BUCK-TICK、
超満員のオーディエンスを熱狂させた
スタンディングツアー豊洲PIT公演
10月13日の東京公演を皮切りに全国19ヶ所21公演を行っているBUCK-TICKのツアー『TOUR No.0 - Guernican Moon -』から、11月10日に東京、豊洲PITで行われたライブの模様をレポートする。本公演ももちろんソールドアウト、3100人に及ぶ超満員のオーディエンスを前にライブは行なわれた。
今回のツアーは2018年3月にリリースされた実に21枚目となるオリジナルアルバム『No.0』を引っさげたライブハウスツアーだ。アルバム『No.0』はオリコンアルバム週間ランキング、ビルボード週間アルバムセールスで共に2位を獲得、6月27日にリリースした映像作品『CLIMAX TOGETHER ON SCREEN 1992-2016 / CLIMAX TOGETHER 3rd』はオリコンウイークリー映画Blu-ray、DVD両ランキング1位を獲得するなど絶好調の中、ツアーは行なわれている。
また、11月20日19時から、12月26日にリリースされる、2018年映像三部作のラストを飾るライブ映像作品『THE DAY IN QUESTION 2017』を記したLINE LIVEが実施される。12月29日には恒例となっている日本武道館公演『TOUR No.0 -FINAL-』の開催も決定するなど、デビュー31年目迎えてなお走り続けているBUCK-TICKに注目して欲しい。
今回のツアーは2018年3月にリリースされた実に21枚目となるオリジナルアルバム『No.0』を引っさげたライブハウスツアーだ。アルバム『No.0』はオリコンアルバム週間ランキング、ビルボード週間アルバムセールスで共に2位を獲得、6月27日にリリースした映像作品『CLIMAX TOGETHER ON SCREEN 1992-2016 / CLIMAX TOGETHER 3rd』はオリコンウイークリー映画Blu-ray、DVD両ランキング1位を獲得するなど絶好調の中、ツアーは行なわれている。
また、11月20日19時から、12月26日にリリースされる、2018年映像三部作のラストを飾るライブ映像作品『THE DAY IN QUESTION 2017』を記したLINE LIVEが実施される。12月29日には恒例となっている日本武道館公演『TOUR No.0 -FINAL-』の開催も決定するなど、デビュー31年目迎えてなお走り続けているBUCK-TICKに注目して欲しい。
『TOUR No.0 - Guernican Moon -』
11月10日 at 東京・豊洲PIT
BUCK-TICKが、10月13日よりスタートした全国ツアー『TOUR No.0 - Guernican Moon -』の東京公演を、11月10日三日月の夜、豊洲PITで行なった。
このツアーはアルバム『No.0』を携えた、全国19ヶ所21公演のスタンディングツアー。3月から7月まで行なわれたホールツアー『BUCK-TICK 2018 TOUR No.0』は重厚なステージセットや楽曲を彩る映像と共に、スケール感のあるパフォーマンスで『No.0』のストーリーに観客の心をグッと引き込んだステージだったが、今回のスタンディングツアーは、ウィットに富んだセットリストと開放感のあるステージングで、テーマは変わらずとも、その世界観を一緒に体感するものへと変化させていた。
例えば「光の帝国」での手拍子のシンクロ具合や、「GUSTAVE」での猫の手ダンスの狂乱ぶりはホールツアーからさらにパワーアップしていたし、メンバーの一挙手一投足に反応する歓呼の声はより高らかで、レポートする者として平静を保とうとするも、どうにも心が踊る。ヤガミ・トール(D)の抑揚のあるドラミングや、樋口豊(B)の歌うようなベースラインがグルーヴを生み、エッジの効いた星野英彦(G)のギターリフと、ノイジーかつエモーショナルな今井寿(G)のギターサウンドが絡み合い、会場の高揚感をさらに引き上げる。そして、ホールツアーでは楽曲を演出する映像や照明の中で演じるように歌っていた櫻井敦司(vo)の表現力はより洗練され、情感豊かなヴォーカルと、よりアグレッシヴになったパフォーマンスだけで、映像的と言われる『No.0』の世界をシンプルなステージ上で体現してみせた。
