LUNA SEAとの深い絆でつながった、ジ
ャンルやカテゴリーを超えたアーティ
ストたちの共演『LUNATIC FEST. 201
8』レポート(1日目)

LUNATIC FEST. 2018

2018.6.23 幕張メッセ
LUNA SEAが主宰する史上最狂のロックフェス『LUNATIC FEST. 2018』が、初開催となった前回から約3年の月日を経て6月23日、24日に幕張メッセにて2DAYS開催された。前回から続けての参戦はcoldrainDIR EN GREYGLAYMUCCの4組のみ。今回はそこに初参加の14組も加わったことで、前回以上にジャンルを超越しきったラインナップが幕張メッセに集結。ここまでジャンルやカテゴリーが違うアーティストが集まって『LUNATIC FEST.2018』はいったいどうなってしまうのだろうか。
その心配は、まったく杞憂に終わった。
このフェスに出られたことを泣きそうになりながら感謝するバンドもいれば、バンドでの参加が叶わないならと一人で海外からこのフェスのために来日した人もいた。LUNA SEAの個々のメンバーと深い絆でつながっている人々が見せたとてつもないLUNA SEA愛を感じさせるライブと、LUNA SEAから今回共演のオファーを受け、それに対して最大限の熱量で愛を届けようとするアーティストたちの素晴らしく気合いと気迫のこもった熱いライブ。それらの熱量を次々とバトンタッチして最後にトリのLUNA SEAにつなぐと、参加者たちの愛あるエネルギーに本気にさせられたLUNA SEAが、最強のパフォーマンスでみんなへの感謝の気持ちを大爆発させる。終わってみれば、こんなにも愛溢れるフェスは他にないんじゃないかというぐらい、出演者たちがLUNA SEAを軸にジャンルやカテゴリーを超えて音楽でつながっていくという、まさに最狂に素晴らしくて美しい、多幸感に包まれたフェスを目撃することになった。
そんな『LUNATIC FEST.2018』(以下、ルナフェス)のレポートをお届けしよう。
LUNACY『LUNATIC FEST. 2018』2018.6.23 幕張メッセ
まずその初日となった6月23日。今回のルナフェスは広いフロアの両側に、MOON STAGEとMOTHER STAGEが対面する形で設置されていて、そこで交互にライブが行われていくという流れだった。初日のトップバッターとして朝11時にMOTHER STAGEに現れたのはLUNACY。主催者であるLUNA SEA自ら、結成当初のヴィジュアルを再現して当時の曲を演奏するという、前回のルナフェスでおなじみとなったパフォーマンスで、ルナフェス開幕を告げた。
coldrain『LUNATIC FEST. 2018』2018.6.23 幕張メッセ
そうして、リハの音出しから本気感丸出しだったcoldrainがMOON STAGEに登場。Masato(Vo)が「coldrainらしく暴れて歌って楽しんで!」と叫び、アグレッシブな「No Escape」、「The Revelation」を連続投下すると、ステージ前は肩車から人集りのなかへダイブしていく人が続出していった。

女王蜂『LUNATIC FEST. 2018』2018.6.23 幕張メッセ
続いて、夜の妖艶なムードを引き連れステージに現れたのは女王蜂だ。アヴちゃん(Vo)が「スペシャルゲストを呼びます」といってJを呼び込むと、伝説の女王蜂とJのセッションバンド“J王蜂”がルナフェスで復活!! 一緒に「デスコ」を奏でると、カラフルなジュリ扇があちこちで舞った。
The BONEZ『LUNATIC FEST. 2018』2018.6.23 幕張メッセ
オルタナティブなロックチューンでルナフェスに爽快な景色を描いったThe BONEZのステージにもJは飛び入り参加。「Hey,You」で下手側にいたJESSE(Vo)とJが絡んだアクトについて「ヤベー。俺、いちゃついちゃったもんね。最後、歌わなきゃいけないのに(笑)」とJESSEが打ち明け、観客の笑いを誘っていた。
