【インタビュー】Mana × Közi、MA
LICE MIZERを語る「Kamiの約束が実現
できる」
ゲストボーカルとしてMALICE MIZERと縁が深いShuji(cali≠gari / GOATBED)、KAMIJO(Versailles)、Hitomi(ウミユリ)の3人が招かれ、ゲストドラマーにはKamiの師匠であったSakura(ZIGZO / gibkiy gibkiy gibkiy / Rayflower)が参加。当時、Kamiが使用していたドラムセットを蘇らせてMALICE MIZERの楽曲たちを演奏する。
この貴重すぎるライブを実現させる原動力となったのはMALICE MIZERを長きにわたって愛し続けてきたファンだった。「他のバンドとは絶対に違うことをやりたかった」という当時のエピソードも交え、ManaとKöziにたっぷり話を訊いた10000字のロングインタビューをお届けしたい。
◆ ◆ ◆
■MALICE MIZERをメインにしたライブをやろう
■そう思った出来事が僕の中にあったんです
──<Deep Sanctuary VI 〜MALICE MIZER 25th Anniversary Special〜>と題して、9月8日と9日の2日間にわたり豊洲PITでライブが開催されますが、イベント<Deep Sanctuary>は歴史が長いんですよね。
Mana:はい。2008年から2年置きにやっていますから、今回で6回目です。
──そもそもイベントを立ち上げたキッカケというのは?
Mana:基本、Moi dix Moisのイベントとして始まったんですが、最初(※<Dis inferno Vol.VI>2008年12月27日@恵比寿LIQUIDROOM)はKöziだけが出ていたんですよ。
Közi:ZIZを組む前ですね。
Mana:Köziソロだよね。その時はMALICE MIZERの曲を僕の従兄弟のバンドマン(カツヲU.K [Vo])が歌って、Köziがギター弾いて僕がドラムを叩いたんだよね。
Közi:そうだったっけ?
Mana:「speed of desperate」を演奏して。
Közi:あ〜。
Mana:なのでセッション的な感じで始まったんです。
Közi:初回はMoi dix Moisがメインで、KöziソロとMALICE MIZERの曲のセッションみたいな。
Mana:その時はMALICE MIZER色はそんなに強くなかったですね。せっかくだからセッションをやろうみたいな感じで。
──“ナイスミドル”名義でのセッションでしたが、MALICE MIZERの曲をやろうと持ちかけたのはKöziさん?
Mana:いや、自然に。せっかくMALICE MIZERの2人が集まったんだから、何かやりたいねっていう感じになって。
Közi:確かそのタイミングですげえ久しぶりに会った感じだよね。
Mana:そう。
Közi:MALICE MIZERの活動停止(2001年)以降、連絡を取り合ってたわけでもないし。このイベントがキッカケで久しぶりに会って。
Mana:そうですね。2回目の<Deep Sanctuary 2>では6ヵ所ぐらい廻ったんですよ。
Közi:ジョイントツアーだったね。
Mana:その時の東京公演(2010年7月17日@赤坂BLITZ)からYu〜kiちゃん(B)も参加して。
──初回のイベントで手応えを感じたからツアーに発展したんですか?
Mana:1回目の時に当時のMALICE MIZERを知る懐かしい関係者がいっぱい来て、打ち上げも同窓会的な雰囲気があって楽しかったんですよね。で、次は地方も廻りたいねっていう話をして。
──Mana様は2回目もドラムっていうわけじゃないですよね? このときは“再会の血と薔薇〜ず”名義でオリジナルメンバーのMana様、Köziさん、Yu~kiさんによるセッションが行なわれたそうですが。
Mana:はい、ドラムは最初しかやってないです(笑)。2回目もKöziソロ、Moi dix Mois、最後にMALICE MIZERセッションで2曲ぐらい演奏するというのが基本的な流れでしたね。
──さきほど関係者の話をしてくれましたが、MALICE MIZERを待ち望んでいるファンが多いことも実感したのでは?
Mana:はい。しばらくKöziと絡んでなかったのでMALICE MIZERのファンは沸きましたね。
──Yu〜kiさんはどんな流れで参加することに?
Mana:Yu〜kiちゃんは、MALICE MIZERの活動を停止してからは──。
Közi:仙人みたいになっててね。
Mana:故郷のトランシルバニアに帰っているので<Deep Sanctuary>のために駆けつけてくれた……という設定です(笑)。
Közi:遠いよな(笑)。
Mana:一度、Yu〜kiちゃんとKöziとゴハンを食べたことがあったんですよ。それがキッカケで「何かできればいいね」ってことになって。
──ツアーに発展してからは、シリーズ化していこうよっていうことになっていったんですか?
