【杏沙子 インタビュー】
妄想と現実を行き来する
ポップス界の新星誕生!
透明感あふれる歌声で心地良いグッドミュージックを聴かせてくれるシンガー、杏沙子。彼女の素顔が覗ける愛らしいインタビューをどうぞ!
デビューミニアルバム『花火の魔法』は夏にぴったりの気持ちの良い作品になりましたね。
そう言ってもらえるとすごく嬉しいです! 5曲とも違ったストーリーで、カラフルな味が楽しめるものにしたいと思ったので、選曲も曲間の秒数もこだわったんです。
“花火の魔法”というタイトルがとても素敵です。
ありがとうございます。このタイトル曲は2年ほど前に男女6人で旅行した時に、花火をしたことがきっかけになってできた曲なんです。当時、その中に好きな人がいたわけではなかったんですが、“もし、ここに好きな人がいたら、本当に最高だろうな”って妄想していて(笑)。花火の持ち手が魔法のステッキになり、相手が恋の魔法にかかればいいというストーリーが浮かんで、この曲を作ったんです。
これは誰もが一度は経験したことがあるだろう胸キュンなシチュエーションですよね。いつも妄想から曲が生まれるんですか?
妄想が多いですね。私は鳥取県出身なんですが、小学校の通学時間が徒歩1時間だったんです。そこで見えるのは広い空と田んぼ、そしてクジラ型の山。で、雲がいろんなかたちに見えては想像したり…“もし、私が主人公だったら”と常に頭の中に物語が広がっていったんです。その癖が今も抜けることなく、上京してきた時は、夜に光る信号機やライトがドロップに見えたことも(笑)。そんな理想と妄想が曲になり、歌詞になって生まれていくんです。
毎日がすごく楽しそうですね!
あはは。確かにそうなのかも! でも、その妄想がまとまるのはお風呂の中で。完全にリラックスした状態の時にメロディーや歌詞が生まれてくるんです。私にとってバスタイムは大事な制作時間なんです。水の中から曲が生まれていると言っても過言ではありません(笑)。
だからこそ、鼻歌で歌いたくなるような気持ちの良いメロディーなのかもしれないですね。
曲を作る時に大事にしているのが“ナチュラルに出てきたもの”ということで。自分が一番気持ち良く歌えるかどうかが大事なんです。
今作には提供曲も2曲収録されていますね。
はい。インディーズ時代は全て自分で作詞作曲をしていたんですが、自分の可能性を広げていくために提供曲にも挑戦させていただきました。制作してくれた方は私が作っていた曲を聴いてイメージを膨らませてくれたらしく、最初に聴いた瞬間から“私の歌だ!”と違和感なく思う、不思議な体験をしました。さらに、自分が思い付かないメロディーの持って行き方や、言葉の選び方などがすごく刺激になり、次から作る曲にすごく影響を与えてくれたんです。
どんな影響でしょうか?
これまでは感情をそのままストレートに書いていたんですが、少し立ち止まって違う角度から見るようになったんです。新たな出会いがきっかけで自分が生み出す曲が変わっていくことが楽しみになりました。
では、最後にメッセージをお願いします。
このミニアルバムがみなさんの夏の思い出に寄り添うような一枚になれたらと思って作っています。ぜひ共感できる曲を探してもらえると嬉しいです。
取材:吉田可奈