ザ・フーパーズ グループ史上最大の
危機をいかにして乗り越えたのか、ピ
ンチをチャンスに変えた絆とは?

マルチクリエイターでYouTuberのコバソロと、ボーカルリーダーの未来(ミライ)によるコラボ動画が「女性なのにイケボ!」「同性なのに恋しちゃう」とその中性的な歌声と王子のようなルックスが話題となり、未来のカバー動画シリーズの総再生回数はなんと1,200万回を突破。そこに、6月27日発売のニューシングル「ジュエルの鼓動が聴こえるか?」限定の新メンバーとしてi☆Risの澁谷梓希(シブヤアズキ)が加入というニュースも加わり話題沸騰中の“イケメン女子グループ”、ザ・フーパーズだが、今年2月にリーダー・麻琴(マコト)が卒業。さらに、それに追い打ちをかけるように陽稀(ハルキ)の活動休止が決まり、グループ史上最大の危機に直面していた。彼女たちがその荒波をどうやって乗り越え、再び航海をスタートさせたのか。新作のこと交えながら、メンバー全員に胸の内を訊いた。
このメンバーと一緒ならピンチもチャンスに変えられるという思いと、応援して下さるファンの方々の存在があったからこそ、諦めずにくることができた。
――新曲「ジュエルの鼓動が聴こえるか?」は前作「ヴァンパイアキス」の“世界観重視”というコンセプトとは真逆の、爽快なシングルになりましたね。みなさんの今作の推しポイントはどんなところですか?
未来(ミライ):全体的に爽やかなところですね。この曲は、小さい子供たちから大人まで、すべての人の背中を後押しできる曲だなと思います。個人的には、とくに出だしの<泣きたい夜に笑った君 守りたいものがあったのかい?>というところが推しです。自分たちのことと無条件に重なって、歌っていて自分自身も背中を押されますね。
星波(セナ):ダークな世界観が強かった「ヴァンパイアキス」に比べると、すごくギャップがあるとは思うんですけど。今回はザ・フーパーズのロックな曲というところが推しで、新しい一面が感じられると思います。歌のなかでは<いつかきっとって望む方へ…>というところが好きです。水平線の彼方に太陽が見えてくる気がして。歌詞自体が前向きなんですけど、そこに自分たちの未来が重なりますね。
千知(セシル):今回の聴きどころは、いままでのザ・フーパーズにはなかった爽やかさ!自分たちの曲のなかでも、今回はありのままの自分たちを出せたと思います。Aメロの歌詞とか、思いっきり自分たちにリンクしているので感情的になるんですよ。なので、人生に迷ってる人がいたら、この曲で元気になってほしい。それに歌詞だけじゃなく、今回は未来くんの歌がみんなを包み込んでくれるような感じなので、そこでも励まされると思います。
未来:ありがとう。そういってもらえて嬉しい(笑顔)。
つばさ:ポイントは、爽やかな応援ソングというところ。一緒に乗り越えよう、歯を食いしばってっていう、そこを後押ししてくれる曲です。現状は大変でも、立ち止まるんじゃなくて前を見て突っ走って行こうぜという感じで。ライブでやると疾走感があって、自然と笑顔になるんです。
ザ・フーパーズ/未来
――きりっとしたキメ顔ではなくて、笑顔というのも新しいですね。
つばさ:はい。キメ笑顔です! 今回、キザな笑顔をちょっとだけ練習しました(笑)。でも、テンションが上がると自然とみんな笑顔になるんです。この曲はそこもポイントです。
Lee(リー):推したいところは全部です(笑顔)。歌詞はすごく背中を推してくれて前向きになれるし。特にサビの<彼方に水平線 旅に出ようぜ、その見えない地図を広げて>がきますね。振り付けのポイントは、全員がすっと真ん中に寄っていくところ。その一体感を見て欲しいです。MVはファンの方と一緒に撮影したんですけど、やる前は、ファンの方が“海賊ダンス”の振り付けを真似してくれるかどうか不安だったんですけど、みんなすぐに真似してくれてホッとしました。ライブでもお客さんと一緒にできたらいいなと思ってます。
乃愛(ノア):今回の曲はMVも大好きで、そのなかでも私の推しポイントはDメロでの未来くん。女の子と演技をしているシーンはドラマみたいで、綺麗だなと思いました。衣装は海賊がテーマなんですけど、怖い感じではなくて、綺麗な海賊なんですよ。そいうところが自分たちにぴったりだなと思ったので、それぞれの衣装も見てもらいたいです。
澁谷梓希(シブヤアズキ/ずっちゃん):サプライズ発表で、このシングルの活動のみ限定加入することになったんですけど。まず、こんなカッコいいシングルが作れて嬉しいです。最初は、i☆Risというアイドル声優ユニットで、可愛い系の音楽をやることが多い自分が、こんなカッコいいイケメン女子のなかでやっていけるのかどうか、不安しかなかったんですけど、メンバーに助けられてなんとか歌うことができました。今回の楽曲は自分が得意なジャンル、ロックなものだったので楽しく歌えました。でも、MVを撮るときはファンにとって自分がいるザ・フーパーズはどうなんだろう?って思っていたんですけど、実際にみんなの前で歌ってみたら、感動しかなかったです(笑顔)。この楽曲は、曲のなかにせつなさと勢い、しっとりした部分がバランスよく入ってるところが絶妙なので、そこが推しポイントですね。
ザ・フーパーズ/星波
――前作「ヴァンパイアキス」から今作までの間に、ザ・フーパーズ自身、心のジュエルが濁ってしまって、行先の航路が見えなくなるというグループ史上最大の危機を体験したそうじゃないですか。
未来:はい。実はリーダーが卒業して以降、しばらくそんな状態が続いていたんですよ。それでも立ち止まる訳にはいかないから、1日1日をこなしていくだけで必死でした。その頃は、マイナスの空気しか出てなかったです、全員から。どうしていいのか分からなくても立ち止まれなくて、目の前に大きな壁が押し寄せてきて、進みたくても前に進めない。そんな状況がずっと続いて、本当にどうにもできなくて、支えが欲しかった。
星波:リーダーがいなくなってから時間が止まったみたいだったよね?
