結成13周年を迎えたA9が奏でる、 気高く美しい生命のワルツ「PENDULUM」

結成13周年を迎えたA9が奏でる、 気高く美しい生命のワルツ「PENDULUM」

結成13周年を迎えたA9が奏でる、 気
高く美しい生命のワルツ「PENDULUM」

また先日発売となった、洗練された彼らの魅力が余すことなく詰め込まれた、メンバーの各ソロ写真集は、失神してしまうほど美しく魅惑的だと、大きな話題を呼んでいる。
今回はそんな彼らが8月、9月と2ヶ月連続リリースした楽曲の中から、9月リリースの「PENDULUM」をご紹介したい。
「振り子」と題されたこの楽曲、ダークな世界観を放つ、ドラマティックでかっこいい楽曲なのだが、私はこの「PENDULUM」にバンドの決意表明とも取れるような、ただならぬ熱いメッセージを感じた。
8月リリースの前作「Re:Born」が「心機一転、希望を胸に、共に新しい物語を紡いで行こう」という明るい希望に満ちた楽曲だったのに対し、今作「PENDULUM」はそれとは対照的な、雰囲気をガラリと変えた楽曲になっている。
A9の「PENDULUM」
歌詞を見ていきたい。
僕らを取り巻く世界から、闇を排除して
境界線を無くしていく
踊る「振り子」のように
共に奏でよう A9という気高く美しい生命のワルツを
華やかで煌びやかな世界が一変し、
窮地に立たされようとも、僕らは美しく輝き続けよう
悪が牙を向き、漆黒の闇が僕らを襲おうとも
バンドの未来を守るために必死で足掻いて
“生命のワルツ”の“生命”とは、A9というバンド自体を指しているように感じた。
バンドは音を生み出す生命体。だが、バンドはファンがいなければ成り立たない。
前出の“奏でよう”は、自分達を支えてくれているファンへ呼びかけているのではないだろうか。
「共に奏でてくれないか、僕らA9というバンドのワルツを」と。
また、“希望という火花”は、バンドの未来を指し、バンドの希望に満ちた未来が消えぬよう、守るため必死で足掻いて、と解釈できる。
ファンに向けた熱いメッセージ
未完成な僕らの夢
明けることのない絶望の夜をすり抜けて
ゴールの見えない迷路を彷徨い続けた空白の時間(とき)
あなたの折れた心さえも癒せるよう、僕らの音で繋ぐから
その一瞬の静寂も逃さず、心にとどめよう
このサビの歌詞に、ファンに対する熱いメッセージを感じた。
「君の傷付いた心を癒せるよう、これからもメロディーを紡ぎ続けていくから、僕らA9というバンドの生き様を一瞬も見逃さぬよう、しっかり見ていてほしい」と。
結成14年目へ突入!バンドの決意表明を新たに示した「PENDULUM」
バンドを結成して今年で13年。
2014年に所属事務所から独立、Alice NineからA9へと改名し、活動を再開してからもうすぐ3年が経つ。
バンドやアーティストにとって、レーベルや事務所の移籍は、周りの環境やそれを取り巻く人々が一変するため、本人達が感じるストレスやとまどいは相当なものだ。
まして彼らのように独立となると、その重圧ははかり知れない。
自分達の手でバンドを守り、活動していかなければならないのだから。
今までとはまるで違う環境の中で、納得のいかない、不条理なこともたくさんあったと思う。
かつて仲間だった人達に足を引っ張られることだってあったかもしれない。
たとえどんなに辛く苦しい状況に立たされようとも、彼らはA9というバンドの未来を守るため、必死に足掻き、バンドを守り抜いた。
この「PENDULUM」という楽曲は、独立後の“ゴールの見えない迷路”を彷徨っていた頃の自分達を回顧しながらも、今後のバンドへの意気込みを強く込めた楽曲なのではないだろうか。
A9の新章の始まりを告げた前作「Re:Born」。
そして14年目に突入するバンドの決意表明を新たに示した今作「PENDULUM」は、聴く者の心の奥底に眠っていた“衝動”を呼び覚ましてくれる、まさに気高く美しい生命のワルツだ。
既に来年1月17日に新曲の発売が決定している彼ら。
L'Arc-en-CielのKenをプロデューサーに迎え、A9が魅せる新境地。
そこにはいったいどんな世界が広がっているのだろうか。
A9というバンドの「振り子」は、これからも決して止まることなく、踊り続ける。
TEXT:中村友紀

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