超特急、史上最大規模の
アリーナツアーファイナル公演完遂
超特急が、2017年12月24日(日)より敢行していたアリーナツアーの最終公演を1月6日(土)に初の大阪城ホールで開催した。幕張でのクリスマス公演2デイズ+東名阪アリーナツアーという形で行われ、全5公演が発売開始6秒でソールドアウトした今ツアーを締めくくるこの日は、彼らの2018年最初のライブだけに鏡開きや餅つき、太鼓でのパフォーマンス等、お正月らしいド派手な演出が次々に。幼い頃から大阪城ホールに立つことを夢見ていた、共に関西出身のバックボーカル・コーイチとタカシをフィーチャーした場面も交えつつ、歌・ダンス・演出すべてにおいてバージョンアップ。終演後には春のニューシングル発売と東西アリーナツアーも発表し、超特急7人の想いを一つにしたステージで、集まった1万人の8号車(=超特急ファン)に新たな“beginning=始まり”を提示してみせた。
その名も『BULLET TRAIN ARENA TOUR 2017-2018 the end for beginning』、すなわち“始まりのための終わり”という意味深なタイトルがつけられた今ツアーは、総合演出を務めるユーキを筆頭に、メンバー全員がライブ制作に参加するという新たなチャレンジに挑戦した。公演前の囲み取材でも、クリスマス公演の衣装をプロデュースしたカイは「サンタをモチーフにした衣装で登場したときの8号車の歓声が」、ユースケは「横浜と名古屋で担当したオープニング&エンディング映像に8号車が湧いてくれたのが」共に嬉しかったと語っていた。また、ツアーの思い出を問われて「横浜と名古屋では客席を自転車で走り回った」とリョウガが、「雪の中で踊り、歌った「Snow break」は、自然と心を込めて届けられた」とタカシが返答したように、様々な驚きの演出が施されていた本ツアー。12月27日(水)の横浜アリーナ公演で、当日リハーサル中にユーキが足を怪我するアクシデントもあったが、コーイチいわく「そのおかげで一致団結しようというパワーが生まれた」という。当のユーキは「(毎年年末にツアーはしていても)年を越すのは初めてなので、年明けなのに最後っていうのが不思議。2018年一発目のライブで、今年1年の超特急が決まる気がする」と予感を告げていた。
その注目すべき新年一発目のステージは、幕開けから驚きの連続だった。まずは羽織袴姿の7人がカルタにおみくじ、お年玉におせち等のお正月アイテムと戯れるコミカルな映像から、琴の音に乗って“謹賀新年”の文字が浮かぶモニターが上がると、「和風と洋風をミックスした」というタクヤのプロデュースによる艶やかな装いの7人がリフトアップ。8号車の大歓声を受け、リーダーのリョウガが「皆様、新年あけましておめでとうございます」と挨拶して全員で一礼し、「超特急2018年の栄光を祈って!」と、なんとステージ上で酒樽を鏡割りして乾杯する。そして「いくぞ、お前ら!2018年、超特急スタート!」という、いつになく男らしいタクヤの号令で始まった超特急の和チューン「ikki!!!!!i!!」では、纏を掲げた人々がステージ2階に現れ、背後の扉から餅つきの樽と杵が出現。「俺たちも餅つきしようぜ!」とカイが号令して順に餅つきすると、なんと今度は巨大な梯子が登場して、法被を着た男性による梯子乗りの曲芸が!宙高くで繰り広げられる信じられないアクロバットにメンバーも8号車も歓声をあげるが、仕事始めの出初式をステージでやってしまうというアイディアには、まったく度肝を抜かれる他はない。
スペシャルすぎる演出で勢いをつけると、スモーク噴き上がる「バッタマン」から8号車と一体となって踊るハイテンションなアッパーチューンを続けて投下。夢の舞台に立てたボーカル組は特にテンション高く、タカシは「ご乗車ありがとうございます」とニッコリ微笑む。「Burn!」ではコーイチがタカシに抱きついてじゃれ合ったあげく、ユースケが「年始ということで、僕たちが8号車に向けて全力で歌います!」と、普段8号車と合唱するパートを7人で野太く歌い上げて8号車を喜ばせた。MCでは2018年の抱負をしたためた書き初めと、そこに込めた想いを紹介。“自"と書いたカイが「自分らしく、自分を信じて、真っ直ぐ道を進んでいけば、自ずと道が開かれていくだろう」と伝えると、ユースケは“音楽番組出演"と掲げて、「たくさんの人に僕たちの音楽を広めましょう!」と檄を飛ばす。