Mana:自然と2年に1回やるような形にはなっていきましたね、<Deep Sanctuary>というタイトルで。
──なるほど。6回目となる今回の<Deep Sanctuary>は会場も豊洲PITと今まででいちばん大きいキャパの会場となります。
Mana:今回はMALICE MIZER25周年スペシャルなので、今までとは違うんです。これまでの<Deep Sanctuary>はMoi dix MoisとZIZがメインでMALICE MIZERは最後の最後に2〜3曲演奏するという形だったんですけど、今回はMALICE MIZERをメインにしたライブをやろうと。そう思った出来事が僕の中にあったんですね。
■音楽を作るというのがテーマだった
──というと?
Mana:2016年の<Deep Sanctuary V>の時だったんですけど、フィナーレで「au revoir」(オ・ルヴォワール)のインストゥルメンタルバージョンを流して、「楽しかったね」みたいな感じでピックを投げたりしてたんですけど、ステージを去る間際にKöziが“♪もーっと”と歌って。
Közi:サビに入るところでね。
Mana:そう。たまたまそう歌った瞬間、それに続くようにファンの大合唱が起こったんですよ。それにすごく感動して。歌詞もバッチリ覚えてくれていたし。
Közi:僕ら、ステージからはけても舞台袖でずっと聴いてたもんね。
Mana:感動で震えました。だから“次回はちょうど25周年だし、お客さんにもっとMALICE MIZERの曲を聴かせてあげたいな”って、その瞬間に思いましたね。
──イベントを積み重ね、その大合唱を聴いて、みんなの中にMALICE MIZERの曲はずっと生き続けているんだっていうことを改めて感じたんですかね。
Mana:それは大きかったです。こっちから何もリクエストしてないのに全員が大合唱になったことは、本当に忘れられない。
Közi:ちょうど3人がはけるときにBメロが終わりかけてサビに入るところだったから、“♪もーっと”って歌えたんですよ。タイミングも奇跡的だった。
Mana:しかもたまたま、そこにマイクがあったから歌っただけで。
Közi:そう、偶然が重なって。ステージには誰もいないのに最後まで歌ってくれて。まぁ、震えましたね。
Mana:だから、今回のイベントも1年ぐらい前から組んでましたし、すぐに「次はMALICE MIZERメインでやろう」っていう話になったので、もう去年の9月ぐらいにセットリスト考えてましたから。
──そんなに早く!?
Mana:はい。MALICE MIZERの曲をいっぱいやろうって。Yu〜ki伯爵はトランシルバニアに住んでいることもあって、早めにお知らせしないといけないんですよ。なので曲を決めて、鳩を飛ばしました。
──真っ白な伝書鳩を?
Közi:そこは、このデジタル時代ですが非常にアナログな感じなんです(笑)。
Mana:今、MALICE MIZERの曲を久々に演奏するので練習してるんですけど、ギターがとんでもないコード進行だったりしていて(笑)。“よくこんな曲作ってたな。すごく複雑なことしてるな”って実は改めてビックリしています。当時から複雑にしようとは思っていたんですけどね。MALICE MIZERにしかできない音楽を作るというのがテーマだったので、とんでもない展開をしてたり。
Közi:ホントにこんな曲よく作ったなっていう感じですね。今、ふだんはMALICE MIZERの曲を聴いたりしないので、今回のライブで使う音源を確認するためにManaちゃんの家に行ったんですけど、改めて「すげえな」と思いましたね。俺はZIZ以外にもいくつかバンドをやっているんですが、全然スタイルが違うんです。当時は普通じゃない方向を目指していたので、俺もそういうことを意識して曲を作っていたから、今と発想が違うんですよね。
──当時、どういう発想で作ってたんですか?
Közi:あまりバンドサウンドを基準には考えてなかったですね。初期こそギターで曲を作ってたけど。
──その後は打ち込みだったりとか?
