L→R まい(Performer1号)、Fチョッパー KOGA(Ba)、はな(Vo&Dr)、TOMO-ZO(Gu)、オレオレオナ(Vo&Key)

L→R まい(Performer1号)、Fチョッパー KOGA(Ba)、はな(Vo&Dr)、TOMO-ZO(Gu)、オレオレオナ(Vo&Key)

【Gacharic Spin インタビュー】
エンタメ曲を
Gacharic Spinがロックにする

まい(パフォーマー1号)が年内をもっての卒業を発表しており、現体制最後の作品となるカバーミニアルバム『Go Luck!』。5曲5様にGacharic Spin色に染め上げた同作は、まい在籍の6年間の集大成とも言える、彼女たちのキャッチフレーズ通り“全力エンターテイメント”な作品に仕上がった。

まいさんが年内で卒業するわけですが、送り出す側の心境はいかがですか?

はな
お互いに前を向いての決断だったので、最後までの時間を全力で楽しもう!って感じですね。
KOGA
今までもメンバーチェンジはあったんですけど、6年もいたメンバーが卒業するのは初めてだし、パフォーマーありきのGacharic Spinというのは、まいと一緒に作り上げてきたものだから、その集大成をツアーだったり、写真集やアルバムで、ちゃんとかたちに残しつつ送り出せるのはいいことだなと思ってます。

まいさんは高校生の時に加入したから、その成長過程も見ているし、もう親のような気持ちで送り出す感じなんでしょうね。

KOGA
初めてメンバーがまいと会った時は中学生でしたからね。それだけ歳が離れているから不思議な関係で…親戚の子みたいな?(笑)
はな
親のような感覚でもあり、同志でもありっていう感じですね。
KOGA
うんうん。まいの意志を継ぐっていうか、今はサポートダンサーの子たちが一生懸命に曲の振りを覚えていたり、もう次に向けて動き始めているし、それと同時進行で私たちは最後のかたちをしっかりと作ろうとしているので、“卒業”って言うと寂しい感じがあるけど、ちゃんとお互いに前を向いてますね。

お互いに笑顔って感じですね。そして、現体制最後となるカバーミニアルバム『Go Luck!』なのですが、なぜカバー作品を出そうと?

KOGA
Gacharic Spinにとって初の試みになるんですけど、前々からカバーをやると面白いんじゃないかっていう話はあったんですよ。なので、アルバムを出そうってなった時にカバーアルバムの案も出て、ちょっと選曲してみたら面白いものができそうだったんでカバーアルバムを作ることにしました。

では、カバーアルバムを作るとなってどんなものにしようと? 

はな
最初はいろんな案があって…それこそGacharic Spinは女性バンドなので、男性ヴォーカルの曲ばかりをカバーしようとか。でも、ガールズエンターテインメントバンドでもあるから、エンタメの枠の中で選んでいこうってことになって、そこからメンバーとスタッフで曲を選んでいきました。エンターテインメントでつながっているアーティストさんの曲をGacharic Spinがロックにするっていうイメージですね。

となると、かなり枠が広がりますね。選ばれた5曲はジャンルも年代もバラバラだし。

はな
そうですね。いろんな世界の人に届けられたらなって。“Gacharic Spinは知らないけど、この曲がカバーされているんだったら聴いてみようかな”とか“この曲をカバーしているGacharic Spinってどんなバンドなんだろう?”って思ってもらえるといいし。

そんな本作のリード曲「ゴーストルール」はDECO*27 feat. 初音ミクによるボカロ曲という。

はな
ドラム、ベース、ギターは初音ミクのモーションアクターをやっていたので、ボカロに携わることはあったんですよ。私自身もボカロにすごく興味があったから、どんな曲があるのかいろいろ検索していた中で、この曲を聴いた時にGacharic Spinがやると面白そうだと思っていたんです。

原曲もハードロックのテイストが強いですしね。それをさらにパワーアップさせたみたいな。

KOGA
今回のアルバムの中で一番Gacharic Spinの自己紹介的な曲になるのかなと。まいのステージ上での振り付けとかもそうなんですけど、メンバーひとりひとりが主役なんだっていうことがちゃんと見せれているし、Gacharic Spinの色になったと思います。

ライヴの画も浮かびますからね。ただ、ヴォーカルは大変だろうなと。

はな
最初は大変だったけど、もう大丈夫です!