2018年の目標を聞かれた囲み取材でも、タクヤが「音楽番組にたくさん出たい。僕たちはアーティストとして曲を届けるグループなので」と言い切っており、その際リョウガが答えた「オンリー1なグループ。他に類を見ない、同じジャンルがいない存在を目指したい」という意気込みには、奇しくもタカシの“唯一無二"という書き初めがリンク。「メインダンサー&バックボーカルグループという今までにない体制でやってきたので、そこはブレずに、2018年も8号車のみんなを楽しませていきたい」との決意を彼は語っていたが、メンバー間の心が繋がっているというのはグループにとって大きな武器だ。
そして「本年も超特急をよろしくお願いします!」というリョウガの挨拶から暗転すると、なんとステージ中央にスポットを浴びて大太鼓にバチを振るうコーイチの姿が!その後もカイ、ユースケ、タクヤ、タカシ、リョウガ、ユーキと続き、今度はアリーナ客席に突き出したセンターステージで、太鼓を前に全員が揃う。ダイナミックな和太鼓パフォーマンスを魅せる7人の頭上には、“2018"の文字を映し出すLEDシャンデリアも。そこから放たれる太鼓のユニゾンといい、7人の掛け声といい実にたくましく、巧みな手さばきでバチを操るアクションもダンスグループならではの艶やかさだ。さらに、リフトアップして回転する円形センターステージの上で「超えてアバンチュール」を、なんと太鼓の生演奏を交えた邦楽アレンジで披露!普段とは違うダイナミズムを醸す音とダンスに、場内のテンションも当然ブチ上がる一方だ。
ここで早変わりにより袴を脱ぎ捨てると、スレンダーな黒シャツとサスペンダーで「Kiss Me Baby」を挑発的にドロップ。怪我から10日にもかかわらず見事なバク転を見せたユーキに大歓声があがり、変形する階段を巧みに使いながらタカシが優しく、熱く歌い上げる「Whiteout」へ。続いてコーイチの変幻自在なキュートが爆発する「ライオンライフ」と、ボーカル組のセンター曲で二人の多彩なボーカリゼーションをしっかり堪能させる。雄叫びにフェイクと、まさしくライオンのような“俺様"ボーカルを放つコーイチに、負けじとタカシの歌声がエモーショナルになる様は実にスリリングで、そこから冒頭についたおもちを味わいながらのMCタイムに。それぞれの正月エピソードを公開したのに続き、ボーカル二人きりでのトークというレアな場面では、「凱旋ライブですね! 超特急の単独ライブで城ホールなんて、こんな幸せなことないですよ! でも、それは8号車のみんなが来てくれたからなんですよ!」とタカシが喜びを爆発させた。コーイチもアンコールのMCで「僕にとってここはとても特別な場所。目の前の城天で踊っていた子供のときから、いつか立ちたいなぁと見てた夢を、8号車のみんなと超特急のみんなが叶えてくれて、新たな一歩を踏み出せるキッカケになりました」と感慨深げに想いを吐露。思わず歌声が高揚してしまうのは当然と言えるだろう。
また、突如センターステージに現れて片手倒立で魅せたユーキを皮切りに、ダンサー陣のクールなソロダンスを挟んでは、ボーカル二人だけで「Fantasy Love Train~君の元までつながるRail~」と「Starlight」をしっとり届けるシーンも。笑顔でアイコンタクトを交わしながら歌い合う様は微笑ましく、「Starlight」の大サビでは見つめ合いながらアカペラで歌い上げる姿に、二人の厚い信頼関係が滲み出ていた。そんな強靭なバックボーカルに支えられ、メインダンサーたちが曲ごとにセンターに立つ人間を変えながら繰り広げる色鮮やかな肉体パフォーマンスこそ、超特急の真骨頂。自らの拳を合図に炎があがる演出について「今までにないアクションで、やっていて世界観に入る」と、囲み取材でユーキが語った「Beautiful Chaser」に、センターステージで巧みに向きを変えながら全方位の8号車を魅せるカイセンターの「Star Gear」では、ダンス力/フォーメーション力の高さをアピールする。
中でも本日の目玉が、東名阪3 公演で最大の見せ場となっている「Gravitation」曲中のトランポリンによるパフォーマンス。この日は横浜、名古屋の2公演共このブロックに不参加だったユーキが復帰し、何度も宙返りを成功させたのみならず、90度の壁を跳躍と脚の力だけでよじ登る超大技を見事に成功! 場内の大喝采を呼んだ。相方であるタクヤもなんとか腕の力を借りながら登りきり、二人で抱き合う様子は無条件に涙腺を緩ませるもの。超特急史上でも類を見ない困難を乗り越えてのラストスパートでは、8号車との絆を深めるナンバーを並べ、「gr8est journey」では歌とダンス双方から未来への想いがヒシヒシと伝わり、大きく揺れるペンライトの明かりと相まって胸を熱くする。
