根本要と佐藤竹善の超豪華タッグによ
るトークライブ『おたまじゃくしの夜
』は究極の才能に出会える夜だった 
そして次回公演も発表に!

根本要&佐藤竹善「要と竹善のおたまじゃくしの夜Vol.1」 2018.11.13 渋谷・eplus LIVING ROOM CAFE & DINING

音楽好きのための至れりつくせりの部屋
スターダスト☆レビューの根本要、SING LIKE TALKING(以下SLT)の佐藤竹善といえば、人気ライヴバンドのフロントマン同士、そしてその歌の実力と共に、面白いMCで聴き手を惹きつけるという共通点がある二人だ。そんな二人がトークライヴをやるというのだから、面白くないわけがなく、さらに二人の知り合いの“スゴイ奴”も紹介してくれるという、『要と竹善のおたまじゃくしの夜Vol.1』が、11月13日、渋谷・eplus LIVING ROOM CAFE & DININGで行われ、噂を聞きつけ集まったファンで満員だった。

根本要
このイベントを開催するにあたって根本は「これまで、本当にたくさんの人達に支えられて音楽を楽しんで来ました。そんな僕らも、そろそろ楽しむことに加えて支えることもしなきゃと考えついたのが、この「おたまじゃくしの夜」です。オタマジャクシは昔から音符に例えられます。そしてオタマジャクシはかえるに成長する手前のかわいさでもあります。この場所は、音楽の話も目一杯、そしてこれから大きく羽ばたく新しい音も紹介する、正に音楽好きのための至れり尽くせりの部屋です」と、自身も楽しみな新しい才能を、音楽好きに紹介する場だと語っていた。
佐藤竹善
佐藤も「ミュージシャンは才能と運、実力が全てとはいえ、それを醸成させてくれるのは、たくさんの素敵な出会いによるものもとても大きいことを経験して来た要さんや僕が、少しでもそんな場面を作ることができたらという想いが、この企画の核になっていると思っています。素敵なお店の雰囲気の中で、とても気軽に彼らの素顔と深い音楽的ポテンシャルを伝えられる触媒になれたなら、僕自身も大きな喜びです」と、根本同様、ミュージシャンの先輩として、“スゴイ奴”を紹介したいという、強い意気込みを感じさせてくれる。
しかしそんな強い意気込みを感じさせてくれながらも、緩い、いやリラックスした雰囲気でイベントはスタート。会場になっているeplus LIVING ROOM CAFE & DININGは、ゆったりとしたソファや暖炉、バーカウンターなどがあり、そんな雰囲気の中で、お客さんは食事やお酒を楽しみながら観ているので、より親しみやすい、フランクな感じを演出してくれる。二人もそんな空気感と、客席との近い距離を楽しみながら、いつもにも増して饒舌、爆笑につぐ爆笑だ。このイベントの主旨、お互いのデビュー当時の事を語り終えると、早くも30分経過。
根本要
佐藤竹善 岩城直也
ここでピアニスト岩城直也を呼び込み、岩城が「両親がスタレビのファンです」というと、根本に笑顔で怒られていた。岩城のピアノで、佐藤がビートルズ「In My Life」を、根本はビリー・ジョエル「New York State Of Mind」をカバーし、トークで笑わせた後は美しい歌でうっとりさせ、感動が広がっていく。このメリハリが二人はズルい。面白くて歌がうまい人は昔からモテると決まっている。
第2部は、根本がいきなり「ここまで観て、こんなはずじゃなかったと思う人?」と、覆面調査。目をつぶったファンに挙手させ、様子を“探る”。しゃべりが多すぎじゃないかと思っている人もちらほらいたが、そもそも“トークライヴ”だから、ほとんどのファンが歌もそうだが二人の掛け合いを楽しんでいる。
彼らが紹介したいアーティスト
エリック・フクサキ
そしてこの日二人が紹介したかった、エリック・フクサキが呼び込まれる。ペルー出身日系3世のエリックは、ラテンの実力派シンガーで、日系人が多いペルーで演歌に出会い、最初は演歌歌手になる事を夢見て来日した。根本は「エリックとカラオケに行った時に演歌を歌ってもらったら、洋楽の音程の取り方で歌うので、不思議な演歌で新鮮だった」と、エリックの独特の解釈の演歌を絶賛。さらにエリックはSLTや、スキマスイッチのツアーにコーラスとして参加したり、コンポーザーとしてもカントリー・ガールズやJuice=Juiceに楽曲提供するなど、注目を集めているというプロフィールを紹介すると、根本は「(そんなに活躍してるのなら)ここで紹介する必要ないじゃん」と笑わせ、佐藤も「もしかした俺達よりも稼いでるかもよ」と言うと、客席は大爆笑に。さらに「ラテンも、ロックも、マイケル・ジャクソンも都都逸」も同じ目線で語るのがすごい」(佐藤)と、二人は、自分達とエリックの世代の違い、考え方の違いを羨ましがっていた。
佐藤が、先日エリックがSLTのライヴで1曲披露した時、終演後の即売でエリックのCDが100枚近くも売れて、「俺達のより売れたかも」というエピソードを紹介し、また爆笑。ここでピアノの岩城を呼び込む。岩城23歳、エリック26歳、「二人合わせても俺より若い」と嘆き、ここからエリックと岩城のステージ。

