4月28日(土)@東京・日比谷野外大音楽堂

4月28日(土)@東京・日比谷野外大音楽堂

アンカフェ、幸せに満ち溢れた
デビュー15周年ライブを開催

『2007年の4月に日比谷野外大音楽堂で坊くん(前ギタリスト)が脱退して、2012年の4月には活動再開を発表して、2015年にはメジャーデビューを発表して。だからこそ、今年も15周年を迎える4月にも、大切な場所である日比谷野外大音楽堂でライヴがしたかったんです。なかなか取れない場所でもあるのに、スタッフさんたちが頑張って押さえてくれて。集まってくれるファンのみんなのためにも、いいライヴしなくちゃなって思ってます』

ボーカルのみくは、2月10日のTSUTAYA O-WESTから始まった『15th Anniversary Year Special LIVE CAFE TOUR「僕らの奇跡の合言葉は“ニャッピーo(≧∀≦)o"」~カフェっ仔は全員集まれ~』が始まる前、そんなことを語っていた。

まさしく、このツアーのファイナルこそも、日比谷野外大音楽堂であったのだ。

『15th Anniversary Year Special LIVE CAFE TOUR「僕らの奇跡の合言葉は“ニャッピーo(≧∀≦)o"」~カフェっ仔は全員集まれ~』というタイトルを掲げ、東京、大阪、名古屋、岡山、福岡2daysと、全国5ヵ所6公演でまわってきた彼らは、全国各地でこれまで以上の深い絆を感じさせるライヴを展開し、この日のステージへと繋げたのだ。

セミファイナルであった3月3日・4日の福岡公演から少し時間を置いてのファイナルでもあったため、カフェッ仔にとっては4月28日の日比谷野外大音楽堂でのファイナルが待ち遠しく、メンバーにとっては、いくつもの節目を迎えてきた場所とあって、特別な想いの詰まったその場所にかける意気込みは、いつも以上だったと言えるだろう。

彼らの野外ライヴは悪天候なことが多かったのだが、ライヴ当日は晴天。清々しい空の下、5人は真っ白なタキシード姿で現れ、「Lock on ☆ザ☆ 御New世界」「スノーシーン」と続けて届けライヴをスタートさせた。

この日のライヴは、【15周年記念ツアー"アンカフェ楽曲リツイート投票"】を元に組まれたセットリストとあって、集まったカフェッ仔達は、自分が投票した楽曲たちが、どのタイミングで演奏されていくのかも楽しんでいた様子だった。

『ニャッピーo(≧∀≦)o〜! 今日は遊びに来てくれてありがとうございます。こうして集まってくれたこと、本当に感謝しています。今日はいろいろと伝えたいことがあります。15年の感謝と、15年培ってきたすべてを出していけたらと思います。今日は記念日なんで盛大にお祝いしましょう』

みくは、早々に集まってくれたカフェッ仔たちに、15年という年月自分達を支えてくれた感謝の意を伝えた。

ライヴは間髪入れずに4つ打ちのダンスチューン「メープルガンマン」、リズミックなシャッフルナンバーの「一発逆転恋愛ゲーム」と届けられていった。

輝喜のタイトなドラムを土台とし、動きのあるフレーズで低音を支えるカノンのベースと、ウネリを含んだ渋みのあるフレーズを響かせるtakuyaのギターと、楽曲のアクセントとなる、同期とバンドサウンドを繋ぐゆうきのきらびやかな鍵盤音が絶妙なダンスロックを組み立ててていく上に、みくは奥行きのある伸びやかな声を乗せて歌った。

「一発逆転恋愛ゲーム」では、シャッフルのリズムに華麗なターンを何度も見せるパフォーマンスで曲を演出したみく。15年前には、ここまで見る者を惹き付ける魅せ方の技は持っていなかったことを考えると、この15年の成長の大きさがはっきりと見えてくる。

『アンカフェの中で誰が一番好き?』

と叫び、カフェッ仔達に躊躇なく好きなメンバーの名前を呼ばせる、さすがなリードで「darling」へと繋げると、みく、takuya、カノンの3 人は勢い良くステージ中央から客席に伸びた花道へと飛出した。

曲中では【アンカフェ大好き愛してる!】でコール&レスポンス。

恥ずかしくて声も手も上げることのできないファンも多いと思うが、こうして牽引してくれると、自然と緊張が和らぎ、楽しめるのだろう。とにかく客席は笑顔に溢れていたのが印象的だった。

輝喜のリズムワークから「似非占い」へと繋げられていった流れ的なパフォーマンスにも、息の合った演奏にも、この曲中のブレイクに“大好きだー!"と挟み込んだみくの叫びのタイミングにも、15年という年輪を感じさせられた。