Közi:鍵盤とかですね。
Mana:初期はまだ打ち込みを使ってないんですよ。「同期って何?」みたいな発展途上時代だったので、1stアルバム(『memoire』)の頃は完全にアナログなやり方ですね。当時は2人ともギターシンセを使って、パイプオルガンやバイオリンの音を出していたんです。いわゆるロックのギターより、そういう音色に惹かれてギターシンセを駆使してましたから。当時はテクノロジーも発展段階で、ギターシンセのMIDI信号って少し遅れて出力されてたんですね。だから、音を出したいタイミングの一歩前で弾かないと合わない(笑)。けっこう苦労しながらやってたんですけど、“ギターからパイプオルガンの音が出るって面白いじゃない?”っていうことのほうが重要だったし、それがMALICE MIZERらしさだったと思う。
──音の面でも他のバンドがやっていないことを追求していたわけですよね。当時、すごく覚えているのはみなさんが自分でメイクしていたことです。蝶を描いていたり、こんな芸術的なメイクを自らするって、これぞヴィジュアル系の在るべき姿だなって。
Mana:そうですね。初期からメイクは一貫して自分たちでやってました。
──しかも、メイクが絵のようでアートなんですよね。
Mana:絵が上手いメンバーが集まってたっていうのはありますね。
──楽曲のみならずメイク、衣装、ステージングも他のバンドとは違うことをやりたいという想いが強かったんですか?
Mana:サウンド、ヴィジュアル、パフォーマンスにおいても、とにかく他とは絶対的に違うことをやりたかったんですね。途中からは、曲の世界観をより表現できるんだったらギターを弾かない曲があってもいいんじゃないか?と思って。ロック的にはご法度かもしれないですけど(笑)。
──パフォーマンスで見せる曲も衝撃的でした。いろんな意味で先駆者ですが、そのパフォーマンスって時期的にはいつ頃のことでしたか?
Mana:シングル「麗しき仮面の招待状」(1995年発表)の時ですね。表題曲が打ち込みで舞踏会の曲だったので、僕とKöziはその雰囲気を出すために、ギターを置いてパフォーマンスしたほうがより世界観が伝わるんじゃないかと思ったんです。けっこう賛否両論でしたけどね(笑)。
──ははは。「なんで踊るの?」みたいな反応も楽しみだったということもあります?
Mana:はい。対バンにも踊ってるバンドはないので、ミュージシャンから「楽器弾かないで踊るって何?」って。
Közi:最初の頃はすごかったよね。
Mana:お客さんも「え? 弾かないの?」って。
Közi:「ちょっとウケるんですけど」って(笑)。
──それを貫いたのもスゴイですね。賛否両論で世間をザワつかせたってことですから。
Mana:賛否両論があるっていうことは逆にいいのかもしれないです。“何あれ?”って思っても、だんだん面白く感じてもらえたり。引っかかるところがないとダメだと思っていたので、あらゆることをやってましたね。
■革命的だったと思います
──メジャーデビューシングル「ヴェル・エール 〜空白の瞬間の中で〜」(1997年発表)はミュージックビデオが7分以上にも及ぶショートムービーのようで凝りに凝っていたし、初の渋谷公会堂ライブの中世ヨーロッパ風セットも忘れられません。
Mana:初めて世にガツンと出たVHSが渋谷公会堂のライブで……当時はDVDでも当然Blu-rayでもなく、まだVHSでしたね(笑)。あのときはバンパイアが好きだったので、Yu〜ki伯爵は完全にバンパイアだったし、みんなが好きな世界をより立体的に徹底的に表現しようと思ってました。あのライブでYu〜kiちゃんはまさかの宙を飛ぶんですよ(笑)。
──そうそう、驚きました(笑)。
Mana:たぶんバンドのライブを見に行ったというよりも舞台──お客さんはミュージカルを見てるような錯覚に陥ったんじゃないですかね。バンドでしっかり演奏する曲とパフォーマンスする曲をうまくミックスして。
──構築された演奏とシアトリカルな要素が混ざりあっていて。今でいうエンターテインメント的要素は意識していたんでしょうか?