ACE OF SPADES『LUNATIC FEST. 2018』2018.6.23 幕張メッセ
次にGLAYのHISASHI(Gt)が現れ、ACE OF SPADESのステージが始まると、舞台中央にはアンプに足をかけ、スタンドマイクで歌うEXILEのTAKAHIRO(Vo)の姿が。アクションはワイルドながらも、王子のような爽やかな笑顔がスクリーンいっぱいに映し出されるとフロアからは大歓声が上がる。ロックチューンをTAKAHIROらしい美声で歌い上げていると、その途中にACE OF SPEADESのTシャツを着たINORANが登場!「Lounder」をTAKAHIROに負けない笑顔で共演し、女子の心をキュンキュンさせていった。
back number『LUNATIC FEST. 2018』2018.6.23 幕張メッセ
変わって、珠玉のメロディとせつない心を描写したセンチメンタルなバラードで男性たちの心をキュンキュンさせていったのがback numberだった。「出られて嬉しかったっス」と伝えた清水依与吏(Vo)は、そのあと“バンド”と言いたかったところを“ボンド”と言ってしまい「うだうだ語ると安っぽくなるので、どんどん演る」と言って「クリスマスソング」を始め、ヒット曲を連発。ずば抜けた演奏力、見ている側がヒリヒリするような姿で歌っていく様は、男性だけはなく観るものすべての心を揺さぶり、メガヒットを持つバンドならではの圧倒的な説得力を持った歌力で周りを魅了していった。
GLIM SPANKY『LUNATIC FEST. 2018』2018.6.23 幕張メッセ
続いて、GLIM SPANKYは異国情緒漂うSEで場内の空気をガラリと変えながらステージに登場。音を出したとたんに、60~70年代の匂いを持ったサイケデリックでブルージーなロックが幕張に充満。「愚か者たち」では、「いま、一番仲いいです」とGLIMのメンバーに紹介され彼らをフェスに誘ったSUGIZOがステージに出てきて、ギターを弾きまくってGLIMのアクトを大いに盛り上げた。
シド『LUNATIC FEST. 2018』2018.6.23 幕張メッセ
次に現れたのは、シド。現在15周年のメモリアルイヤーの真っ最中の彼らは、マオ(Vo)のアカペラから始まるインディーズ時代の名曲「青」を歌い、シドらしい歌で観客の度肝を抜いた。中盤にLUNA SEAのバラード「I for You」をカバーしてみせると、曲の途中からなんとRYUICHIが姿を表し、マオとツインボーカルでこの曲を歌い上げるとメッセは大歓声に包まれた。歌い終えた直後「うわ~、緊張した~」と素直に感想を述べたマオが「ここからはシドのライブを楽しんで」と彼らの代表曲「嘘」を、さらには炎がバンバン上がるなかで「目眩」を叩きつけ、熱いパフォーマンスで場内を盛り上げていった。
DIR EN GREY『LUNATIC FEST. 2018』2018.6.23 幕張メッセ
DIR EN GREYは、受精卵が分割していくオープニングムービーから人間の暗部を抉っていくような独自の世界観を貫いたアクトで、風格の違いを見せつけていく。MVとともに「人間を被る」を演奏し終えると、スクリーンにはバンド名の文字がメラメラ燃えながら映し出される。“ここは自殺の庭さ”と縦書きで歌詞を映し出していった「The Final」は魂をわしづかみにするようなアクトでフロアを飲み込み、新曲「Ranunculus」で最新型のDIRを披露したあとは「VINUSHKA」を熱演。「此処が真実だ」という京(Vo)の叫びが観客たちの心を突き刺さしていった。
GLAY『LUNATIC FEST. 2018』2018.6.23 幕張メッセ
