L→R atsuko(Vo)、KATSU(Key&Gu)

L→R atsuko(Vo)、KATSU(Key&Gu)

【angela インタビュー】
歩んだ道は全てつながっているーー

キングレコードでのデビュー15周年を記念してリリースされるベストアルバム『angela All Time Best』。前期と後期の時系列で2形態に分けられ、15曲ずつ各2枚組で全60曲をパッケージ。そこからは自らの音楽とシーンに対して常に真摯に向き合ってきた彼らの姿勢がうかがえる。バースト必至(!?)の野音ワンマンも必見!

15曲入りのディスクが2枚組、それが2タイトルの全60曲とは、ベスト盤とはいえかなりのボリュームですね。

KATSU
もう、聴き始めて3曲目でぐったりしました(笑)。
atsuko
濃い曲が多いですからね(笑)。ベストを出すにあたり“アニメ大全集”みたいなものにするかとか、いろいろ案はあったんですけど、“2003-2009”に“2010-2017”と年代別の2タイトルに分けるかたちで結果的には良かったと思います。最近ファンになって昔の曲を知らないとか、昔は好きで最近はご無沙汰してるっていう方も多いでしょうから。

いちリスナーとしてはデビュー曲「明日へのbrilliant road」からクオリティーの高さに驚きました。それなのにブレイクは6枚目の「Shangri-La」というのが改めて不思議に感じたり。

KATSU
しかも、「Shangri-La」が『蒼穹のファフナー』ファン以外の人に話題になったのってリリースの5年後ですからね。主題歌だった『蒼穹のファフナー』のパチンコCMが2009年のWBC(World Baseball Classic)でバンバン放送されてたんですけど、その頃本人たちは13枚目あたりを作ってたから結構な時差があった(笑)。当時はまだアニソンが一部の人たちだけが聴く音楽のように見られていて、それが悔しくて自分の持ってる技術以上のことをやってましたね。なんとかして認めさせてやろうともがいていたというか。その後、2010年あたりからですよ。アニソンが一気に加速して、一般層にまで広がったのは。

だから、2005~2009年の楽曲を集めた『2003-2009』のDISC2は曲調もかなり幅広いんですね。

atsuko
それが2011年頃になると萌えアニメ全盛で、タイアップのお呼びが全然かからない時代もあったりね(笑)。そこから戦闘ものが帰ってきて、『K』とか『シドニアの騎士』の主題歌をやらせていただくようになった時には、改めて自分たちに求められているものや、作品の世界観をより深く考えて曲を作るようになったり。そういったシーンの流れやangelaの歴史も感じながら聴けるベストになってます。でも、聴いてみて一番“うわっ!”と思ったのは「memories」で。キングレコードでデビューする4年前の“デビュー前デビュー曲”なんですけど、もう歌が下手すぎて! “なんでこれでオーケーが出たの!?”って。まぁ、よく取れば人間って成長するんだなぁと(笑)。
KATSU
結局その時のデビューでは上手くいかなくて、その後の路上ライヴ時代を支えてくれたのが「memories」のカップリングだった「笑顔をみせて」なんですよ。この曲をやるとワッとお客さんが集まって、手売りのCDもめちゃめちゃ売れて。そこでCDを買ってくれたのが今のプロデューサーだから、ほんとにこの曲に救われたというか。この2曲がなければ他の曲も生まれてないし、いわば“ご先祖様”みたいなものなんですよ。なので、今回のベストに収録できたことで、やっと自分たちの身体の一部になった気がします。
atsuko
そんな経験があったから、実はキングさんでデビューできた時も期待はしないようにしてたんです。それがアルバムを出せることになって、その1stアルバム『ソラノコエ』の1曲目だった「over the limits」は今でも歌い続けてるんですね。ただ、《思い描いていた場所には まだ辿り着けない》っていう歌詞に、15年経っても共感して歌えてるって何なんだろう?と(笑)。そういった思い入れのある曲はタイアップでなくても収録してます。
KATSU
「cheers!」も『ミュージック・ワンダー☆大サーカス』(おおよそ1年に1度開催される企画色の強い大規模ワンマンライヴ)では必ず歌っているし、「幸せの温度」は後に『蒼穹のファフナー』第一期と『蒼穹のファフナーRIGHT OF LEFT』の監督になる羽原信義さんがすごく気に入ってくださって…“スタジオでひとりで聴いてたら、急に涙が出てきちゃったよ”っておっしゃって、僕らとしては“え、そんなに!?”みたいな(笑)。