アレンジを考える時はライヴのことも想定しているのですか?

はな
考える時もありますけど、“ここのアレンジは譲れない”というところがあったら、そこは頑張りますね。“歌は16連なのにドラムは3連ってのはやりづらいけど、この3連ははずせない”ってなると、それはもうやるしかない。
KOGA
それだけ見せ場が多いから面白いっていうか。“今回は歌に集中して聴いてみよう”とか“今回はギターを聴いてみよう”って聴いてもらえたらなって思います。

ハードに攻めたあとには米米クラブの「Shake Hip!」が。

はな
米米クラブさんは昔から好きだったので、やりたいとは思ってたし…
KOGA
他のメンバーもスタッフチームも米米クラブさんの曲は入れたいと言ってましたね。
はな
うん。いい曲がいっぱいあるから、どの曲にするかってだけでした。
KOGA
ライヴで何かをカバーしようって時から「Shake Hip!」は候補に挙がってたので、こうやって作品として残せるのは嬉しいですね。石井竜也さんも喜んでくださっているそうだし。

もともとパーティーチューンではあるのですが、さらに盛り上がる感じになりましたね。

はな
みんなと楽しく踊れるだろうなっていうライヴの画は浮かんでいたんで、わりとスムーズにアレンジはできましたね。でも、歌の癖が強いじゃないですか。石井竜也さんのモノマネをするつもりはないんですけど、いいところは盗みたいと思ってたんで、その歌を表現するためにドラムはどうするかっていうのは考えました。あと、KOGAさんのベースのスラップを活かしたいんだけど、原曲の踊れるフレーズも入れたくて。なので、もともとはギターで弾いてるところをベースでやったりしています。

あとは、合いの手というか、ジェームス小野田さんのパートっすね。

はな
そこはジェームスオレオが(笑)。自由に雄叫びをあげてもらいました。しかもワンテイクで(笑)。

流石です!(笑) 

KOGA
「ゴーストルール」と「Shake Hip!」って全然タイプが違う曲じゃないですか。この2曲だけでもGacharic Spinの振り幅が見せられているかなって。今、ライヴのリハに入っているんですけど、「ゴーストルール」はクールにカッコ良く、「Shake Hip!」はおバカに楽しくっていう感じで仕上がってきているので、ツアーでやるのが楽しみです。

3曲目はバラードなのですが、なぜ50TAの「涙」を?

KOGA
バラードは入れたかったんです。ライヴでもアコースティックコーナーがあったりして、聴かせる時はしっかりと聴かせるバンドなので。でも、普通のバラードをGacharic Spinが普通にするのは何か違うってことで…「涙」をGacharic Spinがガチのバラードにしたら、歌詞の面白さのミスマッチが出て面白いんじゃないかって。
はな
アレンジを考える時に原曲のコードを生かす生かさないってあると思うんですけど、この曲は最初からぶっ壊そうと思ってました。もともとはちょっとポップなバラードなんですけど、かなり重たい、すっごい切ない感じにしようって。

歌は情感たっぷりだし、泣きのギターも入ってますしね。

はな
歌詞の意味を理解しながら歌おうと思ったんですけど、なかなか難しかったです(笑)。
KOGA
でも、最後の盛り上がりはすごいカッコ良いと思うんだけど。

クワイア風のコーラスが入っていて、その後ろでは…

はな
オレオのフェイクが(笑)。
KOGA
ここまでのコーラスって初めてだよね。すごい切ないんですけど、不思議な気持ちになるという(笑)。
はな
歌詞を深く考えなければ、すごくいい曲なんで(笑)。ちなみに、この曲のイントロでオカリナに初挑戦しました。

原曲だと口笛のところがオカリナになってますね。

はな
オカリナだといいよねって話になったんで習いに行ってきました。

習いに行ってまでオカリナにしようと!? 手軽にリコーダーとかにするのではなく?