駄目押しとばかり「8号車を含めてメンバー、スタッフの皆さんでカバーして支え合った超特急の愛が、このアリーナツアーにはありました。たくさんの人に支えられている今、改めてこの7人でステージに立てたこと、感謝の気持ちを込めて超特急の愛を届けます」と、ユースケが涙目で前置いての「Peace of LOVE」へ。新たな振りつけにより、身体全体でドラマティックに表現される超特急の“LOVE”もまた、素晴らしく熱く、美しいものだった。さらに「超特急2018年、これからもいろんなことがあると思います。そんな中でも僕たちは8号車がいれば、どんな山も乗り越えていけると思います」とユーキが宣言しての本編ラスト曲は、その名もツアーと同じく「The End For Beginning」。披露されるたびに8号車に対する求心力をグングン増していった東名阪3 公演のテーマソングは、壮大なサウンドを下地にコーイチが書き記した赤裸々な歌詞と、ユーキの振り付けによるダンスが劇的な融合を果たし、8号車の心を奪わずにはおかない。囲み取材の際、タクヤも「個人的に好きな振りつけ。メンバーから受け取った振りは、いつもと気持ちが違う」と語っていたが、それは8号車の視点でも同じことだろう。ましてや苦しみを乗り越えて光を目指そうという詞世界は、今回のアクシデントによりいっそうの説得力を高めている。
かと思いきや、アンコールではクリスマス公演のテーマ曲「BREAK OFF」で、新年会かと思うようなドンチャン騒ぎという、このギャップもまた“ザ・超特急”。総合演出を務めながら100&のパフォーマンスができず、今ツアーで誰より悔しい想いをしたユーキも、「今こうしてステージの上に立てていることが、すごくハッピーです! もっとやりたいことが今回の経験でさらに気づけて、もっともっと楽しいライブ制作ができそうなので、2018年もよろしくお願い申し上げます!」とポジティブな言葉をくれた。センターステージに飛び出した「fanfare」で客席を360度煽り立て、コーイチが「ありふれた日常が奇跡に変わる瞬間を……今、ここで感じてる!」と歌詞を振り絞るように歌い替えると、リョウガが「最後はこの曲を、皆さんに届けたいと思います」と伝えて鳴ったイントロに、場内からは悲鳴が。節目となる重要な時にだけ披露される「Signal」の登場は実に1年半ぶりで、“夢は見るより掴み取れ"と自らを今一度鼓舞し、夢への道を絶対にあきらめないと8号車、そして自らに誓いを立てる姿が、観る者の心を熱く揺さぶる。歌詞を借りながら「僕たち絶対に夢を叶えて見せます!」と曲中で宣言したタカシの声は力強く、何より強く耳の残ったのが“レールは自分で選ぶから”というフレーズ。ライブ制作にメンバー自身が深く関わったツアーの最後にこの曲が置かれたことを考えると、“the end for beginning”というタイトルの意味合いも自ずと浮かび上がってくるのではないだろうか。
5公演にわたるアリーナツアーを締めくくったのは、「これからも超特急、いろんなことがあると思います。何があってもいつになっても、僕たち7人についてきてください!」というリョウガの言葉。予想外の出来事がありながらも、絆と強さを掴み取った今回のツアーは、彼らについていけば幸せが待つと証明してくれたツアーとも言えるだろう。終演後には2018年春のニューシングルリリースと、東西アリーナツアーもモニター上で発表され、8号車の大歓声に迎えられた。5月26(土)・27日(日)に武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ、6月9(土)・10日(日)に神戸ワールド記念ホールというスケジュールも、もはや日常に感じられるほど飛躍を遂げた超特急。今、確かな自信と手応えを持って、彼らは頂点への道を走り始めたのである。
【セットリスト】
01.出初式
02.ikki!!!!!i!!
03.バッタマン
04.Burn!
05.太鼓パフォーマンス
06.超えてアバンチュール(太鼓ver.)