DIRとは真逆に、「サバイバル」からエンタテインメントなステージングでメッセをとことん楽しませていったのはGLAY。名曲「HOWEVER」で感動させたあとは、「BELOVED」をTERU(Vo)とACE OF SPADESのTAKAHIROが見事なハモりで披露したと思ったら、「シン・ゾンビ」は曲中にLUNA SEAの「FATE」をフィーチャーしてプレイ。「SHUTTER SPEEDSのテーマ」が始まると、今度はシドの明希(Ba)が飛び入りしてJIRO(Ba)と向かい合ってベースを弾くと、場内が沸き立つ。さらに、「彼女の“Modern…”」は、この日フェスに遊びに来ていたというNESMITH(EXILE/EXILE THE SECOND)がステージに呼ばれて、歌で飛び入り参加! そうして「LUNA SEA兄さんたちのやさしさがたっぷりつまったこのイベントで、コイツをやらない訳にはいかない」と言って始まった「誘惑」では、SUGIZOが登場。場内のボルテージをどんどん上げまくって、この日のトリであるLUNA SEAへと熱いバトンをつないだ。
LUNA SEA『LUNATIC FEST. 2018』2018.6.23 幕張メッセ
ライブ前、いきなり真矢のドラムセットが鳴り出したと思ったら、プレイしているのはかつて真矢のローディーをしていた淳士(Dr/BULL ZEICHEN 88SIAM SHADE)。サウンドチェックを兼ねてドラムを叩いた淳士は、なんとそのまま真矢の右後方にスタンバイ! そうして、LUNA SEAのライブは「Hold You Down」で開幕。ハンドクラップが起こるなか、照明のプリズムが場内をまばゆい光で一気に包み込んでいく。「『LUNATIC FEST.』、第2回目を迎えました。集まってくれたバンドが、めちゃめちゃ熱い演奏を聴かせてくれたんで、俺たちも雨(このとき、外は豪雨に襲われていた!)が吹き飛んじゃうぐらいやってやろうと思います。いくぞ幕張ー!!」とRYUICHIが叫んで始まった「Dejavu」でフロアは大興奮。この日のセットリストは、先日まで彼らが行なっていたツアーを踏襲したものだった。そのツアーのなかで育っていった壮大な「闇火」は、揺らめく炎に包まれるなか、SUGIZOのバイオリンとINORANのアコギが奏でる静かな歌い出しから、Jと真矢の力強いグルーヴにのせてRYUICHIがものすごい集中力で凄まじくエモーショナルな歌唱を披露して、観客をステージに釘付けに。そして、ツアーではアコースティックセットでプレイしていた「I for You」を、この日は久々にバンドバージョンでパフォーマンスして、メッセをさらなる感動へと導き、終盤はキラーチューンを連打したあと「WISH」を畳み掛け、フェスのオーガナイザーとして集まったオーディエンスの心をひとつにしていった。
LUNA SEA『LUNATIC FEST. 2018』2018.6.23 幕張メッセ
アンコールはこの日の出演者をステージに迎えて、LUNA SEAの「BELIEVE」の大セッション大会が始まった。最初にドラムを叩くのは淳士。ボーカルはTAKAHIRO、TERU、マオからRYUICHIへと歌い継ぎ、サビでこの4人がセンターのモニターに足をかけて歌う姿がビジョンに映し出されると、ルナフェスならではの豪華すぎるミラクルショットに場内には絶叫が沸き起こった。SUGIZOの代わりに間奏のリードギターをHISASHIが弾いたり、淳士から真矢にドラムが変わると、シドのゆうやが送風機を肩にかついで真矢に風を当てていたり、INORANとJIROが向かい合って演奏していたかと思えば、Jは自分の後ろにいたback numberの小島和也(Ba)をこっそり前に押し出していたり、曲中はあちこちでハートウォーミングなシーンが生まれたアンコール。
『LUNATIC FEST. 2018』2018.6.23 幕張メッセ
ルナフェスならではのスペシャルな光景を前にした観客たちは、この日最大の拍手で出演者たちを讃えた。そうして「最高の初日が迎えられたと思います。最後にみんなで一つになりたいと思います」とRYUICHIが言い、RYUICHIの合図で全員でジャンプをしたあと初日は閉幕。終演後、外に出ると本当にさっきまでの豪雨が吹き飛び、雨が止むというミラクルまで引き越してルナフェスの初日を締めくくった。
取材・文=東條祥恵

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