉のプレイが届けられた。
(Photo:寺坂ジョニー)
1部の最後には、ふたたびNAOTOのオリジナル曲で「PARAMUSHIR」。この曲は、NAOTOが音楽を担当した、大泉洋らの所属する、TEAM NACSの最新舞台「PARAMUSHIR〜信じ続けた士魂の旗を掲げて」のメイン・テーマ曲。目下制作中のニュー・アルバムにも収録されるという。その次回作もいまから楽しみだ。
2チェロズを凌ぐ白熱の2ヴァイオリンズ
続く第2部。演奏に先立って、NAOTOと金原が使っている弓の話題に。この日ふたりが揃いで使っているのは、コーダ・ボウというカーボン弓の「マーキス」というモデルなのだそう。さらに、弦、弓の毛替え、楽器でヒヤリとした経験……と、ヴァイオリニストならではの、“あるある”な話題で盛り上がるふたり。
2部のオープニングは、ふたりのチェロ・ユニット、2CELLOSの演奏で話題となった、マイケル・ジャクソンの「Smooth Criminal」をヴァイオリン2本で演奏。おお!カッコイイ!!「ヴァイオリンでこんな演奏もできるんだ!」と、あらためて驚かされる、これまでのヴァイオリンのイメージをいっぺんに覆されてしまうような衝撃的なプレイ。この演奏を聴いて、「私もヴァイオリン弾いてみたい!」という人も現われるかもしれない。
引き続き金原を迎え、NAOTOのオリジナル曲「TWIN DRAGON」。この曲は、フジテレビ系で放送されたテレビドラマ「のだめカンタービレ」のためにNAOTOが書いた1曲。この日は金原とNAOTOのツイン・ヴァイオリンが、気迫溢れるプレイでこの曲の世界観を見事に表現した。
(Photo:寺坂ジョニー)
ニュー・アルバムへの期待が高まる新曲の数々
ライヴもいよいよ終盤へ。ここからはNAOTOのオリジナル曲がバンドによる演奏で届けられた。先ほど告知されたニュー・アルバムに収録されているという「UNKNOWN ASIA」。この曲は、同名のイヴェントのためにメイン・テーマとして書いたという新曲で、曲中のハモリのパートでは、NAOTOが中国の楽器の二胡や沖縄の三線でプレイし、アジアで使われる音階を取り入れたという新たな試みを行なった、NAOTOらしいポジティヴなエネルギーが漲る1曲だ。
(Photo:寺坂ジョニー)
バンドで1曲終えたところで、気心の知れたバンド・メンバーとの軽快なトークが始まり客席の笑いを誘う。そして、NAOTOの真骨頂、オーディエンス参加型のハッピー・タイムの始まりだ。「Precious day」では、明るいメロディに乗って、サビのひと節を皆でコーラス。続く、NAOTOの代表曲となった「HIRUKAZE」では、皆が手拍子を奏で、ステージに向かって満面の笑顔で手が振られた。
(Photo:寺坂ジョニー)
楽しいひとときはあっという間に過ぎていくもの。大きなアンコールに応えて、NAOTOがふたたびステージへ。「いやあ、楽しかったな!」充実した3日間を振り返るように、名残惜しそうなNAOTOが金原を再度紹介する。
(Photo:寺坂ジョニー)
「ヴァイオリニストがふたりいるので、せっかくなのでヴァイオリンの名曲をお送りしたいと思います。」と、あえて曲名は紹介しない。ほとばしる熱情、沸き上がるメロディ。2本のヴァイオリンが一糸乱れず、超難曲、モンティの「チャルダッシュ」を弾き上げると、大きな歓声とともに割れんばかりの喝采が送られた。
(Photo:寺坂ジョニー)
(Photo:寺坂ジョニー)
TEXT by 西片薫

SPICE

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