【INTERVIEW:Rhythmic Toy World】
楽しさを届けるためには
自分たちが楽しんでないといけない
【G-NEXT POWER PUSH ! #3_INTERVIEW:Rhythmic Toy World】
内田:この言葉にはロケットの打ち上げという意味があって。僕たちがインディーズでCDをリリースした5年前からお世話になっている方が、僕たちのことをずっと“Rhythmic Toy Worldという夢を乗せて飛んでいく宇宙船”と形容してくれているんです。その表現が自分たちの中で強く太くなっていって。このアルバムは今までお世話になった方たちにどれだけ感謝を返せるかという想いで制作していたので、その感謝をそのままのかたちでタイトルに込めました。
——このアルバムでこれまでバンドが抱いていた考え方や価値観とはまた別のものが生まれたんじゃないかなと思ったのですが、そのあたりはどうでしょう?
岸:『弱虫ペダル GLORY LINE』のオープニングテーマ(M2「僕の声」)を担当した際に、多くの人に聴いてもらえることを意識してギターフレーズはキャッチーなものを目指しました。そこからこのアルバムを作ったのでキャッチーなフレーズもやりつつ、曲によってはギタリストとしてカッコ良いフレーズもやるっていうふうに考えるようになりましたね。
内田:聴いてくれる人たちやライヴに来てくれる人たちが僕たちがどのステージに立っていても、自分のことのように誇らしく思ってもらえるようなバンドでありたいという部分はとても強くなりましたね。スイッチが切り替わった気がします。
——メジャーデビューのタイミングでのライヴとなると、変わる変わらないといった、これからの活動についての話をするアーティストが多い気がするのですが、メジャーデビュー前日の4月24日に行なった、“インディーズラスト”と銘打ったライヴではそのような話をまったくされませんでしたよね。
内田:なんで言わなかったんだろう?(笑) でも、そういう意識がないのかもしれません。悪い意味ではなく、そのメジャーデビューというたったひとつのことで、何かが突然上手く回り始めることなんてほとんどないと思うんですよね。でも、何もないのかというとそうではなくて。そのきっかけがあったからこそ、ライヴに来てくれるお客さんが増えたりしているし。だから、メジャーデビューすることで自分たちが変わる変わらないじゃなくて、“メジャーアーティストになったんだ”というくらいの感覚ですね。
——全てはやってきたことの延長線上にあったこと?
内田:そうですね。曲を作って、ライヴをして、その次のライヴの練習をして…とずっと継続しているものなので。本当は“今日から俺はメジャーアーティストだぜ!”みたいなことがあってもいいのかもしれないですけど。でも、そんな自分たちだったらメジャーシーンで闘えないという話はしてたんです。だから、ライヴ中も自然とそういう話にならなかったんだと思います。どのようにして自分たちがここまで歩んできたのかということに対しての感謝を伝えたかった…あの時言わないといけないことは、それだと思いましたね。
——ライヴ中に周りのスタッフへの感謝を伝えていたのも印象的でした。
岸:観ているみんなに“こんなチームの仲間がいるんだぞ!”っていうのを観せつけられるというか。それが自分たちもすごく嬉しくて。
内田:僕たちの裏には支えてくれる人がたくさんいることを知ってもらいたいですね。それを知ることでRhythmic Toy Worldというバンドをもっと知ってもらえることにつながっていくと思うので。
——インディーズラストライヴを終え、2部のトークイベント中、4月25日(メジャーデビュー日)になるカウントダウンのタイミングでは、お客さんがクラッカーを鳴らすというサプライズもありましたね。
内田:あれはびっくりしたよね。
岸:びっくりした(笑)
内田:ああいうことを僕たちのお客さんはしてくれるんですよ。青春時代の友達とホームパーティーをしているような空間を作ってくれる。ありがたいですよね。グッときました。
——そして、5月16日からはツアーも始まります。ファイナルはZepp Diver Cityですが、意気込みをお聞かせください。
内田:Zepp Diver City Tokyoでライヴをやるのが初めてなので、その1回のライヴで会場の全てを知りたいなと思っています。
岸:今まで同じ会場で先輩や仲間の良いライヴをたくさん観させてもらったので、それに負けないライヴにしたいですね。
——“何のためにライヴをやるのか?”という部分は今までと変わらないですか?
岸:やっぱり“音楽が好きだから”に行き着くのかな。
内田:ヒュ〜〜!
岸:(笑)。音楽をやり始めたきっかけなので。それを共有できる仲間やお客さんもいますし。
内田:ライヴって楽しいんですよね。僕らは自分たちが楽しんでいる姿を観て楽しいと思ってもらえるバンドになろうって思っていて。それが僕らのライヴらしさでもあって、その楽しさを届けるためにはまずは自分たちが楽しんでないといけないとも思っています。でも、結果、もちろんそれは聴いてくれるみんなのためなんですよね。切っても切れませんから。
撮影:村上大地/取材:林なな、木村圭汰
(日本工学院専門学校 蒲田校コンサートイベント科)
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