Mana:はい、かなり意識していました。
Közi:中途半端な感じではなく。さっきManaちゃんが言ったように、賛否が別れるくらいに行ききったほうが逆にいいみたいな。
Mana:やるなら突き抜けようと。Köziはメジャーデビューの時はアフロヘアーでしたからね(笑)。
Közi:最初は抵抗あったけどね(笑)。ピエロのイメージで行こうっていうところからのアフロでした。
Mana:でも普通なら、メイクはピエロでも髪はロックっぽくしますけどね。
Közi:まぁ、そこも行ききったほうが面白いかなと(笑)。
Mana:Yu〜kiちゃんも初期の頃から髭ですけど、綺麗に見せるのが当たり前なヴィジュアル系で髭を生やすってこと自体、あり得なかったですからね(笑)。ヴィジュアルショックはあったと思います。
──最初に雑誌で写真を見たときは「え? 髭のメンバーいるんだけど……」って衝撃的でした。
Mana:当時、MALICE MIZERは“薔薇と髭”って言われ方をしてましたから(笑)。
Közi:「あの薔薇と髭のバンドでしょ?」って(笑)。
Mana:革命的だったと思います。僕は究極の女形を突き詰めようと思って、初期の頃から身につけるものは全部女性モノでした。
──アクセサリーを含めて徹底してましたね。
Mana:アクセサリーから下着まで。ヴィジュアルが女性なのに下着は男モノっていうのも違うでしょ。当時はよく本当に女性だと思われてたんですよ、「バンドに1人、女の人いるよね」って。名前もManaだし。
──ステージ上でしゃべることがなかったから、見た目は完全に女性ですよね。言葉を発さないというのも最初から決めていたんですか?
Mana:初期はそこまで決めていなかったんですけど、バンドの方向性が見えてきた頃にそのほうがいいなと。
──MALICE MIZERの登場後は、女形のメンバーがいるヴィジュアル系バンドも増えました。
Mana:ああ、そうかもしれませんね。そのほうがバランスがいいっていう雰囲気になったのかもしれないですね。
──エレガントなのにステージでギターをガンガンに弾く姿も新鮮でした。
Mana:初めて見る人はビックリしたと思います(笑)。
Mana:Moi dix Moisはバンドのようであってバンドではなく、僕のソロプロジェクトなので、作詞、作曲、編曲は全部自分がやっています。違うのは、MALICE MIZERってヘヴィメタルなイメージは全くなく、中世クラシックの世界だと思うんですけど、実は僕個人は10代の頃、すごくメタルが好きだったんです。シンフォニックメタル、ゴシックメタル、ブラックメタル、スラッシュメタルなど、MALICE MIZER時代は封印してた、僕ががっつり好きだったサウンドをMoi dix Moisでは解禁しています。
──でも、Moi dix Moisにもエレガンスな雰囲気はありますよね。
Mana:そうですね。エレガントな部分は引き継ぎつつ。MALICE MIZERは曲によってはカラフルだったんですけど、Moi dix Moisは漆黒、ダーク、シンフォニック。それに速い曲が多い。今、新曲をたくさん作っているんですけど、それらはライブでかなり披露していて、今後へ向けてアルバム制作を進めています。
──KöziさんのZIZはバンドサウンドを全面に押し出していますね。
Közi:ZIZは完全にバンドです。メンバー5人それぞれが曲を作るので、毎回みんなで持ち寄って音源にパッケージしているんですけど、あえてコンセプトは立ててないんですね。自分がギター弾きながら歌っているんですが、俺の声が乗っかればZIZになるのかなっていうのが最近なんとなく見えてきたので、音に関する制約はないです。ノンジャンルがジャンルみたいな。
──8月25日にはミニアルバム『LIQUID STUNT FLAVOR』がリリースされるそうですが。
Közi:前回のミニアルバム(『テヅルモヅル No.5』)以上に“闇鍋”の世界が炸裂していると思います(笑)。いろいろなタイプの曲があるので。
──そこにもMALICE MIZERで培ってきたものは反映されていますか?
Közi:もちろん。ただManaちゃんは昔からガツッとした世界観をお持ちの方なので。
Mana:ははは。基本的に変わらないからね。
Közi:俺の場合、MALICE MIZERの頃から“Köziはこう”っていうのがなくて。
──尖っていてロックなイメージはありましたけどね。
Közi:それもザックリとしたものじゃないですか。昔から雑多にいろいろな音楽が好きで、今もそれは変わらないからZIZでもメンバーが持ってくる曲を「面白いね」ってのっかっていけるみたいな。
──ただ、Köziさんの歌だったりメロディが中心にある音楽ですよ。
Közi:そのへんはたぶんMALICE MIZERの頃から培われたメロディなんですかね。歌メロを考えると自然とバンドアレンジはそうなるんですよね。
■当時の佇まいでステージに蘇るんです
──なるほど。そんなMoi dix MoisとZIZのステージがあり、今回のMALICE MIZERのスペシャルセッションにはYu〜kiさんのほか、ゲストボーカルにShujiさん(cali≠gari/GOATBED)、KAMIJOさん(Versailles)、Hitomiさん(ウミユリ)の3人が参加しますね。この経緯についても教えてください。
Mana:彼らはみんなMALICE MIZERのローディだったんです。
Közi:それぞれ関わっていた時期は違うけどね。
Mana:MALICE MIZERには3人のボーカル(TETSU、GACKT、Klaha)がいたんですけど。
Közi:今回は最初、歴代のボーカル全員に声をかけたんだよね。
──そうだったんですか!?
