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【aiko インタビュー】
aikoが全身全霊で紡いだ
濃密な最新アルバム

全エネルギーを集中させて
歌うことがいつも以上にできた

「あなたは」は胸を打つサビメロが印象的なミディアムナンバーですね。

これは去年作ったんですけど、プロデューサーが気に入ってくれて。私自身、大好きな曲やったから、レコーディングすることが決まった時は“いいの? ほんまに録っていいの?”ってめっちゃ嬉しかったんです。アルバムの中では一番、牧歌的な曲ですけど、浜ちゃん(浜口高知)のギターが泣いててすごくいいんですよね。

「ドライブモード」は軽快なサウンドが楽しい一曲です。

これね、生まれて初めて♪ラララで作ったんですよ。

え! 詞先で曲を作るaikoさんがメロディーから作ったわけですか?

そうそう。ちょっと違った作り方をしてみようかなっていうきっかけがあって。今までは書き溜めておいた歌詞を見ながら、“これ、曲にしたいな”と思ったものにメロディーを当てはめていく感じだったんですけど、これは曲から作っていったんです。

そういう作り方はどうでしたか?

作り方としては全然違うんですけど、でも迷うことはなかったかな。スタジオでふと思い付いた歌詞をその場で書いたりっていうこともできましたし。すごく楽しかったです。

「愛は勝手」はゆったりとしたグルーブを持つサウンドの上で艶っぽい歌声が響いています。《短い爪に繰り返し綺麗でいてねと赤を塗り続けた》とか、《盗んだ心をどうあつかっているの? 毎日何回触ってくれているの?》とか、ドキッとするフレーズが満載ですよね。

あー嬉しい! そういう歌詞を書きたいモードだったっていうのもあるし、あえて書こうとしてたところもあったと思います。いつもやったら“この言葉は強いからやめておこうかな”って思うものもとりあえずバーッと書いて、それをまとめていく感じで。この曲の2コーラス目の歌詞は、バンドのみなさんのカッコ良い演奏を聴いたことでブワッと浮かんだところもありましたね。

「夜空綺麗」はブレスで始まり、ブレスで終わる曲。aikoさんの歌声をより近くに感じられる気がしました。

この曲は歌うのがすごく大変なんですよ。今回はキーのレンジのこととかをまったく気にせずに作った曲ばかりなので、高いところはめっちゃ高いし、低いところはめっちゃ低いっていう。ツアーのリハをしていると、その大変さに改めて気付くんですよね。自分で作っておきながら(笑)。でも、それだけ自由に、いろんなタイプの曲を作ることができたんやなってことにも気付けるので、それはすごく嬉しいですね。

スカアレンジが弾ける「あたしのせい」。これもまたライヴで活躍しそうですね。

これは最初からスカのイメージがあったので、そのまんまアレンジャーさんにお願いしました。私は普段、ピアスを外さずに生活をすることが多かったので、いつもお風呂上りにタオルが引っかかって取れたりしてたんですよ。それが億劫やなと思いつつ、でも外すのも嫌やしなみたいな、そんな感情がきっかけでできた曲ですね。

随所に出てくるロングトーンがアクセントになっていますね。すごく気持ち良い。

そうですね。これはライヴでは絶対に楽しくなると思うので、今からわくわくしてます。

続く「うん。」でもロングトーンが効果的に使われています。さらに、後半に出てくる超高音まで達するフェイクがとにかくヤバくって。鳥肌が立ちました。

あそこまで高いところまでいくフェイクも、あそこまで長いロングトーンも今までなかったですね。“やってみよう!”と思ってやりました(笑)。この曲は歌っててほんとに楽しかったです。子供の頃、テレビの歌番組やラジオから流れてくる曲を一生懸命覚えて、真似しながら歌っていた時の楽しい感覚を鮮明に思い出すことができたというか。同時に、今まで自分がやってきていなかったことをやれた感じもしたので、ほんまにめっちゃ楽しかったです。

本作はヴォーカリストとしての深化を改めて感じさせてくれる曲ばかりですよね。

今回のアルバムでは、1曲ごとに全エネルギーを集中させて歌うことがいつも以上にできたと思うんですよ。だから、歌い終わった時に“歌ったなー!”ってすごく思えた。いつもとはまたちょっと違う達成感が全ての曲で味わえた気がしますね。

