『朝霧JAM』各ステージの見どころ:
写真家/音楽評論家・久保憲司の妄想
タイムテーブル

音楽ファンや業界関係者から“現場の人”と言われている久保憲司と申します。普段はロック・カメラマンやライターなどをちまちまやりながら生きております。前回はそんな僕が、日本が世界に誇るキャンプ・イン・フェス『朝霧JAM』の魅力を紹介させてもらったのですが、今回は先日発表されたタイムテーブルを元に、僕だったら『朝霧JAM』をこう楽しむという“妄想タイム・テーブル”を書きたいと思います。
■10月6日土曜日 (1日目)
『朝霧JAM』といえばキャンプ。まずはとにかくテントの設置から始まる。自分の基地を確保したところで、今年の『朝霧JAM』はどんな感じかと周りを見渡すと、何も変わっていないようで、毎年変わっている空気を感じる。
『朝霧JAM』のスタートは午後2時から、このゆっくり感がいい。音楽好きなんだから、早起きとか苦手だし、そんなに朝早くから頑張りたくない。まずは朝霧名物のぐるぐるウインナーと生ビールで乾杯しながら、RAINBOW STAGEとMOONSHINE STAGE どちらに行こうか迷う。
ムジカ・ピッコリーノ
大好きなOKAMOTO’ Sのオカモトショウとマイ・ジャパニーズ・フェバリット・ギターリストのペトロールズの長岡亮介らが演じるムジカ・ピッコリーノがあのNHKの音楽番組の世界を、フェスの世界でどう演じるかを見るのが楽しみなんです。けど、初日はRAINBOW STAGEにいることが多そうな予感がするので、Suchmosと同じような今の声を持つTempalayをまず見に行く。そして、ムジカ・ピッコリーノが子供たちをどれだけ楽しませているか、見に行く。
mouse on the keys
次に控えるYOUR SONG IS GOODは最後の盛り上がりを絶対見たいから、ムジカ・ピッコリーノ終わりで、MOONSHINE STAGEに戻って、ポストハードコア、テクノ、現代音楽などをミックスしたサウンドをドラム、ピアノ/キーボード✕2人という、3人でやるmouse on the keysに待機する。今年の『朝霧JAM』は3人バンドが多い。バンド運営は大変だから3人の小編成でやっていくのがバンドを上手くコントロールしていく秘訣だな、だから売れてからはJOHN BUTLER TRIO+みたいに5人編成にしていくんだな、とアホなことを考えるていると、mouse on the keysのとても3人とは思えない音楽にぶっ飛ばされる。機材もみんなのテクニックも上がっているから3人でもいいんだと納得する。
時間は4時とまだ早いけど、早めの晩御飯を朝霧食堂にて富士宮焼きそばと豚汁を食べる。もちろん生ビールも。お腹も満腹、ほろ酔いで、ロックだけどカワイイCHAIを見て、今のオルタナを堪能する。きっとアメリカ、ヨーロッパで売れるんだろうななんて妄想する。
TENNYSON
BIGYUKI
MOONSHINE STAGEでこれから始まる、カナダの天才エレクトリックデュオ兄弟・TENNYSON、トライブ・コールド・クエストのQ=ティップを始め、ヒップホップからジャズのアーティストに絶対なる信頼を得ているセッションプレイヤー・BIGYUKI、デトロイトの次世代ハウスプロデューサー/DJのJay Danielも見たいですが、これからは最後までRAINBOW STAGEで、BOREDOMS、GOGO PENGUIN、YO LA TENGOという奇跡のラインナップにじっくりと浸りたい。月夜に照らされた黒富士で、静と動が入り混じった最高の音楽をずっと聴き続けていたら、きっと僕は富士山より高いところに行けるでしょう。
BOREDOMS
GOGO PENGUIN
YO LA TENGO
■10月7日日曜日(2日目・最終日)
ダイヤモンド富士を拝みながらのスタート(きっと今年も見れるでしょう)。ダイヤモンド富士は本当に神秘的、それを『朝霧JAM』で見られるなんて、世界で一番の朝日だと思います。『朝霧JAM』名物、朝一番のラジオ体操は誰が仕切るんでしょうね。
本門寺重須孝行太鼓保存会
NAO KAWAMURA
GA-PI
まずはRAINBOW STAGEの本門寺重須孝行太鼓保存会の人力Drumn’ n BASSに、ラジオ体操以上に起こしてもらう。そしてNAO KAWAMURAのジャジーでソウルフルな歌声を堪能して、タイを代表する国際的レゲエ /スカバンドのティーボーン(T-BONE)のフロントマンGA-PIのダビーなレゲエで体を揺らしてMOONSHINE STAGEに移動する前に、これまた早めのお昼ご飯はアローイ・アロイのタイ料理を食べて、「なんでフェスとタイ料理は似合うだ」と叫ぶ。
mabanua
Snail Mail
12時10分からは新しいティーンエイジ・ファンクラブのようなnever young beachのスウィートなボーカルとリードギターに酔いしれ、「日本語のロック最高」と叫ぶ。そのままトロ・イ・モイ(Toro y Moi)、サンダーキャット(Thundercat)などの世界のポップミュージックと同じ音を鳴らすマバヌア(mabanua)を見て、まだ18歳なのに、名門レーベルMatador Recordsと契約した才女、スネイル・メール(Snail Mail)を見て、これが今のアメリカの音と感動する。一体どんなライブするんでしょうね。本当に楽しみです。
JOHN BUTLER TRIO +
そして、我らがclammbonです。きっと名曲の数々をやってくれることでしょう。RAINBOW STAGEのヘッドライナー、ジョン・バトラー・トリオ+(JOHN BUTLER TRIO +)が5人編成でどんなすごいライブをしてくれるか気になるところですが、最後はMOONSHINE STAGEに戻ってジェイ・ロック(J.ROCC[DISCO / HOUSE SET])で踊りまくりたい。MOONSHINE STAGEはその前のデトロイトの新世代ハウス・プロデューサー /DJのノレッジ(KNXWLEDGE)からフロアーは最高の雰囲気になっていると思うので。レイブな気持ちも満足させてくれるのが『朝霧JAM』です。
J.ROCC
KNXWLEDGE
どうでしたでしょうか、僕の『朝霧JAM 2018』妄想タイムテーブルは。朝霧に行きたくなったでしょうか? 皆さんと朝霧で会えることを楽しみにしております。
文=久保憲司

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