Mana:はい。Klahaくんだけは連絡がとれなかったんですけどね。ほかの2人も、それぞれ現在の音楽スタンスが違ったりとか、いろいろな事情で集まることができなかったんです。それは残念ですけど、代わりに素晴らしい3人のボーカルが参加してくれる。
Közi:「MALICE MIZERに関わってくれた人たちと一緒にやりたいよね」って声を掛けたんだよね。現在も3人は、それぞれバンド活動しているし。
──3人にとっても、このオファーは嬉しかったでしょうね。
Mana:みんな「ぜひ歌わせてほしい」って感じでしたね。
Közi:うん。声を掛けたら二つ返事で「喜んで」って。
──誰がどの曲を歌うのかは、まだ秘密?
Mana:はい。これは見てのお楽しみで、今回の見どころですね。それと曲によって僕はギターを弾かないので。
──それ、ヒントですね。
Mana:Moi dix Moisではギターを弾きっぱなしなので、久々にギターを置いてパフォーマンスするっていう。
──何年ぶりですか?
Mana:15〜16年ぶりじゃないですかね。
KamiがMALICE MIZERで叩いていた紫のドラムセットを東京まで持って帰って来た。 9月8.9豊洲ピットのステージにKamiのドラムセットを音が鳴る状態でセッティングします! Kamiの最後の台詞「またライヴで逢いましょう…」時間はかかったけどなんとか現実になるね。 絶対に来てくれよKami! Mana pic.twitter.com/Rp0jzozELQ
— Moi dix Mois (@M_d_M_official) 2018年7月3日
Mana:はい。SakuraくんはKamiの師匠ですから、いちばん適任だろうということで。
Közi:当時、ドラムのチューニングに来てくれたこともあったからね。
Mana:確かレコーディングの時だったよね。それで今回、Sakuraくんと一緒に3人でKamiのドラムセットを茨城まで取りに行ったんですよ。
──Kamiさんの両親による依頼で、ご実家に返還されていたKamiさんの愛用ドラムセットが母校である茨城県立佐竹高校い寄贈されていたそうですね。それをMana様、Köziさん、Sakuraさんの3人が今回のライブのために受け取りに行ったという。
Mana:はい。普通に軽音楽部みたいなところで現役のドラムセットとして使われていたんですね。ただ、MALICE MIZER時代のセットに足りないパーツがあったので、Kamiの家の倉庫を探してみたんですよ。
Közi:そうしたら、あったんだよね。
Mana:どうしても3連のスプラッシュシンバルが欲しかったんです、それがKamiのドラムの特徴だったので。見つけたときは、「あった!」ってみんなで盛り上がりましたね(笑)。なので、今回、20年ぶりにKamiのドラムセットがあの当時の佇まいでステージに蘇るんですよ。
リハでした。 紫のドラムの音〜♪ シビれた! Mana pic.twitter.com/q1AZOMgubH
— Moi dix Mois (@M_d_M_official) 2018年8月7日
Mana:今、Sakuraくんがメンテナンスをしてくれてます。Kamiのセットを忠実に再現して、そのセッティングのまま叩いてくれるんです。
Közi:セットの点数はもちろん、キックペダルの位置からして同じように。
──Sakuraさんも相当思い入れが強いとか。
Közi:紫のドラムセットを発注した当時も、KamiはSakuraくんにいろいろ相談していたみたいで。
Mana:パーツを探していたときも、「このセットのシンバルはあのライブで使ったヤツだ」とかね。Sakuraくん、めちゃめちゃ詳しいんですよ。「これが武道館のときで、これがアリーナのときだ」って。僕らは正直、そこまでわからなかったですけど(笑)。
Közi:そう。パーツを見ただけで、どの時代に使っていたものかがわかるから、ドラムセットもセッティングも完全にKami仕様のものとして、当日ステージに登場します。
──いろんな意味で貴重すぎるライブですね。
Mana:はい。Sakuraくんに叩いてもらえるのは本当に光栄ですね。Kamiも嬉しいと思いますし。
──そして、今回のために新衣装で登場するんですよね。
Mana:はい。当時、MALICE MIZERの衣装を手がけてくれた方が制作してくれています。
──きっと華麗な衣装になるんでしょうね。
Közi:華麗かどうかはわからないですけど、それぞれの当時のイメージを発展させた感じになると思います。衣装に関しても当時と同じようにメンバーがそれぞれ描いたデザイン画をお渡しして、打ち合わせして、ああだこうだ20年ぶりにバトルしながら(笑)、今も制作しています。
■25周年を記念した特別な夜です
──楽しみですね。当日はMALICE MIZERの曲をアプローチを変えて演奏するとか?