07.Kiss Me Baby
08.Whiteout
09.ライオンライフ
10.My Buddy
11.ダンスパフォーマンス
12.“Fantasy Love Train~君の元までつながるRail~”
13.Starlight
14.Beautiful Chaser
15.Star Gear
16.Gravitation
17.gr8est journey
18.OVER DRIVE
19.Peace of LOVE
20.The End For Beginning
EC1.BREAK OFF
EC2.fanfare
EC3.Signal
その名も『BULLET TRAIN ARENA TOUR 2017-2018 the end for beginning』、すなわち“始まりのための終わり”という意味深なタイトルがつけられた今ツアーは、総合演出を務めるユーキを筆頭に、メンバー全員がライブ制作に参加するという新たなチャレンジに挑戦した。公演前の囲み取材でも、クリスマス公演の衣装をプロデュースしたカイは「サンタをモチーフにした衣装で登場したときの8号車の歓声が」、ユースケは「横浜と名古屋で担当したオープニング&エンディング映像に8号車が湧いてくれたのが」共に嬉しかったと語っていた。また、ツアーの思い出を問われて「横浜と名古屋では客席を自転車で走り回った」とリョウガが、「雪の中で踊り、歌った「Snow break」は、自然と心を込めて届けられた」とタカシが返答したように、様々な驚きの演出が施されていた本ツアー。12月27日(水)の横浜アリーナ公演で、当日リハーサル中にユーキが足を怪我するアクシデントもあったが、コーイチいわく「そのおかげで一致団結しようというパワーが生まれた」という。当のユーキは「(毎年年末にツアーはしていても)年を越すのは初めてなので、年明けなのに最後っていうのが不思議。2018年一発目のライブで、今年1年の超特急が決まる気がする」と予感を告げていた。
その注目すべき新年一発目のステージは、幕開けから驚きの連続だった。まずは羽織袴姿の7人がカルタにおみくじ、お年玉におせち等のお正月アイテムと戯れるコミカルな映像から、琴の音に乗って“謹賀新年”の文字が浮かぶモニターが上がると、「和風と洋風をミックスした」というタクヤのプロデュースによる艶やかな装いの7人がリフトアップ。8号車の大歓声を受け、リーダーのリョウガが「皆様、新年あけましておめでとうございます」と挨拶して全員で一礼し、「超特急2018年の栄光を祈って!」と、なんとステージ上で酒樽を鏡割りして乾杯する。そして「いくぞ、お前ら!2018年、超特急スタート!」という、いつになく男らしいタクヤの号令で始まった超特急の和チューン「ikki!!!!!i!!」では、纏を掲げた人々がステージ2階に現れ、背後の扉から餅つきの樽と杵が出現。「俺たちも餅つきしようぜ!」とカイが号令して順に餅つきすると、なんと今度は巨大な梯子が登場して、法被を着た男性による梯子乗りの曲芸が!宙高くで繰り広げられる信じられないアクロバットにメンバーも8号車も歓声をあげるが、仕事始めの出初式をステージでやってしまうというアイディアには、まったく度肝を抜かれる他はない。
スペシャルすぎる演出で勢いをつけると、スモーク噴き上がる「バッタマン」から8号車と一体となって踊るハイテンションなアッパーチューンを続けて投下。夢の舞台に立てたボーカル組は特にテンション高く、タカシは「ご乗車ありがとうございます」とニッコリ微笑む。「Burn!」ではコーイチがタカシに抱きついてじゃれ合ったあげく、ユースケが「年始ということで、僕たちが8号車に向けて全力で歌います!」と、普段8号車と合唱するパートを7人で野太く歌い上げて8号車を喜ばせた。MCでは2018年の抱負をしたためた書き初めと、そこに込めた想いを紹介。“自"と書いたカイが「自分らしく、自分を信じて、真っ直ぐ道を進んでいけば、自ずと道が開かれていくだろう」と伝えると、ユースケは“音楽番組出演"と掲げて、「たくさんの人に僕たちの音楽を広めましょう!」と檄を飛ばす。2018年の目標を聞かれた囲み取材でも、タクヤが「音楽番組にたくさん出たい。僕たちはアーティストとして曲を届けるグループなので」と言い切っており、その際リョウガが答えた「オンリー1なグループ。他に類を見ない、同じジャンルがいない存在を目指したい」という意気込みには、奇しくもタカシの“唯一無二"という書き初めがリンク。「メインダンサー&バックボーカルグループという今までにない体制でやってきたので、そこはブレずに、2018年も8号車のみんなを楽しませていきたい」との決意を彼は語っていたが、メンバー間の心が繋がっているというのはグループにとって大きな武器だ。
