「臼井孝のヒット曲探検隊
~アーティスト別 ベストヒット20」
解散の激震から1年余、
SMAPのベストヒットを探る!

デビュー10周年を記念して発売された
「Smac」にもスポットを!

まだまだ触れていないヒット曲が多数あるSMAPだが、どのランキングでもTOP20入りしていない、けれどスタッフ側の熱量は絶大だったのではと思う曲も最後に紹介しておきたい。それは2001年の通算33作目のシングル「Smac」だ。デビュー10周年を記念して発売されたのに、同じ週に発売されたモーニング娘。や宇多田ヒカルより下の初登場3位。ただし、これは発売日の関係で初動の集計期間が1週間フルではなく約3日間しかなかったこと、ボーカル1曲入り900円(当時)という割高なシングルだったこと、さらにノンタイアップだったことも影響しているだろう。

しかし、この曲は「イナズマ」「ダイナマイト」「いいこと」「しようよ」「胸騒ぎ」「カンシャ」「Shake」などなど、それまでのシングル曲の名フレーズが散りばめられた、昭和歌謡ファンに合わせて言えば、SMAP版「微笑がえし」(キャンディーズ)なのだ。発売1カ月後にメンバーの事情によりプロモーションを中止させたというのも、ファンにとっても苦い想い出が残る作品なのかもしれないが、この曲があらためて認知されてこそ、そういったわだかまりが氷解するのではないだろうか。ともあれ、一歩間違えばコミックソングになりそうな内容でも、ファンキーでクールなナンバーにできるのはSMAPならではの強みも感じ取れる。ただ、2018年現在、本作は未配信…これはもったいない!

現在は各メンバーがそれぞれの分野で活躍していて、それは本当に何よりのことで、もう前を向いて進むことが正しいことは重々分かっているのだが…。それでも時々、5人(ないし6人)が揃った時ゆえに起こる強烈なマジックをまたいつの日か見てみたい。それはきっと、多くのリスナーが願っていることだろう。

臼井 孝(うすい・たかし)
1968年京都府出身。地元国立大学理学部修了→化学会社勤務という理系人生を経て、97年に何を思ったか(笑)音楽系広告代理店に転職。以降、様々な音楽作品のマーケティングに携わり、05年にT2U音楽研究所を設立。現在は、本業で音楽市場の分析やau MUSIC Storeでの選曲、さらにCD企画(松崎しげる『愛のメモリー』メガ盛りシングルや、演歌歌手によるJ-POPカバーシリーズ『エンカのチカラ』)をする傍ら、共同通信、月刊タレントパワーランキングでも愛と情熱に満ちた連載を執筆。Twitterは @t2umusic、CDセールス、ダウンロード、ストリーミング、カラオケ、ビルボード、各番組で紹介された独自ランキングなどなど、様々なヒット情報を分析してお伝えしています。気軽にフォローしてください♪

OKMusic編集部

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