さらに。いままでにないアンカフェを魅せてくれたのは、ちょうど中盤あたりに差し込まれた、みくとゆうき2人構成による「巡り逢えた奇跡」だった。この曲では、ゆうきのピアノ伴奏にみくが唄を乗せていくというアンプラグドなスタイルで届けられ、カフェッ仔たちとの大合唱も魅せてくれた。みくは、曲中で、“もう一度日比谷野音のステージに立たせてくれてありがとう"と“巡り逢ってくれてありがとう"という、この日一番伝えたかった言葉を何度も繰り返した。

観賞に浸っていたところ、同期トラブルがあったのだが、みくは動揺することなくトークで繋ぎ、カフェッ仔たちと声を重ねていったのだった。

何の失敗もなく、完璧に届けたいという想いは誰にでもあるだろう。そして、このアクシデントを、みくもゆうきも悔やんだに違いない。しかし。完璧すぎる作り過ぎたものを魅せられても心は動かない。たしかに、徹底的に完璧を追求したものを求める場合もあり、そこに感銘を受けることはあるのだが、この日のライヴは、オープニングでその完璧な姿が観られたことや、演奏やパフォーマンス面での大きな成長がしっかりと感じ取れていたこともあり、そんな嘘のない人間らしい時間がとても愛おしく思えた。心に残る共有した時間こそが想い出に変わるもの。共に声を重ねて歌った時間と、そこに漂った空気は、間違いなくカフェッ仔のかけがえのない時間になったことだろう。

バンドキャラクターのNYAPPYくんが現れて音頭を取り、上手(takuyaチーム)、中央(輝喜チーム)、下手(カノンチーム)に別れ、コール決戦で盛り上げた後、ライヴは後半戦へと流れていった。

「逃避回路」から始まった後半戦は、前半戦の白のタキシード衣装から、アンカフェ色の強いポップな衣装に着替え、ハードな楽曲たちを畳み掛けていった。

日が落ちてから届けられた「流星ロケット」では、ビビットなカラーな照明がステージを彩り、心地よい風と緑の匂いに包まれた昼間の景色とは異なる空間を作り出していたのだった。

『「流星ロケット」から暗くなったね。なんかロマンティックだったよね。みんなが照らしてくれたペンライトもすごく綺麗だった。ありがとう。次に届ける曲は新曲なんだけど、ファン投票に入ってくれてめっちゃ嬉しかった。今のアンカフェが認められている気がして、本当にすごく嬉しかったし、自信を持つことが出来ました。15年間やってきた中で出来た曲だと思うので、じっくり聴いて下さい』

みくの言葉から届けられたのは、3 月28日にリリースされた「願い事は1つさ」だった。

自分と似た境遇の人に、“人を信じること"だったり、“無理矢理じゃなくて自然に笑うこと"だったり、“自分が動かないと周りは変わらない"っていうことを教えてあげたいという想いがあって綴ったというこの曲の歌詞は、うららかかつ、少し切なさを孕んだメロと共に春の夜空に溶け込んでいったのだった。

本編ラストは「スマイル一番イイ♀〜2015Ver.〜」で締めくくられたのだが、鳴り止まぬアンコール【もう一杯】でステージへと戻った5人は、「キミノマチ〜五人合唱Ver.〜」を届けた。それぞれの持ち場を離れ、5人がマイクを持ち、花道で“嵐"ばりの掛け合いでこの曲を届け、カフェッ仔たちを喜ばせたのだった。

アンコールの最後にランキング1位であった「ラフ・ソング」を届けた彼らは、全ての曲を届け終えた後、1人1人がマイクを持ち、カフェッ仔にメッセージを贈ったのだった。

『今日は楽しかったですか? 俺もめちゃめちゃ楽しかったです。本当に15年って実感がない、途方も無い時間なんですが、でも、1つ1つの思い出を振り返ってみると、やっぱり15年経ったんだなと実感するんです。本当にこの15年、海外でもライヴをさせてもらったり、大きな会場でもライヴさせてもらったりもしたけど、今日、改めて本当に素晴しいのは、こうして音楽を通してみんなと1つになれることだなと思いました。メンバーと今日来てくれた人達に本当に感謝します。15年の中には、メンバーと啀み合ったこともあったけど、ステージの上で啀み合ったことは1度もありません。その度に本当に音楽って素晴しいなと思いました。僕に音楽とドラマの素晴しさを教えてくれたのは、メンバーと、こうして集まってくれるカフェッ仔のみんなです。ありがとうございました!』(輝喜)