そして「本年も超特急をよろしくお願いします!」というリョウガの挨拶から暗転すると、なんとステージ中央にスポットを浴びて大太鼓にバチを振るうコーイチの姿が!その後もカイ、ユースケ、タクヤ、タカシ、リョウガ、ユーキと続き、今度はアリーナ客席に突き出したセンターステージで、太鼓を前に全員が揃う。ダイナミックな和太鼓パフォーマンスを魅せる7人の頭上には、“2018"の文字を映し出すLEDシャンデリアも。そこから放たれる太鼓のユニゾンといい、7人の掛け声といい実にたくましく、巧みな手さばきでバチを操るアクションもダンスグループならではの艶やかさだ。さらに、リフトアップして回転する円形センターステージの上で「超えてアバンチュール」を、なんと太鼓の生演奏を交えた邦楽アレンジで披露!普段とは違うダイナミズムを醸す音とダンスに、場内のテンションも当然ブチ上がる一方だ。
ここで早変わりにより袴を脱ぎ捨てると、スレンダーな黒シャツとサスペンダーで「Kiss Me Baby」を挑発的にドロップ。怪我から10日にもかかわらず見事なバク転を見せたユーキに大歓声があがり、変形する階段を巧みに使いながらタカシが優しく、熱く歌い上げる「Whiteout」へ。続いてコーイチの変幻自在なキュートが爆発する「ライオンライフ」と、ボーカル組のセンター曲で二人の多彩なボーカリゼーションをしっかり堪能させる。雄叫びにフェイクと、まさしくライオンのような“俺様"ボーカルを放つコーイチに、負けじとタカシの歌声がエモーショナルになる様は実にスリリングで、そこから冒頭についたおもちを味わいながらのMCタイムに。それぞれの正月エピソードを公開したのに続き、ボーカル二人きりでのトークというレアな場面では、「凱旋ライブですね! 超特急の単独ライブで城ホールなんて、こんな幸せなことないですよ! でも、それは8号車のみんなが来てくれたからなんですよ!」とタカシが喜びを爆発させた。コーイチもアンコールのMCで「僕にとってここはとても特別な場所。目の前の城天で踊っていた子供のときから、いつか立ちたいなぁと見てた夢を、8号車のみんなと超特急のみんなが叶えてくれて、新たな一歩を踏み出せるキッカケになりました」と感慨深げに想いを吐露。思わず歌声が高揚してしまうのは当然と言えるだろう。
また、突如センターステージに現れて片手倒立で魅せたユーキを皮切りに、ダンサー陣のクールなソロダンスを挟んでは、ボーカル二人だけで「Fantasy Love Train~君の元までつながるRail~」と「Starlight」をしっとり届けるシーンも。笑顔でアイコンタクトを交わしながら歌い合う様は微笑ましく、「Starlight」の大サビでは見つめ合いながらアカペラで歌い上げる姿に、二人の厚い信頼関係が滲み出ていた。そんな強靭なバックボーカルに支えられ、メインダンサーたちが曲ごとにセンターに立つ人間を変えながら繰り広げる色鮮やかな肉体パフォーマンスこそ、超特急の真骨頂。自らの拳を合図に炎があがる演出について「今までにないアクションで、やっていて世界観に入る」と、囲み取材でユーキが語った「Beautiful Chaser」に、センターステージで巧みに向きを変えながら全方位の8号車を魅せるカイセンターの「Star Gear」では、ダンス力/フォーメーション力の高さをアピールする。
中でも本日の目玉が、東名阪3 公演で最大の見せ場となっている「Gravitation」曲中のトランポリンによるパフォーマンス。この日は横浜、名古屋の2公演共このブロックに不参加だったユーキが復帰し、何度も宙返りを成功させたのみならず、90度の壁を跳躍と脚の力だけでよじ登る超大技を見事に成功! 場内の大喝采を呼んだ。相方であるタクヤもなんとか腕の力を借りながら登りきり、二人で抱き合う様子は無条件に涙腺を緩ませるもの。超特急史上でも類を見ない困難を乗り越えてのラストスパートでは、8号車との絆を深めるナンバーを並べ、「gr8est journey」では歌とダンス双方から未来への想いがヒシヒシと伝わり、大きく揺れるペンライトの明かりと相まって胸を熱くする。