ツアーはまだ中盤のため詳細は控えるが、『No.0』のナンバーを中心にセレクトされた今回のセットリストは、ツアータイトルにもある“月”が一つのキーワードになっているようだ。「BABEL」では気高き愚者の咆哮を、「Moon さよならを教えて」では今にも消えそうな儚い命を表現する彼らのパフォーマンスを見守るように“月”が登場している。月の満ち欠けと人の生死は、古来より様々な形で関連づけられ表現されてきた。それは、ダイナミックなサウンドで生命の誕生を感じさせる「零式13型「愛」」で始まり、むき出しの感情で最期に愛を叫ぶ「胎内回帰」で終わる『No.0』の“愛と死”の循環と、まさにリンクしているように思える。そしてシリアスに偏ることなく、“生への歓び”に昇華しているところが、今回のツアーの肝ではないだろうか。言葉は違えど、このツアーの各所で櫻井が口にしている“みなさん、幸せになってください”という想いもまた、心に残る。
本公演は12月22日(土)京都・KBSホールまで続き、下弦の月が輝く12月29日(土)には『TOUR No.0 -FINAL-』と題した東京・日本武道館公演が開催される。ぜひ、この歓びに満ちた至高の時間を一緒に体感してほしい。
text by 大窪由香
photo by 田中聖太郎写真事務所
このツアーはアルバム『No.0』を携えた、全国19ヶ所21公演のスタンディングツアー。3月から7月まで行なわれたホールツアー『BUCK-TICK 2018 TOUR No.0』は重厚なステージセットや楽曲を彩る映像と共に、スケール感のあるパフォーマンスで『No.0』のストーリーに観客の心をグッと引き込んだステージだったが、今回のスタンディングツアーは、ウィットに富んだセットリストと開放感のあるステージングで、テーマは変わらずとも、その世界観を一緒に体感するものへと変化させていた。
例えば「光の帝国」での手拍子のシンクロ具合や、「GUSTAVE」での猫の手ダンスの狂乱ぶりはホールツアーからさらにパワーアップしていたし、メンバーの一挙手一投足に反応する歓呼の声はより高らかで、レポートする者として平静を保とうとするも、どうにも心が踊る。ヤガミ・トール(D)の抑揚のあるドラミングや、樋口豊(B)の歌うようなベースラインがグルーヴを生み、エッジの効いた星野英彦(G)のギターリフと、ノイジーかつエモーショナルな今井寿(G)のギターサウンドが絡み合い、会場の高揚感をさらに引き上げる。そして、ホールツアーでは楽曲を演出する映像や照明の中で演じるように歌っていた櫻井敦司(vo)の表現力はより洗練され、情感豊かなヴォーカルと、よりアグレッシヴになったパフォーマンスだけで、映像的と言われる『No.0』の世界をシンプルなステージ上で体現してみせた。
ツアーはまだ中盤のため詳細は控えるが、『No.0』のナンバーを中心にセレクトされた今回のセットリストは、ツアータイトルにもある“月”が一つのキーワードになっているようだ。「BABEL」では気高き愚者の咆哮を、「Moon さよならを教えて」では今にも消えそうな儚い命を表現する彼らのパフォーマンスを見守るように“月”が登場している。月の満ち欠けと人の生死は、古来より様々な形で関連づけられ表現されてきた。それは、ダイナミックなサウンドで生命の誕生を感じさせる「零式13型「愛」」で始まり、むき出しの感情で最期に愛を叫ぶ「胎内回帰」で終わる『No.0』の“愛と死”の循環と、まさにリンクしているように思える。そしてシリアスに偏ることなく、“生への歓び”に昇華しているところが、今回のツアーの肝ではないだろうか。言葉は違えど、このツアーの各所で櫻井が口にしている“みなさん、幸せになってください”という想いもまた、心に残る。
本公演は12月22日(土)京都・KBSホールまで続き、下弦の月が輝く12月29日(土)には『TOUR No.0 -FINAL-』と題した東京・日本武道館公演が開催される。ぜひ、この歓びに満ちた至高の時間を一緒に体感してほしい。
text by 大窪由香
photo by 田中聖太郎写真事務所
関連ニュース