KOGA
リコーダー!
はな
あ〜、確かに! オカリナ、買っちゃったよ〜。
KOGA
オカリナのほうが見栄えがいいよ。ガチでやってる感じがする。

4曲目の「YELLOW YELLOW HAPPY」は世代的に年長メンバーのガチ曲?

はな
年長組&スタッフチームですね。
KOGA
テレビ番組でポケットビスケッツさんが復活したんで、それに乗っかったみたいになってますけど、この曲をやることが決まったあとに復活されたんで、それだけはちゃんと言っておきます!

この曲をカバーするとなった時はどういうものにしようと?

KOGA
歌は絶対にオレオで…歌詞の世界観もオレオっぽいし。
はな
うん。オレオに歌わせたいってのが最初にありましたね。

アレンジはどうしようと?

はな
シンセで押すイメージがありましたね。あと、楽器に関してはテクニックを多めに入れてみたかったので、ドラムのパターンもいろんなことをやってるし、あえてそういうものをいっぱい入れて作っていきました。

その熱量のせいか原曲の疾走感が、それこそ爆走感になりましたね。

はな
確かに!(笑)

しかも、オレオさんのヴォーカルのテンションも高くて、もはや自分のものになってるし。

KOGA
そうなんですよ! もうオレオレオナの曲になってる。

この曲に限らずだと思うのですが、こういうメロディーの強い曲をカバーをするといろいろ分析もできるのでは?

はな
できますね。そのメロディーを活かすコードが絶対にあったりするので、すごく勉強になります。

そして、最後が「RPG」。こういうファンタジックで壮大なものってGacharic Spinにはなかったですよね。

KOGA
そうなんですよ。今までのGacharic Spinにはない立ち位置の曲だなって。最後にカバーすることが決まったんですけど…SEKAI NO OWARIさんってファンタジーを大切してて、すごくエンターテインメントじゃないですか。それをGacharic Spinがやったらどうなるんだろうって。でも、原曲のイメージが強いから、それに私たちは勝たないといけない。Gacharic Spinがカバーすることによって、本家にない印象に残るものっていうのをすごく考えましたね。

でも、この曲はアレンジは楽しかったのでは?

はな
楽しかったです! もともと私は木琴や鉄琴が好きで…それこそ習いに行きたいくらい好きなんで(笑)、そういうものをこの曲には入れたいと思ってて。基本となるドラムのリズムパターンがあって、それにギターとベースが寄り添いながらも目立っていて、邪魔にならないように鳴らすシーケンスの音も意味のあるところで聴こえてほしいっていうのを考えながら作っていきました。あとは、“RPG”ってことであのロールプレイングゲームのオマージュも入れて(笑)。
KOGA
この曲はツインヴォーカルも意識しましたね。
はな
最初はひとりで、そこにハモりが入って、サビに向かって声が追加されていくような歌い分けにしてて…最初からそうしていたわけじゃなくて、データを触ってたらたまたまそうなって“これは面白いかも!?”みたいな(笑)。

そうだったんですね。ツインヴォーカルが映えるアレンジになっていたのは、《僕らはもう一人じゃない》という歌詞だからだと思ってました。

KOGA
そ、そういうことです! あと、オレオがアコーディオンを弾いているんで、ライヴでもより華やかになるっていうか、ダンスもあって面白いものになるんじゃないかなって思ってます。

ちなみに5曲の中で個人的に思入れがあったり、印象的なものは?

はな
私は「Shake Hip!」かな。こういう歌い方って今までやったことがなかったんで難しかったけど、すごく楽しかったんで。
KOGA
私は「RPG」。今までになかったものが生まれたっていうことと…今回のアルバムってオレオは「YELLOW YELLOW HAPPY」だけだから、はながメインで歌う曲が多いんですけど、歌い方が一曲一曲違ってて、その中で「RPG」の歌い方がすごく好きなんですよ。
はな
少年っぽい?
KOGA
少年っぽい…んだけど、すごくやさしくて、突き進んでいく強さもあるっていう。何回も聴きたくなっちゃう。あと、「RPG」のベースラインって難しいんですけど、弾いていてすごく楽しいんです!
はな
この曲って合奏している感じがあるよね。バンドで合わせているっていうより…そういう曲調っていうのもあるんだろうけど、指揮者がいて、みんなと一緒に演奏してる感じ。

バンド以外の音もいろいろ入ってますからね。

はな
うんうん。楽しいよね。
KOGA
楽しい! それに“RPG”という旅をしていく物語ってところと、このアルバムを最後にまいが卒業して、私たちは彼女を送り出すっていうのが、どこか被るっていうか。だから、もちろん全曲が推し曲なんですけど、自分にとっては「RPG」が印象深いですね。

この初カバー作品はGacharic Spinにとってどんな作品になりますか?

