会見後、単独インタビューに応じた伊藤淳史

 会見後、単独インタビューに応じた伊藤淳史

伊藤淳史「毎日、万感の思いです」 
チーム・バチスタシリーズ最終ドラマ
「螺鈿迷宮」

 ドラマは、伊藤演じる“人のいい心療内科医”田口公平と、仲村トオル演じる“厚生労働省の変人官僚”白鳥圭輔が、絶妙なコンビネーションで新しい医療ドラマを開拓した「チーム・バチスタ」シリーズのテレビドラマ最終作品。今回は、終末期医療を主としながら、死因不明遺体の検死も行う地方病院「碧翠院(へきすいいん)」が舞台となっている。

――これまでは東城医大病院心療内科特別愁訴外来の担当医でした。今回は病院長の指示で碧翠院に派遣される役柄ですが、これは左遷ですか?

 派遣です。左遷左遷っていう展開で僕自身も「それ左遷ですよね」って言ってるんですけれども派遣です、ということで一つよろしくお願いします。

――そういう意味では、今回「左遷じゃないぞ」と活躍する姿は見られるんですか?

 今までの心療内科医の仕事は患者さんだけを診るものだったんですけど、今回は碧翠院にいるみとる側の先生たちもつらい思いをされているので、そういった心のケアもしていくので、今までのシリーズの中で一番本職に近いものをやっているなという気はしますね。

――(仲村トオルとの)夫婦漫才的な部分と深刻な謎解きの部分と、両方のバランスを取ることは難しかったのでは?

 それはすごくトオルさんとも話をして。重いテーマを元にやっているので見ていただくお客さんにはそういうところを感じてもらいつつも、今まで通りの楽しさも感じてほしいと思っていたので、そこは期待していただいていいかなと思います。恒例なんですけれどトオルさんの計算し尽くされたアドリブというのが毎回あって。アドリブを言われるとこっちのお芝居にも影響があるはずなんですけど、トオルさんが考えてきてくださるアドリブは、トオルさんがどれだけ面白いことを言っても次にする自分のリアクションは台本通りでいけるんです。それをすごく考えてきてくださるので、より面白みが増すというか、変に動揺することもなく本番の撮影ができていて楽しんでいます。

――終末期医療をテーマに扱うことについてはどう考えていますか?

 本当にこれだけお芝居をしてきても、自分の中で正直答えを見つけられないまま終わったなと思ったんですね。それはなぜかというと、全ての人に一度だけ訪れる出来事であり、形も違えば状況も違うし、タイミングも違う中で、でも必ず訪れるっていう中で、これを皆さんに考えていただきたいっていうのは思いました。自分自身がこの作品に携わることで知ることができたので、幸せな最期というか、それを考えるだけでも自分の大切な人に対する思いも僕はより一層感じられましたし、ドラマを通じてそういったものを何か感じ取ってもらえたらなと思います。

――シリーズファイナルとなりますが、万感の思いはありますか?

 毎日万感の思いですね。撮影の合間にスタッフの皆さんやトオルさんとご飯を食べに行く機会がありまして、お酒が入ると結構ぐっときちゃって。

――涙もろいのは誰ですか?

 僕、涙もろいですよ。2008年からやっていると本当に話題が尽きないんですよ。撮影現場の話をしただけでも泣けるみたいな。「あー、あの八王子の現場ね」みたいな感じで本当に話題が尽きなくて「でももう終わりなんだよね」って話が終わるんですよ。クランクアップのときのあいさつはトオルさんも涙されましたし、トオルさんも僕も終わる直前までは「なんか終わる気がしないよね」って思っているんですれど、「以上で」って言われた瞬間にぐっときて。作品に対して最高の物を見せようとみんなが思っていて、それだけにワンカットたりとも力を抜かずに、最後まで走り抜けることができたなと思っています。

――二人のコンビは素晴らしいものがありますが、仲村さんからの厚い信頼があったのでは?

 本当にトオルさんには感謝してもしきれないですし、お芝居の話だけではなくていろんな話もさせてもらいました。今回「螺鈿迷宮」の取材をいっぱいしていただいて、「今回が最後ですがあらためてトオルさんいかがですか」みたいな質問をされると、お互いに褒め合いみたいな。話しているだけでも取材中に泣きそうになることが結構あって、トオルさんと「照れくさいね」って言いながらも、うそ偽りのない思いを今まで以上に赤裸々に語れる機会が多かったので、本当に終わってしまう悲しさはありますね。

――仲村さんには芝居以外でも相談事をする?

 トオルさんは役者さんとしても人生においても大先輩ですし、プライベートのことでは“恋バナ”の相談もしました。恋バナというか僕が一方的に話をして、ものすごい大人の見本のような答えをいつも頂いてたんですけど、08年の時は僕は結婚していなかったので、そのときの話をさせていただいたりとか、僕は「ジェネラル」のときに入籍したので、結婚生活とか夫婦の絆の話とか。次は子どもができたら作品がなくてもトオルさんにメールして聞こうかなって思います。実はこのシリーズに入って、トオルさんとメールすることが増えたんですよ。作品が全部終わって、この5年6年を振り返って感謝の思いをメールで長文で書かせていただいたら、それ以上にぐっとくるメールを頂いたりして。

――どんな言葉が印象に残っていますか?

 一番ぐっときたのは「伊藤淳史が思っている以上に本当に(伊藤は)すごい存在だ」とか「本当に感謝している」とかありがたい言葉を頂きました。

――最後に、30歳になりましたが俳優として思うところは?

 びっくりするぐらい30歳になった実感はないんですよね。皆さんには30歳からは早いぞと言われるんですけれど、変わらずに続けていくことと、これからもすてきな作品と出会えるように頑張っていくことが抱負です。

ドラマ情報
「チーム・バチスタ4 螺鈿迷宮」 関西テレビ・フジテレビ系で毎週火曜日午後10時から10時54分まで放送中。

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