エリック・フクサキ
まずはオリジナル曲のラテンポップス「行かないでセニョリータ」から。情熱的なピアノとアコースティックギターに乗せ、エリックの透明感のある伸びやかな声が客席に広がっていく。2曲目に入る前に、岩城がピアノを奏で始めるとエリックが「いいですね、ちょっとセッションしましょうか」と、即興でフェイクやトランペットの音色を真似てセッション。これがライヴの醍醐味。2曲目は昭和を代表するシンガーの一人・江利チエミの「奴さん」をカバー。この楽曲は、元々お座敷歌だったものを江利がラテンジャズ風にアレンジして歌ったもので、エリックは原曲、江利の歌い方をリスペクトしながらも、自分の色にしっかり仕立てあげ、その世界に引き込まれる。それを盛り上げる岩城のピアノも素晴らしい。

岩城直也 エリック・フクサキ
エリックと岩城はこの日が初対面だが、エリックが岩城のピアノに惚れ込み「次の僕のシングルのアレンジをお願いできますか?今日一緒にやって岩城さんしかいないと思いました。運命的な出会いに感謝」と、お客さんの前で仕事の依頼をするという場面も。二人でのトークに花を咲かせていると、客席後方でこの様子を見ていた佐藤から「歌ってくださ~い」と巻きが入る。最後の曲はエリックが8月にリリースしたラテンスタンダードカバー集「ある恋の物語」から、表題曲の「Historia de un Amor (イストリア・デ・ウン・アモール/ある恋の物語)」を披露。情熱的なバラードを見事な表現力で歌い上げ、女性のお客さんが多い客席は全員がうっとり聴き入っていた。情熱的だけどどこまでもせつないラテンの歌が持つ繊細さを、エリックは伝えてくれる。
再び根本と佐藤がステージに登場すると、根本が「お前ら全然初々しくないよ!緊張してないどころか余裕だったじゃん」と言うと、佐藤も「3年位やっている漫才コンビみたいだった」とコメントし、エリックと岩城の堂々としたパフォーマンスに感心していた。エリックは「要さんと竹善さんにはいつも電話で人生相談に乗ってもらい、本当に感謝しています」と感謝の気持ちを伝えると、佐藤は「僕はその電話を底なしの人生相談と呼んでいます(笑)」と言い、根本は「長いんだよ。エリックから電話がかかって来た時は、2時間は覚悟しないといけないので(笑)」と言うと、ステージ上も客席も爆笑だった。
要と竹善のおたまじゃくしの夜vol.1
要と竹善のおたまじゃくしの夜vol.1
ラストは4人でセッション。選んだ曲はビートルズの「Nowhere Man」。アカペラのハモリからスタートすると、いきなり「あ、間違えた!」と佐藤がストップをかける。ファンは大喜びだ。再度、歌い始めると、ボーカリスト3人が織りなす見事なハーモニーと、歌に寄り添うような優しいピアノの音色によって、メロディの輪郭がよりハッキリと浮かび上がってくる。
歌い終えても当然拍手は鳴りやまず、根本と佐藤が再びステージに登場し「1,2,3…」とカウントを取りはじめ、何を歌うんだろうと期待していると「本当に何も用意してないから!「Nowhere Man」をアンコールのつもりでやったのに、全く意図をわかってくれていない」と笑わせて、大団円。
「各地のイベンターからこのイベントをやってくれと声がかかっている」(佐藤)と、早くも話題になっているこの『要と竹善のおたまじゃくしの夜』。次回は3月15日に今回と同じeplus LIVING ROOM CAFE & DININGで行われる事が決定している。温かくて、面白くて、音楽愛に溢れる、二人の人柄がそのまま出ているこのイベントは、さらに新しい才能、音楽に出会わせてくれるという、とことん優しさで溢れている時間だった。

取材・文=田中久勝  写真=三輪斉史
そして、そんな『要と竹善のおたまじゃくしの夜 Vol.2、vol.3』
開催決定!!詳細は下記にて。
イベント情報

要と竹善のおたまじゃくしの夜
要と竹善のおたまじゃくしの夜 Vol.2
 日時:2018.3.14(水)
 会場:eplus LIVING ROOM CAFE & DINING
 出演者:根本 要 佐藤竹善  ゲスト:ヨースケ@HOME ピアノ:岩城直也
要と竹善のおたまじゃくしの夜 Vol.3
 日時:2018.3.15(木)
 会場:eplus LIVING ROOM CAFE & DINING
 出演者:根本 要 佐藤竹善  ゲスト:Michael Kaneko ピアノ:岩城直也
全席指定 \3,000(税込、飲食代1フード1ドリンク別途)

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