『みんな! 奇跡の合い言葉ニャッピーo(≧∀≦)o 今日は本当に来てくれてありがとうございました! 自分事なんですけど、今日ここまで電車で来て、日比谷の駅に着いたとき、この景色を見て、加入する前にアンカフェをこの場所に観に来た日のことを思い出しました。めちゃめちゃ迷って、takuyaと携帯で連絡取り合ってやっと合流できたこととか思い出して、ライヴが始まる前からすごく緊張しちゃって。ライヴやってる最中も、この場所でのいろんな思い出を思い出していました。僕達だけじゃできなかったライヴだったと思います。今日という日に、みんなが集まってくれて嬉しかったです! また夏からのツアーも頑張ります!』(ゆうき)

『今日、入りしてから、ステージの設営を見ていたり、ライヴが始まってから集まってくれたみんなの姿を見ていて、本当に1人1人の人生があるんだなと思いながら、いろいろと考えてました。そんなみんなが1つの場所に集まってライヴが出来たことを、とても幸せに思ってます。夏のツアーは僕の誕生日の7月5日から始まるのですが、ツアーをまわれる喜びを感じながら1本1本頑張っていきたいと思いますので、是非、遊びに来て下さい! 今日はありがとうございました』(カノン)

『日比谷、めちゃくちゃ気持ち良かったです! アンカフェの野外といえば雨のイメージだったんですが、今日は天気にも恵まれて沈んでいく日を見ながら、変わっていく風景を感じながら、とても素敵な体験をさせてもらっていることを幸せに思いました。貴重な経験をさせてもらったり、こうしてステージに立たせてもらえることは、みんなが居てくれるからだと思っています。みんなのためにいい音楽を作ろうとか、いいライヴしようとか思えているし、頑張れているんだと思います。本当にありがとうございました。そして、どうかこれからのアンティック-珈琲店-もよろしくお願いします』(takuya)

『15年間こうして1つのことをやり続けられたことってなかったので、本当に嬉しく思っています。やり続けられたのは、自分じゃなく、みんなが居てくれたからこそだと思っています。メンバーとみなさんと、スタッフが居てくれたからこそ、今、ここに居られると思っています。自分の人生めっちゃつまんなくて、感動することもなかったんだけど、みんなと出逢って、みんなと一緒に見る景色がすごく素敵だったり、みんなと1つになれることを知りました。本当に感謝しています。自分に歌うという選択肢をくれたのも、みんなだと思っています。だから、僕達は勝手にアンカフェを辞めることはできないと思っています。アンカフェはみんなのものだから。自分はもう死ぬまでアンカフェをやることを約束します。本当に今日はありがとうございました』(みく)

集まったオーディエンス全員が手を高く掲げ、精一杯の声を出してメンバーの名前を呼び、笑顔で共に歌っていた幸せに満ち溢れた光景を、5人はこの先も忘れることはないだろう。

彼らは夏からまた新たな旅に出る。

Text by 武市尚子
Photo by 折田琢矢
【セットリスト】
LOCK ON ☆ザ☆御NEW世界
スノーシーン
メープルガンマン
一発逆転恋愛ゲーム
darling
似非占い
巡り逢えた奇跡~みく&ゆうきver.~
ニャッピータイム    
逃避回路
青春TRAIN
流星ロケット
ダックのマジカルアドベンチャー
願い事は1つさ
モウソウモモウソロソロ
千年DIVE!!!!!
テケスタ光線
スマイル一番イイ♀ ~2015ver.~  
覚醒ヒロイズム
キミノマチ~五人合唱ver.~
BondS~絆~2016ver.
ラフ・ソング

『15th Anniversary Year Special LIVE CAFE TOUR 2018 「ラグニャロク」』

7月05日(木) [東京] Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
7月07日(土) [群馬] 高崎 club FLEEZ
7月15日(日) [埼玉] 西川口LIVE HOUSE Hearts
7月21日(土) [兵庫] 神戸VARIT.
7月22日(日) [大阪] 大阪MUSE
7月28日(土) [福島] 郡山#9
7月29日(日) [宮城] 仙台MACANA
8月04日(土) [愛知] 名古屋ell.FITS ALL
8月05日(日) [石川] 金沢AZ
8月11日(土) [神奈川] 横浜BAYSIS
8月18日(土) [福岡] 福岡DRUM SON
8月19日(日) [岡山] 岡山IMAGE

4月28日(土)@東京・日比谷野外大音楽堂
4月28日(土)@東京・日比谷野外大音楽堂
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Photo by 折田琢矢

OKMusic編集部

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