駄目押しとばかり「8号車を含めてメンバー、スタッフの皆さんでカバーして支え合った超特急の愛が、このアリーナツアーにはありました。たくさんの人に支えられている今、改めてこの7人でステージに立てたこと、感謝の気持ちを込めて超特急の愛を届けます」と、ユースケが涙目で前置いての「Peace of LOVE」へ。新たな振りつけにより、身体全体でドラマティックに表現される超特急の“LOVE”もまた、素晴らしく熱く、美しいものだった。さらに「超特急2018年、これからもいろんなことがあると思います。そんな中でも僕たちは8号車がいれば、どんな山も乗り越えていけると思います」とユーキが宣言しての本編ラスト曲は、その名もツアーと同じく「The End For Beginning」。披露されるたびに8号車に対する求心力をグングン増していった東名阪3 公演のテーマソングは、壮大なサウンドを下地にコーイチが書き記した赤裸々な歌詞と、ユーキの振り付けによるダンスが劇的な融合を果たし、8号車の心を奪わずにはおかない。囲み取材の際、タクヤも「個人的に好きな振りつけ。メンバーから受け取った振りは、いつもと気持ちが違う」と語っていたが、それは8号車の視点でも同じことだろう。ましてや苦しみを乗り越えて光を目指そうという詞世界は、今回のアクシデントによりいっそうの説得力を高めている。
かと思いきや、アンコールではクリスマス公演のテーマ曲「BREAK OFF」で、新年会かと思うようなドンチャン騒ぎという、このギャップもまた“ザ・超特急”。総合演出を務めながら100&のパフォーマンスができず、今ツアーで誰より悔しい想いをしたユーキも、「今こうしてステージの上に立てていることが、すごくハッピーです! もっとやりたいことが今回の経験でさらに気づけて、もっともっと楽しいライブ制作ができそうなので、2018年もよろしくお願い申し上げます!」とポジティブな言葉をくれた。センターステージに飛び出した「fanfare」で客席を360度煽り立て、コーイチが「ありふれた日常が奇跡に変わる瞬間を……今、ここで感じてる!」と歌詞を振り絞るように歌い替えると、リョウガが「最後はこの曲を、皆さんに届けたいと思います」と伝えて鳴ったイントロに、場内からは悲鳴が。節目となる重要な時にだけ披露される「Signal」の登場は実に1年半ぶりで、“夢は見るより掴み取れ"と自らを今一度鼓舞し、夢への道を絶対にあきらめないと8号車、そして自らに誓いを立てる姿が、観る者の心を熱く揺さぶる。歌詞を借りながら「僕たち絶対に夢を叶えて見せます!」と曲中で宣言したタカシの声は力強く、何より強く耳の残ったのが“レールは自分で選ぶから”というフレーズ。ライブ制作にメンバー自身が深く関わったツアーの最後にこの曲が置かれたことを考えると、“the end for beginning”というタイトルの意味合いも自ずと浮かび上がってくるのではないだろうか。
5公演にわたるアリーナツアーを締めくくったのは、「これからも超特急、いろんなことがあると思います。何があってもいつになっても、僕たち7人についてきてください!」というリョウガの言葉。予想外の出来事がありながらも、絆と強さを掴み取った今回のツアーは、彼らについていけば幸せが待つと証明してくれたツアーとも言えるだろう。終演後には2018年春のニューシングルリリースと、東西アリーナツアーもモニター上で発表され、8号車の大歓声に迎えられた。5月26(土)・27日(日)に武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ、6月9(土)・10日(日)に神戸ワールド記念ホールというスケジュールも、もはや日常に感じられるほど飛躍を遂げた超特急。今、確かな自信と手応えを持って、彼らは頂点への道を走り始めたのである。
【セットリスト】
01.出初式
02.ikki!!!!!i!!
03.バッタマン
04.Burn!
05.太鼓パフォーマンス
06.超えてアバンチュール(太鼓ver.)
07.Kiss Me Baby
08.Whiteout
09.ライオンライフ
10.My Buddy
11.ダンスパフォーマンス
12.“Fantasy Love Train~君の元までつながるRail~”
13.Starlight
14.Beautiful Chaser
15.Star Gear
16.Gravitation
17.gr8est journey
18.OVER DRIVE
19.Peace of LOVE
20.The End For Beginning
EC1.BREAK OFF
EC2.fanfare
EC3.Signal
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