ジン ひぃたん『世界観の情景』
- 第11回 『ネオンと世界観の樹』 -
唄では表現し切れない、濡れ出る世界観を絵に納める。この連載では、自分の内面を改めて見直すという意味も込めて、見てくれる皆様に敢えて絵の解説をしてみようと思う。
真夜中に
ギラギラとネオンが光る
まるで深海に生きるアンコウのように
危険な光で獲物を誘っているのだ
看板に喰われる
怪しい笑顔に怯える
私は
身を守る武器も無く
まるで裸同然の心で
世界観の苗木を抱えたまま、
道の真ん中に呆然と佇んでいる
この苗木だけは
決して離してはいけない
この街の放つ瘴気に
染まってしまってはいけない
この、か細い苗木が
私の理性であり
守り神でもある
この世界だけは
なんとしてでも
死守しなければならない
銀歯をネオンに反射させながら
男が話しかけてくる
「道に迷ったの?」
私は頷き、ここへ行きたいのだ、と
地図を見せて伝える
すると男はまた銀歯を光らせながら
にこやか且つ丁寧に道を教えてくれた
私は嬉しくなって
一生懸命お礼を言いながら
行かなければならない場所へ小走りで向かった
だけれど
向かう途中で
安心してはいけないことを、思い出した。
この街の優しさは
裏があるかもしれない
無いかもしれない
わからない
みんな、なんでもないことのように
ネオンの世界で生きている
それが、当たり前の事だ、と
笑って生きている
この街にも友情があり、愛があり、
生活がある
解ってる
みんな必死に生きている
だけれど
けれど
世界観の苗木は
この街では育たないのだ。
ギラギラとネオンが光る
まるで深海に生きるアンコウのように
危険な光で獲物を誘っているのだ
看板に喰われる
怪しい笑顔に怯える
私は
身を守る武器も無く
まるで裸同然の心で
世界観の苗木を抱えたまま、
道の真ん中に呆然と佇んでいる
この苗木だけは
決して離してはいけない
この街の放つ瘴気に
染まってしまってはいけない
この、か細い苗木が
私の理性であり
守り神でもある
この世界だけは
なんとしてでも
死守しなければならない
銀歯をネオンに反射させながら
男が話しかけてくる
「道に迷ったの?」
私は頷き、ここへ行きたいのだ、と
地図を見せて伝える
すると男はまた銀歯を光らせながら
にこやか且つ丁寧に道を教えてくれた
私は嬉しくなって
一生懸命お礼を言いながら
行かなければならない場所へ小走りで向かった
だけれど
向かう途中で
安心してはいけないことを、思い出した。
この街の優しさは
裏があるかもしれない
無いかもしれない
わからない
みんな、なんでもないことのように
ネオンの世界で生きている
それが、当たり前の事だ、と
笑って生きている
この街にも友情があり、愛があり、
生活がある
解ってる
みんな必死に生きている
だけれど
けれど
世界観の苗木は
この街では育たないのだ。