「臼井孝のヒット曲探検隊
~アーティスト別 ベストヒット20」
実はスゴい存在の
AKB48のヒットを探る

総合3位と総合5位は
メンバーの水着姿のMVが印象的な
夏ソングがランクイン!

総合3位には2011年の「Everyday、カチューシャ」がランクイン。この曲と総合5位になっている2012年の「真夏のSounds Good!」はともに夏景色を描いたナンバーで、ミュージックビデオでも各メンバーの水着が惜しげもなく披露されている。

この2作は共に前述の総選挙投票シングルとして、「Everyday~」は累計約161万枚、「真夏の~」は約182万枚と、いずれもCDが大ヒットしているが、前者はダウンロードでもミリオンヒット、カラオケは8位、後者もダウンロードが50万件以上、カラオケも13位と、総合的にヒットしている。

やはり、これらのヒットは渚を感じさせる爽快感がありつつも、ちょっとスローにくちずさむと、夏が終わった後の切なさも感じられて、その光に隠された影の成分が絶妙という、歌詞とメロディーの相性が抜群であるというのも大きいだろう。ちなみに、両作品の作曲者である井上ヨシマサは2015年のアルバム『それぞれの夢』にて「真夏のSounds Good!」をスローバージョンでセルフカバーしていて、その“影”の部分をフィーチャーするような歌唱が特長的だ。

やはりCDセールスが強い
総選挙投票シングル

AKB48の総合TOP3はCDセールスで見ると、「恋チュン」7位、「フラゲ」5位、「Everyday~」6位といずれも決して強くない。やはり、CD以外でどれだけ支持されるかどうかが、楽曲の寿命を決めているようにも思える。

ちなみに、2017年末までの51枚のシングルで、CDセールスが最大となっているのが2013年の「さよならクロール」の196万枚、次いで多いのが前述のように2012年の「真夏のSounds good!」の182万枚、3位が2014年の「ラブラドール・レトリバー」で約179万枚、4位が2015年の「僕たちは戦わない」で約178万枚となっており、いずれも総選挙投票シングルとなっている。

ただ、「さよならクロール」と「僕たちは戦わない」はいずれも配信もカラオケもTOP20圏外、これは2016年の「翼はいらない」と2017年の「願いごとの持ち腐れ」という2枚の投票シングルも同様だ。近年の投票シングルがCDセールスばかりが突出し、音楽配信やカラオケなどで楽曲自体が支持されていないようだ。2018年の投票シングル「Teacher Teacher」はAKB48としては珍しいクールなダンスナンバーで、振り付けも韓国のパク・ジュニ氏が担当するなど、K-POP的な要素が強いので(そういえば、本作を略すれば「T T」(笑))、例えばTWICEのように配信やカラオケで支持されるのか、ヒットの動向が気になるところだ。

OKMusic編集部

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