【対談】中村ピアノ x 真戸原直人(
アンダーグラフ)「私にとってのツバ
サ」

6/6にユニバーサルミュージックより「銃声と花びら」でデビューした中村ピアノ。過去に引きこもりの時代があり、その時に出会ったアンダーグラフの「ツバサ」に心を救われたと言う中村ピアノ。辛い時期を乗り越え、今アーティストとして同じステージで憧れの真戸原との対談を実現した。中村は憧れの真戸原に対して何を語り、真戸原は新たな才能に対して何を語るのか?
──中村さんは過去に引きこもりだった時代があったと伺いました。
中村ピアノ:そうですね。私は昔から音楽が大好きで、中学時代にはコピーバンドも始め、音楽活動をしていましたが、バンドメンバーと上手くいかないことも多々あり続かず、自分一人でも音楽を続けようと努力しましたが、八方ふさがりになってどん底まで落ち込んで、毎日ただ家にいるだけの生活をしていた時期がありました。ただ、そんな生活の中でも唯一音楽を聴くことだけはできて、その時に観ていた深夜の音楽番組で偶然、アンダーグラフの「ツバサ」を聴きました。

「ツバサ」は私の心にすっと入ってきてくれて、聴くと落ち着くような…。家でただ音楽を聴いているだけの期間が3年ほどありましたが、その間何度も聴いて救われた楽曲でした。
真戸原直人(アンダーグラフ):僕も中村さんと似たようなところがあって、高校時代の三年間は友達が一人もいなかったです(笑)。中学まで野球をやっていてプロ野球選手になるのが夢だったんですけど、肘を壊してしまって、高校に入ってからは野球もやらず、男子校にも馴染めず、そこから音楽を聴くようになりました。おそらくその時代に培った“孤独感”が、必然的に曲中に表出されていると思います。

実際、「ツバサ」を音楽番組で放送してからは、中村さんと同じように学校に行けなかった子が行けるようになったとか、全く予想してなかった反応がたくさん返ってきて、それ以来テレビも含めどんな形でも音楽を届けることが大切だなって思いました。
──お二人には通ずる点があって、中村さんもそんなアンダーグラフの音楽に惹かれたんですね。
中村:感慨深いです。毎日薄暗い部屋の中で今のダメな状況をなんとかしなきゃと思いながらも、なかなか体や気持ちが動かなかったけれど「ツバサ」は、頑張れ!って背中を押すのではなく、自分に寄り添ってくれるような感じが心地よくて、何度も聴いていました。今こうして音楽の力で立ち直ることができ、自身も音楽の道に進むことができたことをとても嬉しく思います。
──そんな中村さんは、今年6月6日にユニバーサルミュージックより『銃声と花びら』のメジャーリリースが決定しましたね! 今回はどのようなコンセプトの作品になりますか?
中村:リードトラックの「銃声と花びら」は女性目線の楽曲で、金曜の夜とか次の日が休みの時の高揚感を表現していて、例えば高い買い物がしたくなったり、片思いの人に好きって言える気がする!みたいな衝動を曲にしました。
真戸原:早速音源を聴かせてもらいましたが、引きこもりだった時代がすごく生かされている音楽だなと思いました。その時代がなかったら発散する音楽を作るときにここまでの発想にはならないのかなと思いますね。天性だなと僕は思います。
中村:ありがとうございます。真戸原さんのおっしゃる通り、引きこもりの時代がなかったらそもそも音楽をやろうとも思わなかったと思います。もしかしたら他にやりたいことも見つからず、もっと悪い方向にいってたかもしれないです(笑)。
真戸原:バランスが取れてない人間の代表ですよね(笑)。
中村:本当にそうですね(笑)。
──2曲目の「交差点」はいかがでしょう?
真戸原:かっこいいですね!
中村:ありがとうございます!前作はピアノやバイオリンがメインでしたが、この楽曲では疾走感を大事にしたかったので、ギターを入れてみました。
──3曲目の「XYZ」はガラッと曲調が変わりますね。
中村:そうですね。今までの私の作品の中で一番ポップな楽曲になります。
真戸原:めっちゃいいです(笑)。
中村:本当ですか?ありがとうございます!
真戸原:いい意味でおどろおどろしい怖さがあるというか、アクがあるというか、そういうポジティブな意味での“暗さ”がすごく魅力だなと思います。
中村:真戸原さんは、曲を作る時コンセプトを決めて書くとか、歌詞から、メロディーからなど制作における決まり事はありますか?
真戸原:僕はなるべく色々なパターンで作れるようにしています。ただ一番得意なのは、こういう人のために書こうとか、シチュエーションを決めて書くことですね。本当は自分から生まれてくるとか、メロディーが降りてくる、みたいなのがかっこいいんでしょうけど(笑)。僕の場合は、限られたお題の中で掴んでいくのが得意かなと思います。
中村:歌詞はどのように作られてますか? やはり心がけていることや自分の中で決めていることがあるんでしょうか?
真戸原:あります! 歌詞は一番ありますね。
中村:ぜひ教えていただきたいです!
真戸原:自分の中でテクニックはあって、なるべく使われない言葉を使って表現したりとか…。あとは、歌詞って実は音なので「ツバサ」に関してはトップにくる言葉を“か行”や“た行”を意識して作りました。
中村:なるほど…。とても勉強になります!
──真戸原さんは先輩アーティストとして中村さんに対して何かアドバイスはありますか?
真戸原:これからはメジャーでの音楽活動になると思いますが、変わらず納得いくような形でやっていったらいいと思います。

