【イベントレポート】<アイドル横丁
夏まつり!!~2018~>、灼熱のステー
ジで輝きを放った今注目すべきグルー
プとは?

<アイドル横丁夏まつり!!~2018~>が、夏のアイドルフェスの先陣を切って2018年7月7日、8日に横浜赤レンガパークで行われた。学校が夏休みに入り、<関ケ原唄姫合戦>などアイドルフェスが既に各地で開かれている中、今夏にぜひとも注目してほしいアイドルを<アイドル横丁夏まつり>のライブレポートをかねてピックアップしよう。
TOKYO IDOL FESTIVAL (TIF)>、<@JAM EXPO>と並び、東日本で行われる3大アイドルフェスとして定着した<アイドル横丁夏まつり!!>。ほかの2つのフェス前に開催され、まだあまり動員のないグループや、結成してまもないグループが多く出演することから「横丁夏まつりで見つかった」と、ここを切っ掛けにして口コミでうわさが広がり、その後人気が加速するアイドルも多い。またこのフェスだけで行われるコラボも見所の1つで、今年はEDMアイドルグループとして熱狂的なファンを獲得しながらも、2017年に活動を終えたStereo Japanの「Electron」をカバーしたStereo Yokochoと、今年2月に解散し秀逸なカバーソングと数々の名曲を残し現役アイドルの中にもファンが多い、アイドルネッサンスの「前髪」をカバーしたアイルネ大好き選抜コラボステージが8日に行われた。

AKB48チーム8や、でんぱ組.incラストアイドルファミリーといった知名度の高いグループが例年以上に出演した今年の<アイドル横丁夏まつり>。その中で個人的に一番印象に残ったのは、昨年ここで「見つかった」と言われ、その後ネクストブレイクアイドルとしてステップアップを果たしたTask have Funが、横丁1番地(メインステージ)で行ったライブだった。メンバー3人の成長ぶりが感じられたパフォーマンスの素晴らしさはもちろん、1年経ってメインステージに登場した(しかも両日!)凱旋ストーリーという演出もグッときたのだが、何と言っても一番驚いたのはお客さんの反応。ヘッドライナーのチーム8やでんぱ組に負けないぐらいパンパンに埋め尽くされた観覧エリアのお客さんが、手を頭の上で合わせ前後に振る「3WD」の振りコピーをする光景は圧巻で、Task have Fun推しではないアイドルファンまでもがその振りを踊れているのを見て、「3WD」は今やアイドルファンにとってBiSの「nerve」と同じように共有される曲になっていることを実感させられた。
▲Task have Fun

フェスの楽しみ方は人それぞれ違うと思うが、ステージを流れで楽しむというのもその1つだと思う。7日の横丁2番地でのmonogatari~東京パフォーマンスドールParty Rockets GTというダンス&ボーカルグループ3組が続くステージでのお客さんの反応も面白かった。TPDのお株を奪うようなノンストップパフォーマンスでTPDやパティロケのファンの心を掴んで大いに盛り上がったmonogatariの熱を引き継ぐように、TPDはダンスのみのナンバー「Neo Elements」からスタートして、タオル回しの夏曲「Are you with me??」まで、6人組になったグループをアピールするような色の違うダンスナンバーを4曲披露。続くParty Rockets GTも昨年12月に新メンバー2名が加入し、新体制5人での夏フェスは初参加ということで、気合が入りまくった激しいステージを展開。中でもアイドル活動経験がなく、昨年までファンとしてアイドルフェスを観に行っていたというSAEの可愛らしい声としっかりとした低音を歌いわける歌力には驚かされた。
▲東京パフォーマンスドール

新グループで気になったのは、<アイドル横丁夏まつり!!~2018~>がデビューステージだったメイビーME。デビュー前からルックスの良さで話題になっていた彼女たちだが、披露された楽曲がどれも素晴らしく、特にC'mon C'monのメイビーモエ(exぽわん)が提供した「NO MORE DD宣言」はファンとともに成長する曲で、今後アイドルファンの間で広まり話題になる可能性を感じた。
▲メイビーME

スターダスト系のアイドルや、虹のコンキスタドール、天晴れ!原宿、26時のマスカレイドなどの現在既に人気があるアイドルをこの機会に見てみようというお客さんが多く、例年と比べて誰もが「見つかった!」と大声で言うようなアイドルが、今年はいなかったように思えた<アイドル横丁夏まつり!!~2018~>。そんな中で異彩を放ち、ライブ後に「楽しかったけど、これTIFでは大丈夫なの?」という声が上がっていたのが、“神激”こと神使轟く、激情の如く。だった。8日の横丁3番地でのライブは、リーダーの実久里ことのが投げかける魂の叫びのようなMCと、1曲の中で何度もテンポチェンジがあるドラマチックな楽曲で、コアなファンはもちろん、『週刊ヤングジャンプ』誌のサキドルエース企画で優勝し表紙を飾ったメンバー生牡蠣いもこを一目見てみようと集まっていた一見のお客さんたちを一瞬で掌握。結成からまだ1年経っていないグループながらとんでもない数のライブをこなしてきた彼女たちは、初参加だったフェスでも普段やっているライブハウスでのライブと同じように、観客エリアにサークルを作ってみんなで楽しむ自分たち流をつらぬき、その結果ハッピーで大きなサークルを回して規制の厳しい夏フェスでの奇跡を起こした。
▲神使轟く、激情の如く。

猛暑の中アイドルフェスはこれからが本番。今夏も暑さと闘いながらアイドルたちは夢を追ってステージに上がっている。先日取材させてもらった某アイドルは「ファンが以前より減っているのは正直わかっているので、私たち今年は勝負の夏なんです」と語ってくれていた。在宅アイドルファンや、今年は暑いからと躊躇している人がこの記事を読んで、アイドルとの二度と味わえない平成最後の夏を過ごしに、フェス現場へと足を運んでくれたら嬉しく思う。

取材・文:山村哲也(Pop’n’Roll統括編集長)

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