シンプルでミニマムな愛の歌だからこそ胸に響くんですよ。収録曲の中では最新の「Calling you」は超ド級にクールなエレクトロチューンですし、それとTVアニメ『アホガール』のOPテーマである「全力☆Summer!」が並んでいるという、この振り幅も驚異的です。

atsuko
あれはご褒美でしたね。いつも闇を切り裂いて困難に立ち向かう曲ばかり作っているから、ただアホについて真剣に考えて作る作業はほんとに楽しかった!(笑)
KATSU
実はいろんな曲を作れるんで、タイアップしてみたいジャンルはたくさんあるんですよ。例えば和のテイストのあるものとかatsukoの声には似合うだろうし、あとはスポーツもの。「シドニア」とか「騎士行進曲」とか、高校野球の応援歌にできそうな曲もちゃんと作ってますからね。

スポーツものの主題歌、ぜひ聴いてみたいですね。ちなみに、今作ではUHQCDという新技術も導入されているとか。

KATSU
そうなんです。CDを軽量化することでプレスの際の負荷を減らし、エラーレートを最小限にしていて、今まで欠落していた情報を読み込めるようになってるんですね。
atsuko
あと、歴代の衣装やギターとかの小物がステッカーで封入されていて、それで自由にジャケットをDIYできる仕様になってます。このシールのためだけの撮影日を設けたりもしたのでコンテストでもやろうかなぁと。

10月27日にはベスト盤を掲げた日比谷野外大音楽堂でのワンマンも決まっていますが、ここでひと区切り感ってあります?

KATSU
…普通はあるんでしょうけどないですね。4枚全部に『蒼穹のファフナー』の曲が入ってますけど、今、すでに次作の『ファフナー』曲を作ってますし。このベスト盤も最新版カタログみたいな感覚で、これから“初めまして”の人に対する名刺代わりになればいいなと。
atsuko
ありがたいことに、歩んできた道がずっとつながっているんですよね。だから、“ここで心機一転!”とかもないし、時期的には今、オリンピックくらいまで見てますから。ただ、野音は時間制限が厳しいので、60曲のうち何曲やれるか…。MCでの私の無駄話の時間がどんどん削られてしまう、そこだけが不安です!(笑)

取材:清水素子

アルバム『angela All Time Best 2003-2009』2018年10月24日発売 KING RECORDS
    • KICS-3755~6 
    • ¥3,300(税抜)
    • ※高音質CD『UHQCD(Ultimate High Quality CD)』仕様
    • ※豪華初回製造分特典
    • スペシャルブックレット2003-2009
    • DIYジャケット用ステッカー
    • DIYジャケット用ケース
アルバム『angela All Time Best 2010-2017』2018年10月24日発売 KING RECORDS
    • KICS-3757~8 
    • ¥3,300(税抜)
    • ※高音質CD『UHQCD(Ultimate High Quality CD)』仕様
    • ※豪華初回製造分特典
    • スペシャルブックレット2010-2017
    • DIYジャケット用ステッカー
    • DIYジャケット用ケース

『angela Live 2018 All Time Best in 日比谷野音』

10/27(土) 東京・日比谷野外大音楽堂

angela プロフィール

アンジェラ:低音から高音に伸びる独特のヴォーカルセンスを持つatsukoと、ギターやアレンジなどでその世界観を生み出すKATSUによるユニット。2003年にTVアニメ『宇宙のステルヴィア』の主題歌「明日へのbrilliant road」でメジャーデビュー。以降、『蒼穹のファフナー』など数々のアニメ作品の主題歌を担当。また、海外イベントへも多数出演しており、世界中のアニソンファンの支持を得ている。17年には初の日本武道館単独公演を成功させ、18年にはデビュー15周年を記念したベストアルバム2枚を同時発売、19年3月下旬よりアジアツアーを、21年12月には17年にもわたってシリーズ全ての主題歌・挿入歌・イメージソングを担当したアニメ作品『蒼穹のファフナー』が完結を迎えることを記念した『蒼穹のファフナー FINAL Fes in パシフィコ横浜』のDay 2にて、“angela LIVE -蒼穹作戦-”と題した豪華ライヴを開催した。angela オフィシャルHP

L→R atsuko(Vo)、KATSU(Key&Gu)
atsuko(Vo)
KATSU(Key&Gu)
アルバム『angela All Time Best 2003-2009』
アルバム『angela All Time Best 2010-2017』

『All Time Best 2003-2009
/2010-2017』CM

「シドニア」MV (short ver.)

OKMusic編集部

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