カルト歌謡カルタ【よ】ちあきなおみ
「夜へ急ぐ人」

いつまでも人々の心の片隅に残り続ける珍曲や迷曲たち。売れることを考えて作られたとは思えない破天荒な作品に、その時代の心の豊かさと歌謡界の度量の大きさを感じる。いまこそ、その真髄を継承すべく、魔法のカルタで拡散!

「夜へ急ぐ人」

1977年発表
歌:‪ちあきなおみ‬‬
作詞・作曲:友川かずき
編曲:宮川泰

「♪あたしの心の深い闇の中から おいで おいで おいでをする人 あんた 誰」ちあきなおみが髪を振り乱して歌う。26枚目のシングル曲「夜へ急ぐ人」である。

‬1977年「第28回NHK紅白歌合戦」で、‪ちあきなおみ‬がこの曲を歌い終わった後に白組司会の山川静夫(NHKアナウンサー)が「何とも気持ちの悪い歌ですねえ」と感想を述べた。‪ちあきなおみ‬のファンで腹を立てた人もいるかもしれないが、何か一言入れないと次の曲へ進めない、その位迫力のある、鬼気迫るパフォーマンスだった。また、精神科医の集まりでちあきなおみが歌を披露する際、この曲だけは歌わないでと言われたという。

‪作詞・作曲を手掛けたシンガーソングライター・友川かずきは、この曲でその名が広く知られるようになる。友川はバイト先のイタリアンレストランで歌っていたところ、宇崎竜童に声をかけられたことがきっかけでデビュー。1974年にシングル『上京の状況』(作詞・作曲:友川かずき)、翌年1975年にアルバム『やっと一枚目』を発表。中原中也の詩に影響を受け、独創性のある世界観の曲を創作。中学生の頃から1977年「夜へ急ぐ人」までに作った曲は600に及ぶ。

‬編曲を担当した作曲家・編曲家の宮川泰は、ザ・ピーナッツの育ての親であり、『シャボン玉ホリデー』(1961〜1972年/日本テレビ)や『宇宙戦艦ヤマト』(1974〜1975年/讀賣テレビ)など数々のテレビ音楽を手掛けた歌謡界の重要人物。

鬼才と天才達が誕生させた「夜へ急ぐ人」は、ちあきなおみの中では狂気を感じさせる異色の一曲である。‬

解説・イラスト:はらめがね

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