【AURA インタビュー】
復活後初のシングルは大人AURA
ビジュアル系という言葉がなかった時代にメンバーそれぞれが赤、黄、緑、紫のテーマカラーを持ち、ぶっ飛んだコスチュームで登場し、1989年にメジャーデビューを飾ったAURAが、2006年の復活以来、約10年振りとなる新曲を発表する。新しいAURAと懐かしいAURAが共存する楽曲たちについて3人に話を訊いた。
「Beautiful way」はイントロのコーラスから風が吹いている景色が浮かんでくるようで、メロディーが際立っていて純粋にいい曲だなと思いました。
REDS☆
嬉しいですね。AURAが復活してライヴ活動をする中、しばらく新曲を出していなかったので、携わってくれているレーベルのスーパーバイザーに“バンドは新曲を書かなきゃ駄目ですよ”って何度も言われていたんですよ。ファンが楽しみに待っているのも分かっていたし、リリースするチャンスが来たので“じゃあ、曲を書こう”と。「Beautiful way」は新曲たちのデモを送ろうと思った時にふっとイントロとコーラスの部分が降りてきて。すぐにワンコーラスできたのでおまけで録ったら、その後もメロディーが自分の頭の中でリフレインしていたので、スタジオで歌ってメンバーに聴いてもらって、この曲でいこうということになりました。
《君と出会えなきゃ この僕はそう ここにはいない》と歌う曲でもありますね。
REDS☆
歌詞はあとから書いたんですけど、車を運転していたら《風を香らせた野に咲く花のように〜》という出だしの言葉が出てきたんです。今は亡きメンバー、龍巻のPIE(Gu)は子供の頃から“わいは風の子や”って言っていたので、俺は今も風が吹くとPIEちゃんを感じるんです。そういうこともリンクしたし、ずっと待たせてしまった全国に散らばっているファンに届くようにイメージして書きました。《君と夢を 追いかけて》っていう言葉だったりね。今、こうやって新曲を発表できて、取材も受けれて、諦めずに続けてきて良かったなと思います。立ち止まりそうになることもあったけど、応援して待っていてくれるファンがいることが自分の中のモチベーションだったことは事実だったので。
Marble
AURAはポップでキャッチーな曲が多いので、最初に「Beautiful way」を聴いた時は落ち着いたミドルテンポの曲調だからKoREDS★と“自分たちの年齢と今までの日々を踏まえて、こういう曲になるのはいいよね”って話しましたね。ベースも含めて今までとまた違う雰囲気が出せた曲です。
KoREDS★
今のAURAに相応しい楽曲に仕上がったと思います。“大人AURA”の中にも昔ながらのイメージも組み込まれているなと感じましたね。
カップリングの「DAYS」はライヴで披露されている曲?
REDS☆
そうですね。7〜8年前からライヴでやっている曲で、ファンに限らず友達も好きっていう人が多い曲ですね。以前オムニバス盤に収録した曲なんですが、“もっと良くなる”っていう心残りがあったので、悔いを残さないように再度こだわってレコーディングしたんです。
KoREDS★
今もライヴでメインの位置に持ってくる曲なので、完成形として“これが「DAYS」なんです”と自信を持って言えるものに仕上げられたと思います。
「DAYS」の歌詞にも過去の日々が綴られていますね。
REDS☆
僕は想像では歌詞が書けないんですよ。自分が感じたことや過ごしてきた日々を赤裸々に書いてますね。誰もがいつか死に向かうのであれば時間は限られているし、さっき話したように思い残すことがないように、やれることはやっておこうよっていう。KoREDS★は「DAYS」が好きだよね?
KoREDS★
そうですね。初めて聴いた時にREDS☆ワールドが僕の中にドーンと入ってきて、ドラムのイメージがすぐに沸いたんですよ。思い入れは強いかもしれないですね。
そして、「大切な人」なのですが、3曲の中で一番清々しい曲です。
REDS☆
まさに。これも新曲と言えば新曲です。
KoREDS★
去年の7月からライヴで披露している曲です。
REDS☆
最初、タイトル曲をこっちにしたかったぐらい個人的に好きな曲ですね。ライヴで歌っていて気持ち良い。今回のシングルの中で一番往年のAURAっぽい曲かな。さっきMarbleが言っていたように、キャッチーでさわやかでポップで。
KoREDS★
昔ながらのAURAも含まれているし、今回は3曲ともタイトル曲になってもいいぐらいのシングルです。
Marble
ファンもずっと待っていてくれたと思うし、完成した3曲を聴いていたら関わってくれた人、応援してくれた人の顔が浮かんで、泣けてきて感動しちゃいました。続けてきた中で亡くなってしまった仲間もいっぱいいるんですが…“AURAって絶対大事だよね”っていう気持ちを込めてやってきたものが作品になって本当に良かったです。
以前のど派手なAURAのイメージがある人もいるかと思いますが、歴史の中で変化したところと変わっていないところは?
REDS☆
変化したのはビジュアルですよね。僕の髪はもう赤ではないし、Marbleも緑ではない。KoREDS★は今も紫ですけど(笑)。変わってないのは自分の言っていることややっていること。テレビの『イカ天』(『平成名物TV 三宅裕司のいかすバンド天国』)に出た時にマイクを向けられて“子供から大人までウケないと駄目なんですよね”ってひらめきで言ったんですけど、それがバンドのコンセプトでもあったし。今もあのAURAのビジュアルはどのアーティストにも負けていないと自負しています。
6月2日からツアーがスタートしますね。
REDS☆
今まで対バンだった名古屋や大阪が今回はワンマンなので、昔の曲も含めてあんな曲、こんな曲もやりたいと思います。AURAはライヴバンドなので。
Marble
SEや照明、演出にもこだわって今までよりレベルの高いステージにしたいですね。
REDS☆
ロックショーじゃないけど、観せる要素も強めで。
KoREDS★
僕らはロックバンドだと自負してるのでワンマンもツーマンも120パーセントの力でいきます。期待していてください。
取材:山本弘子