はな
毎回なんですけど、いろんなことに追われてて、全然余裕がなくてウワ〜!ってなるんですけど(笑)、最終的に“あっ、すごくいいものができた!”ってなるし、ちゃんと“いいもの”の更新もできているので、そういう意味ではGacharic Spinらしい最高のカバーアルバムが作れたと思ってます。

タイトルも“娯楽(Go Luck!)”でGacharic Spinらしいですしね。そして、その作品を引っ提げてのツアーが始まっているわけですが。

KOGA
まいが卒業するっていうのもあるし、本数もそんなに多くないので、『Go Luck!』の曲をガンガンにセットリストに入れたいと思ってるんですよ。『Go Luck!』の曲だけでも盛りだくさんなのに、そこにいつものネタも入れるから(笑)…もうすごいです! てんこ盛り! どこの場所でもGacharic Spinの集大成以上のてんこ盛り感があるので、ぜひとも観に来てほしいですね。
はな
てんこ盛りだからみんなも大変だぞって。元気な状態で、気合を入れて観に来てほしいですね。

取材:土内 昇

ミニアルバム『Go Luck!』2018年11月21日発売 ビクターエンタテインメント
    • 【Type-GACHA】
    • VIZL-1481 ¥2,407(税抜)
    • 【Type-KOGA】
    • VIZL-1482 ¥2,407(税抜)
    • 【Type-HANA】
    • VIZL-1483 ¥2,407(税抜)
    • 【Type-TOMO-ZO】
    • VIZL-1484 ¥2,407(税抜)
    • 【Type-OREO】
    • VIZL-1485 ¥2,407(税抜)
    • 【Type-MAI】
    • VIZL-1486 ¥2,407(税抜)

【ライヴ情報】

『Gacharic Spin TOUR 2018 「Go Luck!」』
11/24(土) 北海道・札幌cube garden
11/25(日) 北海道・札幌cube garden
12/01(土) 宮城・仙台darwin
12/02(日) 福島・club SONIC iwaki
12/23(日) 東京・TBS赤坂ACTシアター
12/25(火) 埼玉・HEAVEN'S ROCKさいたま新都心 VJ-3(振替公演)

『Gacharic Spin Special Live ~ライバー大宴祭大阪編 Vol.2 ワンマン』
12/30(日) 大阪・umeda TRAD

Gacharic Spin プロフィール

ガチャリックスピン:リーダーのF チョッパー KOGAをはじめ、はな、TOMO-ZO、オレオレオナ、yuri、アンジェリーナ1/3、6人からなるエンターテイメントガールズバンド。年間 100 本以上のライヴをこなし、国内のみならず海外のフェスやイベントにも出演。結成10周年の2019年3月にベストアルバム『ガチャっ10BEST』を、20年3月には新体制初となるアルバム『Gold Dash』、21年9月にセルフプロデュースによるアルバム『Gacharic Spin』を発表。その後、レコード会社を移籍し、23年7月にアルバム『W』をリリース。Gacharic Spin オフィシャルHP

L→R まい(Performer1号)、Fチョッパー KOGA(Ba)、はな(Vo&Dr)、TOMO-ZO(Gu)、オレオレオナ(Vo&Key)
ミニアルバム『Go Luck!』【Type-GACHA】
ミニアルバム『Go Luck!』【Type-KOGA】
ミニアルバム『Go Luck!』【Type-HANA】
ミニアルバム『Go Luck!』【Type-TOMO-ZO】
ミニアルバム『Go Luck!』【Type-OREO】
ミニアルバム『Go Luck!』【Type-MAI】

「ゴーストルール」MV
(Short ver)

OKMusic編集部

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