未来:リーダーの卒業後、すぐに残りのメンバーで新体制のお披露目みたいなイベントがあったんですけど、それに向かって一緒にやっていた陽稀が、突然体調不良でお休みすることになったんですね。
星波:それまで普通に自分たちと一緒にリハをやっていたのに。
未来:だから、それも余計にショックで。
――予兆とか、相談はなにもなかったんですか?
未来:なにもなかったんです。
つばさ:体調が悪いことも全然分からなかった。
Lee、乃愛:うん。
未来:メンバーに気を使って何もいえなかったんだ、いわないで一人でガマンしてたんだと思うと余計に辛くて。
ザ・フーパーズ/つばさ
――……そうでしたか。
未来:そうして自分たちはグループ最大の危機に陥っていったんだと思います。それで“このままじゃあ本当にダメになる”というところまでいって。でも“新メンバーを入れよう”という発想はなかったんです。とにかく、心の支えが欲しくて。“ずっちゃんがいてくれたらな……”っていうのが自然と出てきたんですよ。
星波:ずっちゃんはずっとザ・フーパーズを聴いていて下さっていて。デビュー前に『TIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)』のイベントに出たときには握手会にも来て下さったんですよ!
千知:プライベートでも自分たちのことや、音楽をすごく好きだといってくれてたんです。
――そんな関係性があったんですね。
未来:はい。だから、ただ新しいメンバーが入るということではダメだったんです。メンバー全員が尊敬してて、人間性も分かってて、信頼できる人はこの人しかいないと思って。それで限定加入のお願いをしたのがずっちゃんだったんです。
ザ・フーパーズ 9thシングル限定メンバー/澁谷梓希(i☆Ris)
――サプライズでいきなりメンバーになって欲しいということを告げられたとき、ずっちゃんはどうだったんですか?
澁谷:すぐにOKしました。私でいいの?って思いながら(笑)。
――ずっちゃんの加入で雰囲気は変わったんですか?
Lee:みるみる変わりました。
乃愛:ずっちゃんは面倒見がよくて、すごいイケメンなんです(笑顔)。
未来:そういうので、みんな明るくなっていったんですよ。あんなにマイナスしかなかった空気が温かい感じになって。
つばさ:そこから、私たちの海賊船がやっと帆を上げて前に進むことができたんだと思います。
――じゃあ、ずっちゃん加入がなかったら。
未来:本当に危なかったかもしれないです。
ザ・フーパーズ/千知
――そんな危機が迫っていても、ザ・フーパーズは心のジュエルを最後まで投げ出さなかった訳じゃないですか。その理由はなんだと思いますか?
未来:いまの自分たちのスタイルを、たくさんの人に知ってもらうという大きな夢が心のなかにあり続けたからだと思います。
星波:一人では無理でも、このメンバーと一緒ならピンチもチャンスに変えられるという思いと、応援して下さるファンの方々の存在があったからこそ、諦めずにこれた気がしますね。
千知:結局は、気持ちなんだと思います。夢や目標があって、そこに向かいたいと思う個人の気持ち。それを支えてくれるスタッフやファンを大切に思う気持ち。その人たちの期待に応えたいと思う気持ち。そういう気持ちがある限り、ジュエルが消えることはない気がします。
ザ・フーパーズ/Lee
――分かりました。このシングル発売後は 夏の東名阪ツアー『TOUR FANTASIA 2018-夢のトビラ-』が開催されますが。こちらはどんなツアーになりそうですか?
星波:リーダーが卒業してから、新しいスタートを切ろうとずっともがいていた自分たちが、今回のシングル「ジュエルの鼓動が聴こえるか?」という曲で、やっと航海への扉を開くことができました。ここからが、本当の意味での新しいスタートです。みんなで新しい道に進んでいくための幕開けとなるツアーになるので、その姿をたくさんの方に見届けてもらいたいです。
Lee:自分たちは普通のグループにはない世界観を持っているので、ライブが始まるとそこがすぐにザ・フーパーズの空間になるんです。
星波:まるで魔法の国で夢を見てるような感覚になるライブだと思うので、このザ・フーパーズならではの世界を体験しに来て下さい。
ザ・フーパーズ/乃愛
――このツアーは限定メンバーのずっちゃんがいない、新体制のザ・フーパーズのお披露目ツアーにもなるんですよね。
未来:そうですね。
澁谷:私はお客さんとしてこっそり観に行きます(笑顔)。
星波:観に来るんだったら出ちゃいなよ。
Lee:出ようよ!
澁谷:出ちゃう?(笑) ザ・フーパーズのライブは世界観が素晴らしいので、いろんな方に観て欲しいです。私も観に行きます!!
取材・文=東條祥恵

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