僕もメジャーで活動し始めた当初は、売れることが全てじゃないと思いつつも、プロになるっていることはある程度売れるために何をするべきなのかを考えなければいけないと思っていた時期がありました。でもこの業界の中に絶対に売れる曲が分かる長老みたいな人がいるわけでもないし、音楽は不特定多数の人に聴いてもらうものというのに対して、どの曲が一番多くの人の心を掴めるのかって分かる人はほとんどいないと思うので、自分がこれや!って思うものを周りの人と一緒に上手く進めていくのがいいと思います。
中村:そうですね。今一緒に作品を作ってくれるスタッフの方も、私の音楽を理解してくれてやりたいようにできているので、本当に恵まれているなと思います。これからも変わらず頑張っていきたいです!
──音楽業界の流れもかなり変わってきたかと思いますが、その辺りはどうでしょう?
真戸原:社会全体が180度変わって、音楽業界もその影響を受けますよね。
音楽配信も普及し、もはやCDが売れる売れないも関係のない時代になって、アーティスト個人が自ら発信していけることが沢山ある時代だと考えた時に、それらとどう共存していくべきなのかは考えていかなければいけないなとは思います。

あとは、アーティストが発信できるツールが増えたこともあり、昔よりもアーティストが中心にいるべき存在になったと思うので、才能や個性がある人が沢山出てきて音楽業界が成り立ったらいいなと思います。誰やねんって感じですけど(笑)。
一同:(笑)。
──中村さんは今後、どんなアーティストを目指していきたいですか?
中村:私の作品は、等身大の自分を表現した楽曲が多いので、もっともっといろんな自分を表現していきたいなと思っています。あと、今後は真戸原さんのように、誰かのために作品を作ってみたいという気持ちもあります。今は自分の嬉しかったこと、悲しかったことなど自分を表現した作品が多いので、誰かのために音楽を作れるような人間にもなりたいです。
撮影協力:Miracle dogenzaka

インタビュー:井草直人

文:下森也実
ライブ・イベント情報


中村ピアノ × 真戸原直人(アンダーグラフ)共演実現

「中村ピアノ弾き語り2マンスペシャル公演」


~あああああああ!~

【日程】2018年8月11日(土)

【時間】18時開場/18時30分開演

【会場】東京・四谷天窓.comfort

【出演】中村ピアノ/真戸原直人(from アンダーグラフ)

※O.A.わかないづみ


~さささささささ!~

【日程】2018年9月13日(木)

【会場】東京・新宿御苑ROSSO

【出演】中村ピアノ/伊澤一葉(ex.東京事変)

【時間】18時開場/18時30分開演

※O.A.erina149


~たたたたたたた!~

【日程】2018年10月28日(日)

【会場】 東京・四谷天窓.comfort

【時間】18時開場/18時30分開演

【出演】中村ピアノ/瑠愛

※O.A. 野坂ひかり
【問い合わせ】090-8649-8861(ローズクリエイト)

【入場料】¥3800+1D

【チケット販売】イープラス(6/7 10時より発売)

【問い合わせ】090-8649-8861(ローズクリエイト)

【前売りチケット】(6/7 10時より発売)

https://eplus.jp/ath/word/74640
リリース情報

中村ピアノ「銃声と花びら」

発売日:2018年6月6日(水)

価格:初回限定プレス盤(飛び出すAR歌詞カード仕様)1296円(税込)

収録曲

1. 銃声と花びら

2. 交差点

3. XYZ

<amazon>

http://amzn.asia/gmjcnyC

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