Mana:ガラッとは変えないです。今の時代に置き換えて多少アレンジする曲もありますけど、基本は再現しようと思ってます。
──ちなみにどれぐらいの曲を演奏するんでしょうか?
Mana:今回はかなりやります。25周年ということでMALICE MIZERセッションに重きを置いているので。
Közi:がっつりやりますね。
Mana:ZIZとMoi dix Moisはオープニングアクトみたいな立ち位置なんです。
Közi:前説みたいなものですよ(笑)。
Mana:なので、いろんな時代の曲をまんべんなく。
──代表曲はもちろんのこと?
Mana:やるでしょうね。
──最後にお2人からBARKSユーザーにメッセージを。
Mana:今回、最初は1日だけの予定だったんですけど、チケットを取れなかった方がたくさんいて、「どうしても見たかった」という嘆きの声がかなり届いたんですね。で、急遽、ミーティングをして2DAYSになったんです。あと、世界中からチケットの申し込みがあって、アジアやヨーロッパからもたくさんの方が見にきてくれます。「MALICE MIZERが、今、見られる」っていう想いが世界中から伝わってくるような……それにもウルッときてますね。
──Moi dix MoisもZIZも海外での活動を継続していますが、それによってMALICE MIZERが海外でも評価されているようですね。特にMoi dix Moisはヴィジュアル系のどのバンドよりも先に海外での活動を行っていましたし。
Mana:最初はお客さんも少なかったんですが、徐々に広げていくことができました。
──そういう意味でも、海外の方々はもちろん、日本の若いファンもMALICE MIZERを映像でしか見たことがないという人も多いでしょうし。
Mana:そうですね。
Közi:“こんなに待ち望んでくれている人が未だにいるんだ!”と思ったし、嬉しいし、ありがたいことですよね。次はこんなことないかもしれないもんね。
Mana:まあ、わかんないけどね(笑)。
──これは、二夜限りのものですか?
Mana:はい。再結成ではありません。MALICE MIZER結成25周年を記念した特別な夜です。
──ただ、そこで震えるような出来事がまた起こるかもしれない。
Közi:確かに何が起こるかはわからないですね。今回は個人的に、Kamiのドラムセットで演奏できるのがとにかく嬉しい。Kamiも一緒にステージに立てる感じがするから。
Mana:うん、かなり嬉しいね。願いが叶ったし、「またライヴで逢いましょう…」というKamiの約束が実現できる。当日が楽しみですね。MALICE MIZERのライブといえばコスプレなので、ぜひみなさんもドレスアップして来てください。
取材・文◎山本弘子
■<Deep Sanctuary VI 〜MALICE MIZER 25th Anniversary Special〜>
開場17:00 開演18:00 ※SOLD OUT
2018年9月9日(日) 東京・豊洲PIT
開場16:00 開演17:00 ※追加公演
【出演】
Moi dix Mois
ZIZ
Special Guest:Yu~ki
▼MALICE MIZER Special session
<Guest Vocal>
MALICE MIZER roadie's
・Shuji (cali≠gari / GOATBED)
・KAMIJO (Versailles)
・Hitomi (ウミユリ)
<Guest Drum>
kami's master
・Sakura(ZIGZO / gibkiy gibkiy gibkiy / Rayflower)
【チケット】
Premium seat ~Gift for Memorial Goods~(税込) ¥30,000
指定席(税込) ¥13,000
後方立見(税込) ¥9,000
※1drink別
※未就学児童入場不可
※9月9日の追加公演プレミアムシートもSOLD OUT
・チケットぴあ 0570-02-9999
・ローソンチケット 0570-084-003
・イープラス http://eplus.jp
(問)HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
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