「臼井孝のヒット曲探検隊
~アーティスト別 ベストヒット20」
解散の激震から1年余、
SMAPのベストヒットを探る!

総合TOP5は
CDの1位から5位と一致!!

SMAPの総合TOP5を見てみると、なんとCDの1位から5位とまったく一致した。これは彼らのヒットしたCDがコアなファン以外に大きく浸透してきたことを意味している。つまり、CDで売れた作品はダウンロードやカラオケでもさほど人気を落とすことなく概ね強く支持されているということだ。

しかも、CDシングル市場のピークは1995年~1997年に対し、彼らの人気曲のTOP3は1998年、2000年、2003年といずれもそれからズレており、決して“業界が元気だったからSMAPのCDもよく売れた”とは説明できない。これも大きなポイントだろう。つまり、この時流に逆らって生まれた大ヒット3曲があったからこそ、彼らが国民的大スターへとさらにステップアップしたのではないだろうか。

シングル、配信、カラオケ
すべてで1位を制覇した
「世界に一つだけの花」が総合1位に!

総合1位はシングル、配信、カラオケすべてで1位を制覇した「世界に一つだけの花」で、当然100点満点。彼らの長年のファンなら、この曲がメディアで取り上げられる度に、「もっと良い曲があるのに…」と思うかもしれない。これだけ名曲が多いのだから、それもよくよく分かるのだが、圧倒的に支持されているのでどうかご了承願いたい。

この「世界に一つだけの花」は、その2002年のアルバム『SMAP 015/Drink Smap!』に収録されていた一曲で、ファンの間では人気曲として定着しつつあった。そこへ、2003年の1月期の草彅剛主演ドラマ『僕の生きる道』の主題歌が決まり、余命わずかな主人公の気持ちに《もともと特別なOnly one》という歌詞がシンクロし、視聴者から問い合わせが殺到。急遽シングル化を決めたところ、1週間で60万枚、2週目、3週目も30万枚を超える大ヒットとなった(ちなみに、同CDの発売2週目にはB’z「IT’S SHOWTIME!!」の発売が予定されていたが、B’zがオリコン1位連続記録を守るために、発売を2週間ずらしたほどだ。実際に「世界に一つだけの花」の発売2週目は38.0万枚に対し、B’zの初動は30.8万枚。ビーイング・スタッフのこうした英断により、現在もB’zの記録は継続されている)。

その後もヒットを続け、2015年までに累計約258万枚に。そして2016年、解散危機報道がされると、彼らへの応援や感謝を示した購入行動が広がり、その代表格となる本作がCDでは週間3位に再浮上し、累計300万枚を突破! 日本の歴代シングル売上第3位に浮上、配信(レコチョク)においても初の週間1位となる快挙に。解散後も、各メンバーの誕生日近辺になると、“お花摘み”と称してCDショップに足を運んで購入しているファンが多く、ロングヒットを続けている。ちなみに、作詞・作曲・編曲を手がけた槇原敬之も2004年に自身のアルバム『EXPLORER』でセルフカバーをしており、同アルバムは槇原にとって約7年ぶりに50万枚を突破し、同曲のダウンロードも10万件を超えている。
世界に一つだけの花

2位は自身初のミリオンヒットとなった
バラードナンバー「夜空ノムコウ」

総合2位は1998年の「夜空ノムコウ」。作詞はスガシカオ、作曲は川村結花といったシンガーソングライター勢が担当し、その冬の寒さと孤独な状況を醸し出しつつ、気候面でも精神面でも次なる"春”を感じさせ、木村拓哉がアコギを弾きながら語るように歌うというスタイルも相まってこれまでのアイドル・ポップスとは一線を画したバラードで自身初のミリオンヒットに。とりわけ、スガの言葉を選ぶセンスが注目を浴びた。それゆえ、スガシカオが本作をセルフカバーしたアルバム『Sugarless』は裏ベスト的な意味合いがあったにもかかわらず、スガにとって初のオリコン1位となっている。
夜空ノムコウ

OKMusic編集部

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