「臼井孝のヒット曲探検隊
~アーティスト別 ベストヒット20」
解散の激震から1年余、
SMAPのベストヒットを探る!

7位にはロングヒットを記録している
メッセージソング「ありがとう」が!

総合7位は2005年のシングル「ありがとう」。同作はドラマ『僕の歩く道』(これまた草彅剛主演)で、CDセールスとしては上から23番目となる累計37.7万枚だが、CDのTOP100内の登場週数は33週と、「世界に一つだけの花」(169週、現在も継続中)、「らいおんハート」(40週)に次ぐロングヒット。これも彼らだから歌える素直なメッセージソングだが、解散前後にもCDや配信での購入が進んだのは、ファンから彼らへのメッセージだったようにも思える。

総合8位には、1994年当時木村拓哉が出演した「オロナミンC」のCMに起用されたエールソング「オリジナル スマイル」。シングルでは、まだブレイク直後だったため18位の約41万枚と控え目だが、やはり前向きなメッセージが届きやすい配信や、ノリの良さが伝わりやすいカラオケでは好調で総合8位となった。特に、熊本地震が起こった2016年の4月下旬、この歌に励まされたいというリスナーが増えたのか、一時は配信やカラオケで「世界に一つだけの花」「オレンジ」に次ぐ3番人気にもなっていた。

総合10位にも1992年のシングル・カップリング曲「BEST FRIEND」がランクイン。もともとは「負けるなBaby!」(SMAPの全55作中最低となる売上9.9万枚)のカップリングで、NHK『みんなのうた』に使われていた友情や家族愛を歌ったものだが、メンバーの絆が話題となるたびに本作の配信やカラオケが再浮上してきた。特に、2013年『SMAP×SMAP』内で香取の歌唱に対し中居・草彅の号泣シーンが放送された際、大きな話題を呼んだ。彼らの楽曲は、ダンサブルでノリが良いものも多いが、このようにグループやメンバーの動向と併せて共感される楽曲も非常に多い。ちなみに、4位の「ありがとう」も解散前後にCDや配信セールスが急増しており、これもファンからメンバーへの感謝の表れだったのだろう。

「フラッシュモブ」型MVが話題となった
「Joy!!」が12位を獲得

2010年代で最も人気なのが総合12位となった2013年のシングル「Joy!!」。女性バンド“赤い公園”のメンバーである津野米咲が作詞・作曲した皆で盛り上がりそうなアッパーチューンで、登場する人物が次々とダンスの渦に加わっていくという「フラッシュモブ」型の本格的なミュージックビデオとして話題になった。2009年まで1種類でのCD発売を貫いてきた彼らだが(奇しくもAKB48がミリオンヒットを多発するようになった)、2010年よりCDの複数形態での発売を実施し、この「Joy!!」は5種類の内容違いを出すことで累計39.9万枚と、こちらも2010年代最大の売上となっている。ただし、配信10位、カラオケ11位と他でもヒットしているので真のヒットと言えよう。

総合15位には2011年の配信限定シングル「not alone~幸せになろうよ~」がランクイン。CD発売が予定されていた矢先に東日本大震災が起こり、急遽配信のみのリリースとなったこともあり、配信での売上が突出している。ちなみに、SMAPの大半の楽曲は長らくフルサイズのダウンロードが解禁されておらず、シングル曲を中心に配信されたのは2015年4月28日(iTunesでは2018年現在も未配信)。それゆえ、2010年前後の楽曲が配信上位になりやすい一般的な傾向とは事情が異なる。しかし、だからこそ「世界に一つだけの花」や「オレンジ」などオールタイムでの“記憶の名曲”が配信の人気曲として浮上しているのだろう。

OKMusic編集部

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