【THE PINBALLS ライヴレポート】
『NUMBER SEVEN tour 2018』
2018年2月23日 at 渋谷CLUB QUATTRO
これまで精力的にリリースとライヴを続けてきた活動が昨年12月のメジャーデビューでさらに弾みがつき、ツアーファイナルとなる渋谷CLUB QUATTROはいっぱいに! あえて1曲目に持ってきたに違いないスローブルースの「that girl」でじらされた観客の逸る気持ちは、“燃え上ろうぜ!”という古川貴之(Vo&Gu)の雄叫びとともに雪崩れ込んだ「劇場支配人のテーマ」で一気に弾けた。そこから1時間半、ステージの4人は1曲ごとにリズムの変化を付け、うねるような流れを作り出しながら全20曲を畳み掛けていった。逸る観客をじらすように始めたにもかかわらず、今度は自分の気持ちを抑え切れずに「ママに捧ぐ」から「I know you」につなげるブルースセッションの途中で“俺たちは盛り上がってます!”と古川が叫ぶ。スーツでビシッとキメながら、クールを気取らず、込み上げる熱いものを曝け出すように表現してしまうところもこのバンドの魅力。“ファイナルだから特別なことをしたい”と久々に演奏したインストの「農園の婚礼」では、“そんな柄じゃないけど”と言いながら“ジャンプしようぜ!”と客席に呼び掛け、自ら跳んでみせると、カウパンク調の「重さのない虹」ではそれに応えるようにクラウドサーフィンが起こった。そんなこれまでとはひと味違う盛り上がりが、THE PINBALLSはもっともっと行けるはずだと確信させる。
アンコールでは4月25日にリリースするシングル「Primal Three」から「Lightning strikes」を初披露。切れ味鋭いパンクディスコな演奏は、バンドの今後を大いに期待させるものだった。
撮影:白石達也/取材:山口智男