「宇宙で息をして」はどこか昔の歌謡曲、ポップスを感じさせるようなメロディーですよね。すごく素敵。

洋楽とか昔の日本の曲って、曲の構成がシンプルであってもものすごく切なくて泣けるじゃないですか。それはたぶん素直なメロディーによるところが大きいんやろうなって思うんです。だから、自分も背筋がスッと伸びるような切なくて素直なメロディーを持つ曲を作ってみたいなと思ったんです。曲ができた瞬間、家で“やったー!”って思わず言っちゃいました(笑)。

そして、アルバムはバラード「だから」で感動的なエンディングを迎えます。

この曲ができた時、あえて1曲目にするかで悩んだところもあったけど、やっぱりこれは絶対に最後やなって思いました。今回は本当にいろんな曲を入れることができたんですけど、最後はあえていつものようにバラードで終わるっていう。ずっと聴いてくれてる人がね、最後にこの曲でちょっとホッとしてくれたら嬉しいですね。

全国ツアー『Love Like Pop vol.20』で本作の楽曲たちが生で聴けることを楽しみにしてます!

私も歌うのが楽しみ! 筋トレをしっかりしながら、燃え尽きるくらいの気持ちでみんなにぶつかっていきたいですね。

取材:もりひでゆき

アルバム『湿った夏の始まり』2018年6月6日発売 PONY CANYON
    • PCCA.15013 ¥2,913(税抜)
    •  
    • ※初回限定仕様盤
    • ※カラートレイ&初回限定ブックレット
    • ※通常仕様盤

『aiko Live Tour 「Love Like Pop vol.20」』

6/08(金) 神奈川・川崎市スポーツ・文化総合センター
6/15(金) 栃木・宇都宮市文化会館
6/16(土) 栃木・宇都宮市文化会館
6/23(土) 東京・NHKホール
6/24(日) 東京・NHKホール
6/28(木) 岡山・倉敷市民会館
6/30(土) 鳥取・米子コンベンションセンター
7/06(金) 静岡・アクトシティ浜松 大ホール
7/08(日) 三重・三重県文化会館 大ホール
7/16(月) 大阪・フェスティバルホール
7/17(火) 大阪・フェスティバルホール
7/20(金) 京都・ロームシアター京都
7/28(土) 愛知・名古屋国際会議場センチュリーホール
7/29(日) 愛知・名古屋国際会議場センチュリーホール
8/06(月) 北海道・札幌ニトリ文化ホール
8/07(火) 北海道・札幌ニトリ文化ホール
8/11(土) 広島・上野学園ホール
8/12(日) 広島・上野学園ホール
8/18(土) 宮城・仙台サンプラザホール
8/19(日) 宮城・仙台サンプラザホール
9/02(日) 長野・長野ホクト文化ホール
9/07(金) 新潟・新潟県民会館
9/12(水) 東京・NHKホール
9/13(木) 東京・NHKホール
9/18(火) 埼玉・大宮ソニックシティ
9/23(日) 福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール
9/24(月) 福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール
9/28(金) 熊本・市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)
9/30(日) 長崎・長崎ブリックホール
10/02(火) 鹿児島・鹿児島市民文化ホール 第一
10/07(日) 沖縄・沖縄コンベンション劇場
10/12(金) 徳島・鳴門市文化会館
10/14(日) 香川・レグザムホール(香川県県民ホール)
10/20(土) 滋賀・滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール
10/22(月) 兵庫・神戸国際会館
10/28(日) 山形・やまぎんホール(山形県県民会館)
10/30(火) 青森・八戸市公会堂 大ホール
11/02(金) 大阪・フェスティバルホール
11/03(土) 大阪・フェスティバルホール
11/17(土) 東京・NHKホール
11/18(日) 東京・NHKホール
11/29(木) 東京・NHKホール
11/30(金) 東京・NHKホール
12/08(土) 大阪・フェスティバルホール
12/09(日) 大阪・フェスティバルホール

aiko プロフィール

アイコ:1975年、大阪生まれのシンガーソングライター。98年にシングル「あした」でメジャーデビュー。3rdシングル「花火」が大ヒットを記録し、全国区で注目の存在に。等身大の目線と心情で描かれた恋愛における微妙な女心が多くのリスナーの共感を呼んでいる。aiko オフィシャルHP

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アルバム『湿った夏の始まり』※初回限定仕様盤
アルバム『湿った夏の始まり』※通常仕様盤

アルバム『湿った夏の始まり』
トレーラー映像

「ストロー」MV(Short ver)

OKMusic編集部

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